金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ドル高による弊害はまだまだ継続中

更新日:2013年7月30日(火)

足元のドル円相場は1ドル97円台から98円前後。このところ円高傾向がやや強まる展開となっています。対円だけでなく、対ユーロや対ポンドでもこの7月はドル安傾向が強まる展開となってきています。
しかし、新興国や資源国などでは多少ドル高傾向が減速した程度で、相変わらずのドル高水準にあり、自国通貨安対応に苦慮している国もあります。

インドでは、ルピーが対ドルで7月上旬に過去最安値61ルピー台をつけて以降、少しだけ戻して59ルピー台。経常赤字縮小が至上命題となっているインドでは通貨ルピー安対策は緊急課題。インド中銀は本日の会合で政策金利は7.25%据え置きと予想されるものの、短期金利の引き上げなどによる流動性引き締め、ルピー売り対策を継続中。
景気回復中の米国、FRBのバーナンキ議長があれほど、引き締めは当分先と明言しているように、景気が十分に回復していない状態での引き締め策はタブーとされます。過去に日本でも同様のことがありましたが。
それほどインドのルピー安への危機感は強い、ということのようです。

逆に、自国通貨安を歓迎している国もあります。オーストラリアでは、以前の豪ドル高に対して、相次ぐ中銀による口先介入や利下げなどで4月に1豪ドル=1.058ドル台だったレートは7月半ばには0.899ドル台まで大幅な豪ドル安となりました。その後は若干戻して0.91ドル台とはなっていますが、ポンドやユーロのような上昇基調とは行かず、安値低迷状態からは抜け出せない状況です。
ここ数ヶ月間の豪ドル米ドルの推移はNY金相場との相関性が高くなってきています。最近連動性が高いと言われるドル円と日経平均との関係よりもさらに強い状態です。

NY市場、金相場は0.52%の反発。終値では3日連続の1,320ドル台、上値は1,340ドル前後で押さえられる展開が継続。FOMC待ちの状態。今回はバーナンキ議長の会見なしということで声明文のみに注目が集まるところ。会見なしということは大きな政策変更はなし、という見方もでき、量的緩和縮小に絡んで売り材料となるような内容となる可能性は低いのではないか。そうなれば、当面の上値目標1,350ドル台にもようやく到達の可能性も。サポートラインは1,300ドル、1,270ドル台。

プラチナは3日ぶりに1.4%の大幅反発。しかし高値でも1,450ドル手前。下値1,410ドル台との間でレンジ相場の様相も。ただし1,470ドルの上値目標への再トライの可能性も継続。

ドル円は-0.27%の3日続落。97円60銭台まで下げたところから下げ渋る展開。97円台前半までもうひと押しの可能性はあるものの、FOMC~雇用統計の重要イベント待ち状態へ。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場7/29終値とチャート

国内、金価格は4日ぶりの反発もわずかに0.1%の小動き。NY市場の反発とドル円の下落で相殺。ドル円の下げ幅が小幅にとどまったことで、6/28-7/24上昇分の23.6%戻しとなる4,355円の節目で下げ止まり。ドル円がもうひと押しするようなら38.2%戻しの4,283円付近まで下落の可能性もあるものの、いずれかのレベルで反発する可能性も十分に。

プラチナは3日ぶりの1.2%反発。90日移動平均線にぶつかって反落した後、やや行き過ぎて21日移動平均線付近で反発、という流れ。一度は4,710円の節目割れで4,590円の下落ターゲットが浮上したものの再びレンジ内に回帰。上向きのトレンドを維持しており、現状では確率はまだ低いものの下値トライの可能性も残る状況。
※参考:金プラチナ国内価格7/30とチャート

2013年7月30日(火)時点の相場
国内金4,360 円 7/30(火) ▲3(0.07%)
国内プラチナ4,744 円 7/30(火) ▲57(1.22%)
NY金1,328.4 ドル 7/29(月) ▲6.9(0.52%)
NYプラチナ1,442.7 ドル 7/29(月) ▲19.9(1.40%)
ドル円97.95 円 7/29(月) ▼0.26(0.27%)

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