金プラチナ短期相場観
夏場の上昇率1位を快走するプラチナを猛追する金
更新日:2013年8月17日(土)
8月も折り返し地点を迎え、Uターンラッシュに帰国ラッシュの週末。厳しい残暑を迎えつつ、夏枯れ相場も徐々に解消し、9月の重要イベントに向けて市場の動きも活発化していくものと思われます。
この夏場、7月以降を振り返ると、株式市場も為替市場(ドル円)もやや軟調な推移が続き、それまでにもっと軟調推移してきた商品市場がやや盛り返す展開となっています。
2013年夏、ここまでの金・プラチナ・為替・株価指数の騰落率推移
NYダウは一時過去最高値を再び更新するなど堅調な時期もありましたが、ここに来て急失速。この1週間の下げ幅は今年最大に。
日経平均も7月半ばまでこそ堅調推移で騰落率1位を維持したものの、それ以降は乱高下状態で低迷へ。ドル円も乱高下の幅こそ控えめながら日経平均に呼応するように円高優勢の流れへ。
金・プラチナの貴金属相場は、7月初旬に下落基調が一旦は底打ちした形でこの夏場は回復傾向が強まっています。
7月20日過ぎまでは上昇率トップを走っていた日経平均が7月末の急落で脱落、日経平均に追随していた金とプラチナが生き残り、8月に入ると株もドル円も低迷するなか、プラチナと金だけが上昇基調に。プラチナが上昇率トップを先行する形となっていましたが、足元では金の猛追が目立ちます。
次週、最近特に注目度の高いFOMC議事録の公開、毎年恒例、夏の終わりの重要イベント、ジャクソンホールの会合もあります。今年はバーナンキFRB議長の欠席が決まっていますが、次期FRB議長の有力候補であるイエレン副議長の発言などにも注目が集まります。
いずれも、ここまで堅調推移してきた金とプラチナ相場の夏が終わるのかどうか、重要な分岐点となる可能性も高そうです。
NY市場、金相場は0.74%上昇して3日続伸。米住宅着工件数、ミシガン大学消費者態度指数などの指標がいずれも期待はずれの内容となり、景気回復基調の鈍化懸念、早期のQE縮小観測後退などを背景に、あるいはエジプト情勢悪化に伴う、かつてのような安全資産買いへ、という見方もあるものの、それらは支援材料の一つ。今回の金の反発局面がそれなりにしっかりとした流れとなっていることのほうが大きく、特に1,350ドル近辺の壁を突破したことでもう一伸びへの余地が拡大したと見ることもできそう。当面の目標値として1,400ドル近辺までの余力も。それを超えてどんどん上昇するような地合いではないが。
週間では+58.8ドル(+4.48%)の大幅上昇で2週続伸。
プラチナは金に追随せず、0.3%の小幅反落。ここ最近の金とプラチナの反発局面は、プラチナが先行してきた経緯もあり、力尽きるのもプラチナが先か。とりあえずは過熱感上昇による反落。ただし当面の上値目標値1,550ドル台への可能性はまだ残る。
週間では+27.0ドル(+1.80%)にとどまったものの3週続伸。
ドル円は0.27%の小反発。前日の乱高下から一転、小動きに終始。97円30銭から98円30銭のレンジをどちらかへ抜け出すと方向感も出始めそうな展開か。
週間ベースでは+1.27円(+1.32%)となり、前週下落分の半値戻し。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場8/16終値とチャート
- 2013年8月17日(土)時点の相場
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国内金 : 4,435 円 8/16(金) ▲38(0.86%) 国内プラチナ : 4,972 円 8/16(金) ▲2(0.04%) NY金 : 1,371.0 ドル 8/16(金) ▲10.1(0.74%) NYプラチナ : 1,527.6 ドル 8/16(金) ▼4.7(0.31%) ドル円 : 97.62 円 8/16(金) ▲0.27(0.27%)
100%戻しと倍返し、国内価格で見る金とプラチナの相場状況の違い 8/19(月)
夏場の上昇率1位を快走するプラチナを猛追する金 8/17(土)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン