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★金プラチナ短期相場観★

米国頼りの構図鮮明、わずかな指標低下で株安進行、プラチナ安も
更新日:2014年10月02日(木)
10月初日のNY市場は米経済指標の若干の低下をきっかけに、株安の流れが大きく進行し、米株主要指標ダウ、NASDAQ、S&P500はいずれも1%超の大幅下落、欧州株も1%弱の下落、これを受けた今朝の日経平均も1.5%程度の下落となり、世界同時プチ株安状態となっています。米国で初めてのエボラ出血熱感染が確認されたことなども材料視されたもようですが、製造業の景況感が予想ほど良くはなかった、という結果にも大きく反応したもようです。

日本時間22時45分に発表されたマークイットの9月製造業PMI改定値は57.5となり、速報値の57.9から低下。その後23時に発表されたISMの製造業景況指数は市場予想の58.5に対して56.6。NYダウが17,000ドルを割れて100ドルほど急落したのもこの頃でした。
この2つの製造業の指標がいずれも前月から低下したことが、悪材料とされてしまったようです。好不況の分かれ目が50となる数値で57.5、56.6という数値だけを見れば、決して悪くはなく、むしろ好調を示す水準と言えます。

マークイットとHSBCが発表している世界各国の製造業PMIの9月の結果と比較すると、米国の好調さは一目瞭然です。
3カ月ほど前まで米国と同水準にあった英国の数値が急落し、51.6まで低下。新興国でもこれ以下の水準でブラジルに至っては50割れ。なお、参考の為に日本の数値を見ると、9月は51.7と前月の52.2から低下。
注目はユーロ圏。今年に入って低下傾向が続き、9月は50.3。経済制裁対象国、ロシアの50.4をも下回り、節目の50割れ寸前まで低下しています。
そのユーロ圏の内訳として、ドイツが1年3カ月ぶりの50割れとなる49.9。イタリア50.7、スペイン52.6、オランダ52.2など比較的好調な国に支えられ、5カ月連続50割れのフランス48.8とともに、ユーロ圏の2大経済大国が足を引っ張る形になっています。
欧州景気の低迷はプラチナ相場の足も引っ張ります。

これらの数値だけを見ても、米国とそれ以外の主要国との水準は明らかに異なり、世界経済の回復基調は米国頼り、という構図が鮮明となりつつあります。
ドル高ユーロ安、円安傾向が強まるのも自然な流れであり、インド・中国・欧州景気の低迷が金やプラチナの需要に大きく影響することになります。

NY金・日足チャート 2014/9/4 - 10/11日のNY金相場は0.32%の小幅高。ドル高調整の流れを受けての反発も限定的。安値1,205ドルは4度めの1,200ドル台となり目標水準到達とこの水準での底堅さを示す。しかし上値も1,220ドル台のレジスタンスラインでしっかり押さえられ、1,210-20ドル台の鍋底レンジを継続。モメンタムは好転しつつあるものの、イベントウィークを通過するまでは1,200ドル前後までの下落リスクへの警戒感も維持。

NYプラチナ・日足チャート 2014/9/4 - 10/1プラチナ相場は0.83%の続落で2009年10月以来5年ぶり安値水準となる1,280ドル台へ。早くも歴史的安値水準の一つ目をクリアし、一時1,260ドル台まで下落。ドル全面高の巻き戻しに伴う金の反発にも追随し切れず、中国や欧州景気の低迷の影響を受けるとはいえ、売られ過ぎ状態が継続。次の警戒水準は、リーマン後の安値から2011年高値までの61.8%戻しラインとなる1,210ドル近辺。

ドル円・日足チャート 2014/9/4 - 10/1ドル円は0.69%安となり4日ぶりの反落。日本時間昼前に2008年8月25日以来6年1カ月ぶりとなる110円台まで上昇したことによる達成感からの軟調推移。ADP雇用者数が予想を小幅に上回った時点で110円手前まで上昇した後は調整幅拡大へ、ISM製造業景況指数が予想を下回ると109円付近まで水準を切り下げ、結果的に3月13日の0.89%下落以来約7カ月ぶりの大幅下落。ようやく調整らしい調整に。ドル高方向への再加速なら110円70銭近辺が目標水準。108円70銭のサポートラインを割れると107円台半ばまでの一段安へ。9日移動平均線を割れたことによるパーフェクトオーダー解除で調整局面入りの可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/1終値とチャート

2日の国内金価格はわずかに2円、0.04%の小幅反発。下値目標4,490円前後を目指す下落リスク浮上も90日移動平均線上でいったんサポートされた状態。この近辺でしばらく踏みとどまることができれば下値リスクも徐々に後退し、新たなレンジ形成の可能性。4,590円台の上限を超えると大幅上昇の可能性も。現時点では下方向優勢。

プラチナは0.88%の大幅続落で3月28日の4,791円以来6カ月ぶりの安値水準に。円安調整も重なり、過熱感上昇とともに下方向への流れも加速、下値目標水準4,700円前後を目指す流れが継続する可能性大。
※参考:金プラチナ国内価格10/2とチャート

2014年10月02日(木)時点の相場
国内金:4,559 円 10/2(木) ▲2(0.04%)
国内プラチナ:4,816 円 10/2(木) ▼43(0.88%)
NY金:1,215.5 ドル 10/1(水) ▲3.9(0.32%)
NYプラチナ:1,287.7 ドル 10/1(水) ▼10.8(0.83%)
ドル円:108.89 円 10/1(水) ▼0.76(0.69%)
→10/1(水)のその他主要マーケット指標

←リスク警戒感に伴うドル高の巻き戻し、例外はブラジルとプラチナ 10/03(金)
→ドル高ユーロ安、商品安が急速に進んだ2014年9月の月間騰落率 10/01(水)
→新たな火種は香港民主化デモに伴う中国景気不安 09/30(火)
→予想外の上半期から予想通りの下半期へと転換中?のマーケット 09/29(月)

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