更新日：2025年05月15日(木)
4月の賃金上昇率（平均時給、前年比+3.77％）から消費者物価上昇率（CPI、前年比+2.31％）を差し引いた、実質賃金上昇率は前年比+1.46％。3月の+1.45％からわずかに上昇し、3カ月続伸となって昨年10月（1.54）以来、半年ぶりの高水準。
実質賃金上昇率が前年比プラス圏推移となるのは2023年5月以降、24カ月連続。
そのなかでも4月は4番めの高水準。
なお、賃金上昇率からコアCPI（2.78）を差し引いた数値でも4月は前年比+0.99％。3月（1.05）からは小幅に低下も4年余りで2番めの高水準。プラス圏推移も1年9ヵ月連続。
賃金上昇率も、CPIも、いずれもゆるやかな低下基調が続いてインフレ圧力は後退。そして賃金上昇率よりもCPIの低下ペースが若干勝る状況にあり、実質賃金上昇率の堅調推移を下支え。
実質賃金上昇率の堅調推移は米国の消費を下支え、消費の堅調推移は米GDPを下支え。
こうして米国景気は下支えされ、労働市場も下支え。
利下げの必要性に迫られないFRBに対する、トランプ大統領のもどかしさは募ります。
14日のNY金は-59.5ドル、1.83％の反落で4月10日（3177.5）以来、5週間ぶりの安値。米中対立懸念後退、関税リスク緩和の流れが続いて軟調推移。アジア時間序盤の3260ドル近辺が高値となり、3230ドルまで下落していったん下げ渋りも、ロンドン・NY朝にかけて3220ドルの節目を割れると3200ドルの大台割れへと一段安。NY市場では3190ドル近辺での揉み合い、NY引け後には一時3170ドル近辺まで下落。3220ドルの節目割れに伴う短期下値目安3180ドル程度に到達したことで、短期的には調整局面一服となりやすい状況にも。反発方向へは3250ドルが目先の上限、これを突破できれば3300ドルの大台回復トライ、短期上値目標は3310ドル近辺。
NYプラチナは-11.0ドル、1.11％の反落。アジア時間の990ドル近辺での揉み合いから、ロンドン・NY朝には上限トライ。1000ドル付近まで水準を切り上げながらも大台には届かず、上値を押さえられる形となってNY市場では失速、990ドルを割れると980ドル近辺まで急反落。ただし980ドル割れでは下げ渋り、NY午後には980ドル近辺での小康状態に。またしても上限突破トライに失敗、970ドルから1000ドルまでのレンジで保ち合い継続へ。上限突破なら今年高値圏1050ドル近辺トライへ、下限割れなら920ドル近辺までを目安に下値トライへ。
ドル円は-70銭、0.47％の続落。反発局面急加速となった週初の大幅高からの巻き戻しで調整局面はこの日も継続。東京朝の147円60銭台が高値となり、午後には147円割れ、147円を挟んでの揉み合いとなって東京市場を終えると欧州時間には円高急進。米韓政府高官による通貨政策協議の報道を受けて韓国ウォンが急伸した流れに円も連れ高となり、145円60銭台まで急落。欧州・NY時間にかけては146円回復へと下げ渋り、NY市場では米国は「貿易交渉において通貨政策に関する約束を合意内容に盛り込もうとはしていない」こと、「通貨政策協議を担うのはベッセント財務長官のみ」などの報道を受けて一時147円10銭台まで急騰。ただし147円は維持できず、NY午後から終盤にかけては146円後半での推移。目先、146円割れで下げ渋る展開が続くかどうか、145円30銭の節目割れなら144円近辺までを目安に一段安トライへも。※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場5/14終値とチャート
15日の国内金価格は-403円、2.39％の大幅続落で5月1日（16363）以来、2週間ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均騰落値幅143円の2.8倍、トランプ関税ショックとなった4月7日（-721円、4.51％）に次いで今年2番めの急落。2日間の小動きがボラティリティ再拡大を示唆していたかのように、トランプ関税リスク緩和でも急落。16820円の節目割れに伴う短期下値目安16580円近辺に到達してオーバーラン。短期的には一服感も、5月1日安値が短中期的に重要な攻防水準にも。これを下回るとダブルトップ完成、単純計算なら726円の追加下落で15637円、16000円割れを試しに行くような展開も想定可能。
プラチナ価格は-38円、0.75％安で5日ぶりの反落。中期中立水準との攻防は5060円がいったん壁となって押し戻され、90日移動平均線（5023）をわずかに下抜け、200日線（5018）にはサポートされる状態。切り返して5060円の壁を突破できれば5100円の大台ライン超えが短期上値目標に。
※参考：金プラチナ国内価格5/15とチャート
2025年05月15日(木)時点の相場
国内金：16,426 円 5/15(木) ▼403(2.39％)
国内ﾌﾟﾗﾁﾅ：5,022 円 5/15(木) ▼38(0.75％)
NY金：3,188.3 ﾄﾞﾙ 5/14(水) ▼59.5(1.83％)
NYﾌﾟﾗﾁﾅ：981.2 ﾄﾞﾙ 5/14(水) ▼11.0(1.11％)
ﾄﾞﾙ円：146.76 円 5/14(水) ▼0.70(0.47％)
5/14(水)のその他主要マーケット指標
米指標は強弱混在、インフレ低下も関税リスク警戒感は高止まり 05/16(金)コアCPIは横ばいもインフレ低下基調継続、利下げ催促も継続 05/14(水)金を買い続ける中国、2-3年後には世界トップ5の金保有大国に？ 05/13(火)米中貿易協議「著しい進展」で国内金価格は適度に調整 05/12(月)
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