金プラチナ短期相場観
バーナンキ発言と米金利高止まりで年初の円高も限定的
更新日:2014年1月4日(土)
バーナンキFRB議長は、年初の講演で「QE縮小は労働市場の改善を反映。米国の経済回復はまだ不十分ながらも他の先進国経済よりも先行。」などと発言し、今後の金融緩和継続や景気見通しへの楽観的な見方も示し、早速年初のリスク回避的な流れを阻止することに成功した様子。
バーナンキ発言を受けてNYダウは下落した前日比マイナス圏からプラス圏へ、ドル円も104円台前半から後半へと持ち直し。
これで次週、市場参加者がさらに戻り、東京市場もスタート、月初の重要経済指標、週末には米雇用統計と続き、新年相場が改めてスタート。
ドル円が下がりそうで下がらず、ドル高傾向が続く背景には、米金利の高止まりの影響も大きく受けているようです。
米10年債金利はこのところ、昨年高値の3.00%近辺での高止まり状態が続きます。日米の10年債金利差とドル円との相関関係が強い状態は昨年後半から続き、30日間の相関係数は0.83台、90日間の相関係数は0.85台となっています。
米10年債金利とドル円の関係性では、90日間の相関係数は0.77台、30日間の相関係数は0.90台、相関係数の推移でも最近の上昇傾向、連動性の高まりが確認できます。
10年債利回りが現在の3%近辺からさらに上昇するためには、もう一段の米経済成長と景気回復の勢いが必要、という見方もあるようです。
次週以降、昨年高値超えをうかがう、米10年債金利の動向にも注目が集まります。
NY市場、金相場は1.09%上昇し、年初から1%超の大幅続伸で半月ぶりの水準に。1,220ドルラインがサポート水準となって堅調推移。昨年安値となった6月28日の1,179.4ドルに対し、12月31日安値1,181.4ドルで2番底をつけたような形となりつつあり、ある程度は買い戻しによる反発上昇の流れが続く可能性も。現時点では12月前半の1,220-1,260ドル台のレンジ水準に戻したところ。次週、本格的な年明け市場で戻り売り圧力がそれほど大きくなければ、レジスタンスラインとなる1,260ドル台へのトライも。
なお、商品指数の配分見直しによる金の比重上昇、旧正月を控えた中国勢による現物買い、トルコの12月の金輸入64%増などのサポート材料も。
週間ベースでは+24.6ドル(+2.03%)となり、2週続伸。
プラチナ相場も0.68%上昇し、3日続伸。1,400ドルの大台ラインで足場を固めつつ、目先は1,420ドル近辺までの上昇余地。1,416ドル台まで切り下がってきた90日移動平均線まであとわずかの水準となり、減速し易い水準。11月7日以来2ヶ月ぶりとなる90日移動平均線超えとなるか、それともこの付近で反落か、分岐点に差し掛かってきた可能性。
週間では+35.5ドル(+2.58%)の2週続伸。
ドル円はほぼ横ばい推移。前日からの軟調推移が続き104円00銭台まで円高が進行したものの、さすがに104円台前半でのドル買い円売り圧力は強く、欧州時間以降には反転し、前日終値水準に戻す展開。円安方向への減速感も否めない状況ながら、日足では長い下ヒゲを残し、反発上昇を示唆する足形。当面のレジスタンスラインとなる105円30銭近辺を超えるようなら、106円から107円辺りを目指す大幅上昇への可能性も。目先のサポートラインは104円。
週間では-0.34円(-0.33%)となり、10週間ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/3終値とチャート
- 2014年1月4日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,277 円 12/30(月) ▲30(0.71%) 国内プラチナ : 4,809 円 12/30(月) ▲75(1.58%) NY金 : 1,238.6 ドル 1/3(金) ▲13.4(1.09%) NYプラチナ : 1,411.5 ドル 1/3(金) ▲9.6(0.68%) ドル円 : 104.82 円 1/3(金) ▲0.03(0.03%)
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