金プラチナ短期相場観
緊張感つづくウクライナ「それでも夜は明ける」
更新日:2014年3月4日(火)
ウクライナ東部のドネツクでは親ロシア派のデモ隊が地方政府庁舎を占拠。南部のクリミア半島ではロシア軍が上陸し始め、実効支配の状態が継続。クリミア半島に駐留するウクライナ軍に対しては、投降しなければ攻撃を開始すると通達したとの報道まで。後にこの攻撃通達報道はロシアの黒海艦隊本部より否定。
EU側は緊急外相理事会を開き、ロシア軍の撤退を求めてロシアへの制裁も検討、6日の緊急EU首脳会議で何らかの制裁が決定する可能性も。
しかしEUにとってロシアは米中に次ぐ貿易相手国であり、非常に難しい対応となりそうです。
米国もビザの発給停止や資産凍結などの制裁措置を協議中とのことですが、オバマ大統領にとってもシリア対応などでロシアへの借りがあり、中東対応におけるロシアとの協力関係などにも影響が生じる可能性もあり、こちらも慎重姿勢が予想されます。
ウクライナを巡る緊張感は続き、市場はリスク回避傾向が強まり、欧米株なども軒並み下落。
しかし、NYダウやドル円などでは日本時間昨日朝方の安値からは値を戻す展開で底堅さも見られる様子。今朝の日経平均も反発に転じているようです。
ウォールストリートでも、ハリウッドと同様「それでも夜は明ける」ことに注目しているのかもしれません。
NY市場、金相場は2.17%の大幅反発。ロシアのウクライナへの軍事介入によって東西対立の構図、地政学リスクへと発展しつつあることで債券や金などの安全資産が買われる展開。昨日朝時点で既に1,340ドル台へと上昇していた金は上値を切り上げ10月28日以来となる1,350ドル台に達し、高値では1,355ドルまで上昇。目標水準1,360ドル近辺にはほぼ到達。何かあれば第2目標の1,400ドル手前まで急騰する可能性とともに、事態収束の兆しで急落の可能性も徐々に高まることに。サポートラインは1,320ドルに切り上げ。
プラチナ相場も0.96%の反発。今年高値1,463.2ドルをつけた1月23日以来となる1,460ドル台に到達。一時1,464.9ドルまで上昇し、上値目標水準の1,470ドル近辺にほぼ到達。21日移動平均線が再び90日移動平均線をゴールデンクロスし堅調推移。第2目標1,490ドル程度まで上値を伸ばす可能性も高まりつつある様子。サポートラインは1,420ドル台。
ドル円は0.41%の下落で3日続落。昨日朝時点の水準は維持し、十字線の足型を残し反発の可能性も残る。しかし101円80銭の節目を割れたことで円高リスクは拡大。当面の下値目標水準は100円30銭台近辺。今朝は101円60銭台まで持ち直しているものの、上方向には102円60銭台の節目を回復するまでは下方リスクを抱える状態。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/3終値とチャート
国内金価格は0.7%の続伸。9日移動平均線とともに上昇軌道に戻り、2月26日の4,570円を超えたことで上昇トレンドを維持。ゆっくりと4,620円近辺の上値目標水準を目指す流れが継続。サポートラインは4,530円台に切り上げ。
プラチナは0.04%の小幅続落。9日移動平均線に支えられる状態が継続し、5,000円ちょうど近辺の上値目標を目指す流れも継続、サポートラインは4,870円。
※参考:金プラチナ国内価格3/4とチャート
- 2014年3月4日(火)時点の相場
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国内金 : 4,583 円 3/4(火) ▲32(0.70%) 国内プラチナ : 4,914 円 3/4(火) ▼2(0.04%) NY金 : 1,350.3 ドル 3/3(月) ▲28.7(2.17%) NYプラチナ : 1,460.7 ドル 3/3(月) ▲13.9(0.96%) ドル円 : 101.44 円 3/3(月) ▼0.42(0.41%)
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