金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

W杯グループリーグ終了で見込まれる経済損失

更新日:2014年6月28日(土)

サッカーW杯のグループリーグが終了し、いよいよ決勝トーナメントが始まります。ブラジル開催ということで南米勢の健闘が目立つ反面、欧州勢やアジア勢の不振も顕著となったここまでの今大会。なかでも前回優勝のスペインの敗退はショッキングでしたが、ショックを受けたのは世界のスペインファンやバルサファン、スペイン国民のみならず、ユーロ危機からの回復が進むスペイン経済にとっても大きな打撃となったようです。
スペインメディアによれば、同国の経済損失は少なくとも6億ユーロ(約830億円)ということです。ユニフォームなどの関連グッズや飲食店の売上や、テレビ放映権料の損失などで相当のダメージを受けたようです。
同様にグループリーグ敗退となった日本での損失額は、やはり関連需要の消滅で約300億円との試算もあるようです。

さらに、優勝経験国でもあるサッカーの母国、イングランドも56年ぶりのグループステージ敗退によって大きな打撃を受ける可能性が報じられています。
イングランドでは、消費需要の落ち込みももちろんのこと、株価の下落も懸念されます。これまでほとんど決勝トーナメントに進出し、ベスト8で敗退した時の株価の平均下落率が2%程度、ベスト16で敗退した前回大会では8%の下落となっていたことを受け、今回は10%の下落も予想されているそうです。
なお、イングランド敗退が決定した前日23日の英FTSE終値は6,800.56。今週末時点では6,757.77。今のところは0.6%の小幅下落。この1週間でも約1%の下落にとどまっています。
やはり代表チームの勝敗によって株価が影響を受けると騒がれた日本では、日経平均が1週間で1.66%の下落。
統計的には、今後日英の株価がさらに下落するリスクも多少、考えられそうです。

しかし、もともと高値警戒感も高まっていた日米欧の株価は、下落すべきタイミングで下落したとも考えられ、その結果、株安の流れに反して金がやや買われる流れとなっています。

ちなみに決勝トーナメント進出が決定したドイツのDAX指数は今週1.72%の下落、同様に米国のNYダウも0.56%の下落。
ユーロ圏での景気回復の足を引っ張るフランスや、2度めのデフォルトも懸念されるアルゼンチンは順当に決勝トーナメントに残っています。
W杯の結果によって期待された消費需要が低下することは免れませんが、株価や経済状況との因果関係については、やや無理がありそうです。

NY金・週足チャート 2014/2/10 - 6/2727日のNY市場、金相場は0.23%の小反発。19日に1,300ドル台を突破して以降、一瞬たりとも1,300ドル台を割れることなく1,310ドル付近から1,320ドル台までのレンジ推移が6日間継続。未だ過熱感が非常に高い状態は続き、1,300ドルのサポートラインと1,330ドルの抵抗水準の存在感も増大。時間とともに過熱感が解消されると、現状の狭いレンジからのブレイクで再び大きく動き出す可能性が高まることに。上値目標水準1,350ドル近辺は継続中。
週間ベースでは+3.4ドル(+0.26%)の小幅高で4週続伸。4週続伸は昨年12月23日から今年1月にかけての5週続伸以来。

NYプラチナ・週足チャート 2014/2/10 - 6/27プラチナ相場は0.57%の反発。1,450ドル台から1,480ドルまでの狭いレンジ内を徐々に上方向へとシフトする流れが継続し、一時的にはレンジブレイクとなる1,486ドルまで上昇し、やや反落傾向で終了。上方向への勢いを強めつつあり、再び1,480ドル台をうかがう可能性も十分に想定され、今年最高値圏への攻防、そして1,500ドルの大台前後まで上昇の可能性も。
週間では+21.2ドル(+1.45%)の続伸。

ドル円・週足チャート 2014/2/10 - 6/27ドル円は0.26%安で3日続落。日経平均の下落に歩調を合わせるように円高が進行すると、正午過ぎには101円30銭台に到達し、この水準での揉み合い状態が延々と継続。引け際にわずかに円安方向へと戻して終了。週明けにも買い戻しの流れが継続するかどうかがポイントに。重要なサポートライン、200日移動平均線の101円68銭を明確に下抜けた状態となったことで、もう一段の下落リスクが発生。目安として今年最安値100円75銭、さらに100円の大台割れの可能性も。月初の重要イベントが続く次週、その内容次第ではリスクが現実化する可能性が高まることに。
週間ベースでは-62銭(-0.6%)で反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/27終値とチャート

2014年6月28日(土)時点の相場
国内金4,595 円 6/27(金) ▼16(0.35%)
国内プラチナ5,112 円 6/27(金) +-0(0.00%)
NY金1,320.0 ドル 6/27(金) ▲3.0(0.23%)
NYプラチナ1,478.5 ドル 6/27(金) ▲8.4(0.57%)
ドル円101.46 円 6/27(金) ▼0.26(0.26%)

6/27(金)のその他主要マーケット指標

年間値幅10円のシナリオからドル円は100円割れを試す可能性も 6/30(月)

W杯グループリーグ終了で見込まれる経済損失 6/28(土)

米国のゼロ金利解除は最速で2015年3月の可能性? 6/27(金)

密かにくすぶる新興国リスク 6/26(木)

タカ派寄りに傾斜するFRBと地政学的リスク 6/25(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ