金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

金相場とドル円、夏の終わりの転換点

更新日:2013年8月31日(土)

暑い暑い夏がようやく終わり、明日から9月。気温の低下に逆行し、市場はヒートアップの可能性も高まる9月。重要指標や重要イベント目白押しの9月が始まる前に、このひと夏の相場を振り返ります。
2013年夏場の金・プラチナ、為替、主要株の騰落率推移
この夏場、7月以降の2ヶ月間で最も上昇したのは金。2位のプラチナとデッドヒートを演じながら10%超の上昇となり、8月後半にプラチナをかわしてトップへ。
対照的に7月後半まで堅調推移していたNYダウと日経平均は7月末から下落基調。NYダウは7月の約4%上昇から8月には4.5%程の下落。日経平均は7月のわずか0.07%下落から8月には2%の下落、これで5月以降4ヶ月続落となっています。
ドル円相場も緩やかな円高傾向が続き、変動幅を徐々に狭めつつ、今まさに三角保ち合いの終点へと向かいます。

2013年夏場の日米欧10年債金利の推移
米国の量的緩和縮小に向けて米10年債金利の上昇が進み、米国債と連動性が非常に高い英・独の10年債金利も連れ高となっています。8月末のシリア情勢悪化懸念により米国債が買われたことで、米10年債金利が一時下落、英10年債金利が上昇率トップに。
対象的に日本国債の金利は低下の一途。日銀緩和後の5月に一時0.9%台まで上昇し、日銀緩和の弊害と言われた水準からの下落が進み、今では0.72%。日銀による国債購入の効果、ということにはなりそうです。

相関関係・相関係数ランキング
8月末までの90日間の相関係数によるランキング、主なところでは、NY金とNY銀の相関係数が3位の0.935台で非常に強い連動性。
NY金と国内金が5位で0.904台とこれも非常に強い正の相関関係。
NYプラチナと国内プラチナが0.844台で6位、国内金と国内プラチナが0.814台で7位。これらもかなり強めの相関関係。
NY金とNYプラチナが0.793台で8位、ドル円と日経平均が0.788台で9位、NY金と豪ドル米ドルが0.715台で10位。これらも相関関係が強い状態。
逆相関関係が強いのは、NY金と米10年債金利の-0.648台で、やや強め、という関係。

これらの関係も、この秋から徐々に変化が見られるかもしれません。現状、ほとんど関連性が見られないドル円とNY金との関係も、それぞれが相場の転換点を迎えていることで、徐々に逆相関が高まる可能性もあるかもしれません。

NY市場、金相場は1.19%下げて3日続落。1,400ドルの大台目標到達後の高止まりからようやく反落。シリア情勢に進展がないことや月末、NY市場3連休前なども背景に。夏場の上昇相場も一服し、9月の重要経済指標やイベントなどに敏感に反応しつつ、新たなトレンドを形成していく流れへの転換点となる可能性も。
8月最後の1週間は、わずかに0.3ドル(0.02%)上昇の3週続伸、この1ヶ月間では83.7ドル(6.38%)上昇、2ヶ月連続大幅上昇となり、6月末からの2ヶ月間では172.4ドル(14%)の上昇。

プラチナは0.31%上昇。リスク要因などの特殊事象がなかったことで純粋に前日の1%超の下落からの反発。1,550ドルが上方向のレジスタンス、サポートラインは1,500ドル。流れとしてはやや売り優勢。
週間ベースでは-14.5ドル(-0.94%)で5週間ぶりの反落。月間では+97.8ドル(+6.84%)で2ヶ月続伸。

ドル円は0.18%反落。三角保ち合いのレンジ縮小にともなって60銭ほどの値動きに終始。次週、9月第1週の重要経済指標ウィークにはレンジブレイク濃厚。上限98円台後半、下限は97円近辺。相場の流れはドル高方向がやや優勢。米経済指標の動向などからも労働市場の改善傾向が続き、雇用統計でそこそこの結果が確保できれば9月の縮小開始に向けてドル高方向へとブレイクする可能性が優勢と見ます。懸念はシリア情勢。
週間では-54銭(-0.55%)で3週間ぶりの反落。月間では+30銭(+0.31%)とわずかに反発。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場8/30終値とチャート

2013年8月31日(土)時点の相場
国内金4,618 円 8/30(金) ▼11(0.24%)
国内プラチナ4,972 円 8/30(金) ▼32(0.64%)
NY金1,396.1 ドル 8/30(金) ▼16.8(1.19%)
NYプラチナ1,527.1 ドル 8/30(金) ▲4.7(0.31%)
ドル円98.16 円 8/30(金) ▼0.18(0.18%)

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