金プラチナ短期相場観
6年連続のセルインメイ回避に向けて上昇するプラチナ相場
更新日:2014年5月15日(木)
1月23日から始まった南アフリカのプラチナ鉱山ストは4ヶ月経過しようとしています。既に史上最長のストとなり、経済的な打撃も懸念される状況に。スト終結を目指し、組合を経由せずに労働者への直談判を始める会社側と、職場復帰したい労働者への暴力行為など強行姿勢を崩さない組合との対立は一向に収まる気配がなく、混迷を極める様子です。
今後のプラチナ供給不足への懸念も高まり、プラチナ相場が急騰し始めています。NY市場のプラチナ相場は今年最高値水準まで上昇し、年初来騰落率では金相場に迫る8.36%の上昇率となり、金との価格差も179.8ドルへと拡大しています。
しかし、NYプラチナ相場にとっての5月は鬼門。月間平均価格での前月比では過去5年間連続で下落、文字どおりセルインメイとなっています。
現時点での5月の平均価格は1,446.1ドル。4月の1,432.9ドルからは大きく上昇しています。
金に比べて急騰、急落が発生し易いプラチナ相場が、残り半月で大きく値を下げる可能性を完全否定することもできませんが、6年連続でのセルインメイを回避する可能性はかなり高まっている、と言えそうです。
NY市場、金相場は0.86%反発。米10年債利回りが年初来安値更新となる2.5%台へと低下するのに連れてドル円が102円割れへと下落、これに伴い金は1,300ドル台へと買われる展開。それでも上値はレンジ上限1,310ドル手前まで。流れとしてはレンジ上抜けの可能性が高まる状況、これまで何度も上値を押さえられた1,310ドルの節目を突破できれば年初来高値更新を目指す展開も。
プラチナ相場は2.04%の大幅上昇で3日続伸。1,460ドルのレジスタンスを上抜けて3月6日以来の高値水準となる1,480ドル台に到達。さらなる上昇の可能性は高まり、目標水準として1,530ドル近辺までの上値余地も。
ドル円は4日ぶりに0.35%の反落。米4月の卸売物価指数の予想以上の上昇にもかかわらず上値は重く、102円台には届かず。低迷する長期金利に同調し101.60-102.70円のレンジ推移継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/14終値とチャート
国内金価格は0.37%反発。ゆるやかな下落トレンドから片足だけ抜け出したような状況。4,580円台の抵抗線をしっかりと上抜けることができれば上値余地は大きく拡大し、年初来高値更新も視野に。4,500円がサポートラインに。
プラチナは1.12%の大幅高で3日連続の大幅上昇。目先の目標水準5,160円程度は既に目前、NY市場が上値目標水準へと近づき、ドル円の下値が限定的なら5,200円台へと上値を伸ばす可能性。
※参考:金プラチナ国内価格5/15とチャート
- 2014年5月15日(木)時点の相場
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国内金 : 4,573 円 5/15(木) ▲17(0.37%) 国内プラチナ : 5,148 円 5/15(木) ▲57(1.12%) NY金 : 1,305.9 ドル 5/14(水) ▲11.1(0.86%) NYプラチナ : 1,485.7 ドル 5/14(水) ▲29.7(2.04%) ドル円 : 101.89 円 5/14(水) ▼0.36(0.35%)
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