金プラチナ短期相場観
5.23ショックから8ヶ月後の1.23プチショック
更新日:2014年1月24日(金)
昨日は、午前中に発表された中国のHSBC製造業PMI速報値が半年ぶりに「好不況の分かれ目となる50を割れて49.6へ」と低下したことをきっかけに、リスク回避傾向の流れが進みました。
発表直後には、もともと中国の指標に敏感な豪ドルが対ドルで大きく下落で反応。ドル円は若干円高方向へ、日本株もやや下落で反応すると、その流れが止まらずに、夕方発表されたユーロ圏の製造業PMIが、中国と対照的に好調を示したことでユーロ買いドル売りの進行とともに円高株安の流れも加速。
NYダウも年初来安値更新となる1%超の下落、欧米株も軒並み下落、日本株も昨日は100円超の下落、今朝には一時300円超の下落。
米ドルに対して日本円は買われ、新興国通貨は売られる展開で南アランドやトルコリラなどが特に大きく売られる展開で、昨年5月のバーナンキ発言以降のQE縮小懸念による新興国通貨売りが加速したリスク回避の展開を思わせるような流れに。
この時期、5月23日は日経平均が1,143.28円(7.32%)暴落し、5.23ショックとも言われました。(この日、金は1.78%の大幅反発)
それからちょうど8ヶ月後の1月23日、日本株の下落は2日間で2-300円程度で済みそうな様子もありますが、新興国通貨が大きく売られ、リスク回避の流れで金が大きく買われる状況は同じでした。
その5月23日は、やはり中国のHSBC製造業PMI速報値の発表があり、7ヶ月ぶりに「好不況の分かれ目となる50を割れて49.6へ」と低下していました。(※その後改定値で49.2に修正)
NY市場、金相場は23.7ドル、1.91%の大幅反発。終値ベースでは11月19日以来、2ヶ月ぶりの高値水準。株安ドル安のリスクオフ傾向の流れにもサポートされた形で、前日のレンジ下限1,230ドル台から1日でレンジ上限の1,260ドル台へと急反発し、12月10日の1,261.1ドルをわずかに超える水準へ。このレジスタンスラインを明確に超えると1,290ドル台辺りが上値目標に。下方向の節目は1,230ドル台。
プラチナ相場は0.05%の小幅続伸。南アフリカのプラチナ鉱山労組(AMCU)が予定通りストライキ突入し、賃上げ要求と企業側の開きがあること、AMCU内部の対立問題なども伝えられ、今後の不透明感は残る。しかし材料出尽くし感と上値目標水準1,480ドル付近にタッチしたことによる一服感から上昇の勢いに減速感もあり、金の急騰に支えられて下げ止まった感も。目先は1,420ドル台をサポートラインに1,480ドルの上値目標再トライとなるかどうか。
ドル円は1.2%の大幅反落。朝方に104円80銭台まで上昇したところから反落の流れが始まると夕方以降にリスク回避傾向の流れが加速、104円台を割れたことで明け方の103円割れまで下落。102円90銭台がサポートラインとなった形で今朝は103円台前半へと反発しているものの、再び円高方向に振れた場合、この102円90銭台を下抜けると102円割れ、101円80銭辺りまで下値余地拡大の可能性。レジスタンスは104円60銭台。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/23終値とチャート
国内金価格は0.88%の反発で4日ぶりの上昇。90日移動平均線にぶつかって反発した形となり、なんとか上昇基調を維持した格好。目先のレジスタンスラインは4,390円、サポートラインは4,320円でレンジ形成中。
週間ベースでは+25円(+0.58%)で5週続伸。
プラチナは0.85%の反落。比較的しっかりした調整幅は久しぶり、一方的過ぎた流れがようやく落ち着いてきた様子。この近辺でレンジを形成し、足場固めとなると当面の5,000円台定着の可能性も。目先のレジスタンスラインは5,080円、明確なサポートラインは4,580円まで存在せず、4,950-5,000円辺りがサポートライン候補。週間では+55円(+1.11%)となり、5週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格1/24とチャート
- 2014年1月24日(金)時点の相場
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国内金 : 4,360 円 1/24(金) ▲38(0.88%) 国内プラチナ : 5,015 円 1/24(金) ▼43(0.85%) NY金 : 1,262.3 ドル 1/23(木) ▲23.7(1.91%) NYプラチナ : 1,463.2 ドル 1/23(木) ▲0.8(0.05%) ドル円 : 103.26 円 1/23(木) ▼1.25(1.20%)
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