金プラチナ短期相場観
米国による中国の為替操作国認定見送りと人民元高の副産物
更新日:2012年11月28日(水)
米財務相によれば、中国の人民元は依然過小評価されているが「為替操作国」とは認定しないことを公表。先日の大統領選挙でオバマ大統領に敗れたロムニー氏は中国を為替操作国に認定すると公言していました。
中国では、管理フロート制と言われる為替レートを制限するしくみを採用しています。人民元のレートは毎朝中央銀行が提示する基準値の上下1%以内の変動に収まるように介入するものです。
米国側としては、中国が過度に、意図的に人民元高になるのを抑えようとしている、ということです。
しかし、最近では少しづつ人民元高が進んできているのも事実です。今年7月上旬には1ドル=6.42人民元だった為替レートが、最近では1ドル=6.23人民元まで人民元高が進んでいます。米国の圧力によるものかどうかは不明ですが、中国政府も少しづつ人民元高を許容し始めているのかもしれません。
人民元高が進行すると、中国国内の金価格の上昇が抑えられます。
7月上旬に1,600ドル程度だった金価格は現在1,742ドル、8.9%上昇していますが、中国国内レートで計算すると5.8%程度の上昇にとどまります。ちなみに日本国内では円安の影響で11.2%も上昇しています。
世界一の金消費国である中国国内の金価格の上昇が抑えられることは、その需要を阻害しないという副産物もあります。
NY市場、金は続落ながらも上昇トレンド中の適度な押し目。上値目標1,770ドル台。1,710ドルがサポートライン。
プラチナは反発。緩やかな堅調推移でターゲット1,650ドル手前付近を目指します。下値サポートは1,560ドル。
国内、金価格は小幅に続落。一方的に買われ続けて急上昇でターゲット到達後の調整相場。依然買われ過ぎ状態の為、もう一段の調整も。
プラチナもわずかに続落。オシレータ系指標も高めで4,460円台が当面の上値抵抗となりそうな状況ですが、あっさりと上抜けてしまう意外性もプラチナ相場の特徴。
※参考:本日の金価格、プラチナ価格とチャート11/28
- 2012年11月28日(水)時点の相場
-
国内金 : 4,783 円 11/28(水) ▼12(0.25%) 国内プラチナ : 4,429 円 11/28(水) ▼4(0.09%) NY金 : 1,742.3 ドル 11/27(火) ▼7.3(0.42%) NYプラチナ : 1,618.5 ドル 11/27(火) ▲7.5(0.47%) ドル円 : 82.15 円 11/27(火) ▲0.08(0.10%)
フィッチも来年にはフランスのトリプルA格付け剥奪の可能性 11/29(木)
米国による中国の為替操作国認定見送りと人民元高の副産物 11/28(水)
米年末商戦はブラックフライデーから好調スタート 11/27(火)
スペイン・カタルーニャ州、独立派勝利の足を引っ張る台所事情 11/26(月)
ドル円の長期トレンドが円安方向へ加速するかどうかの分岐点 11/25(日)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン