混沌の2月PMI、ユーロ圏では独仏明暗、サービス業では米欧逆転
更新日:2025年02月22日(土)

トランプ第2次政権本格稼働の2月、米欧経済活動においても変化の兆し。
ユーロ圏の総合PMIは50.2。5ヵ月ぶり高水準となった前月から変わらず、2ヵ月連続節目50超。
国別ではドイツが51.0。前月から+0.5、3ヵ月続伸で2ヵ月連続50超、9ヵ月ぶり高水準と好調に対し、フランスは44.5。-3.1の急反落で6ヵ月連続50割れ、1年5ヵ月ぶり低水準。
総合PMIでドイツがフランスを上回るのは5ヵ月連続、その差は1月の2.9ポイントから6.5ポイントへ急拡大。ユーロ圏総合PMIの数値は横ばいでも、ビッグ2は明暗分かれる状況に。
業種別では、好調なサービス業が製造業の低迷をカバーしてきたこれまでの構図にも変化の兆し。
ユーロ圏サービス業PMIは50.7。前月から-0.6の続落で3ヵ月ぶり低水準、3ヵ月連続50超は維持。ドイツが52.2で前月から-0.3の低下も3ヵ月連続50超、7ヵ月で2番めの高水準。フランスは44.5と低調。前月から-3.7の大幅続落で6ヵ月連続50割れ、1年5ヵ月ぶりの低水準。フランスが足を引っ張る構図に。
ユーロ圏の製造業PMIは47.3。前月から+0.7の続伸で9ヵ月ぶり高水準。2年8ヵ月連続50割れも低迷状態緩和は進行中。
ドイツが46.1で2年8ヵ月連続50割れも前月から+1.1の続伸で2年ぶり高水準、フランスも45.5で2年1ヵ月連続50割れも前月からは+0.5で9ヵ月ぶり高水準。
フランスの製造業PMIがサービス業PMIを上回るのは2年1ヵ月ぶり。ドイツは「サービス業>製造業」が2年3ヵ月連続、ユーロ圏は2年11ヵ月連続中。
PMIの状況は米欧関係にも変化が。
米総合PMIは50.4。前月から-2.3の続落で1年5ヵ月ぶりの低水準。節目50超は2年1ヵ月連続維持。サービス業PMIは予想外に低調。49.7となり、前月から-3.2の大幅続落で2年1ヵ月ぶりに節目50割れ。製造業PMIが51.6で8ヵ月ぶり高水準となったのとは対照的。
米国の「製造業>サービス業」は11ヵ月ぶり。サービス業でユーロ圏が米国を上回るのは10ヵ月ぶり。
米欧関係は、PMIの動向においても混沌。

21日のNY金は-2.9ドル、0.1%の小反落。前日の最高値更新で一服感と失速感も。アジア時間の2960ドル台半ばが高値となっていったん失速するとロンドン序盤には2930ドルの安値をつけて下げ渋り。NY市場では2940ドル台に戻して保ち合い、NY午後には米10年債利回り低下の流れで2960ドル近辺再トライもNY引け後には2950ドル近辺へ。高値保ち合いの様相も強まるなか、2950ドルの節目超えに伴う短期上値目標2990ドル近辺までの上値トライ余地も残す状態に。下方向へは浅めのサポートを形成しつつある2930ドルを割れると2900ドルの大台ラインがサポートに、これを割れると2840ドル近辺までが短期調整目安。
週間ベースでは+52.5ドル、1.81%高で8週続伸。8週続伸は2020年8月以来、4年半ぶり。

NYプラチナは-9.5ドル、0.95%の反落。時間外は990ドル台後半から前半へと軟調推移、ロンドン序盤に980ドル台前半の安値をつけて切り返すとNY朝には990ドル台から1000ドルの大台回復トライ。大台回復が一時的にとどまるとNY午後には990ドル割れへと失速。目先、上限を1000ドルに切り下げて保ち合いレンジを縮小、200日移動平均線(982.6)近辺、980ドルまでを下限に小幅保ち合いに。下限を割れると960ドル近辺までが短期下値目安、少し勢いづけば1月中旬安値圏940ドル近辺も。大台回復できれば1020ドル台辺りまでが短期反発目安に。
金との価格差は1965.5ドル、4日連続で過去最大を更新。
週間ベースでは-31.5ドル、3.09%安で3週続落。3ヵ月ぶりの大幅安。

ドル円は-27銭、0.18%安で3日続落。10月15日(149.19)以来、4ヵ月ぶりの安値。東京朝には国内CPIの上振れを受けて149円半ばから20銭台まで下押し後に切り返し、植田日銀総裁のハト派発言にもサポートされて買い戻しの流れとなり、150円を回復すると高値では150円70銭台まで一段高。これが高値となって一服後は午後の反落局面でも150円台を維持し、欧州・NY朝にかけて150円半ばでの小幅保ち合い推移。NY市場では米サービス業PMIの2月速報が予想外に低調となったことを受けて150円割れへと急反落。さらに2月のミシガン大消費者信頼感指数、1月中古住宅販売件数も予想以上に低迷したことで景気失速懸念から米株安と米10年債利回り低下にも連れ、NY午後には149円台前半へと軟調推移。NY終盤には安値で一時149円割れも。結果的に上ヒゲを残して反発トライに失敗、151円40銭の節目割れに伴う短期下値目安、12月安値148円半ばまでを目指す流れ継続へ。
週間ベースでは-3.01円、1.98%の反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/21終値とチャート
2025年02月22日(土)時点の相場
国内金:15,465 円 2/21(金)
▼136(
0.87%)
国内プラチナ:5,077 円 2/21(金)
▼11(
0.22%)
NY金:2,953.2 ドル 2/21(金)
▼2.9(
0.10%)
NYプラチナ:987.7 ドル 2/21(金)
▼9.5(
0.95%)
ドル円:149.33 円 2/21(金)
▼0.27(
0.18%)
2/21(金)のその他主要マーケット指標
フィラデルフィア連銀もインフレ懸念高騰で期待は低調 02/21(金)
米賃金上昇率、1月中央値は低下基調継続、ゼロ賃金は上げ渋り 02/20(木)
NY連銀製造業景況指数、2月は予想外の急反発 02/19(水)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン