金プラチナ短期相場観
堅調に推移した2014年、国内金価格の年間上昇率はドル円をも凌ぐ
更新日:2014年12月29日(月)
2014年の年初来騰落率を比較すると、今年も円安傾向が進んだドル円相場は+14.35%の大幅上昇。これに対して国内金価格は+15.6%。29日時点ではドル円相場の上昇率をも上回っています。
今年終盤まで4,500円から4,600円までを中心としたレンジ相場を形成していた国内金価格は11月に保ち合いを上放れ、12月にかけて急上昇。12月には一時5,000円の大台に到達し、12月10日には5,039円の高値をつけました。
この金価格の年間チャートによく似たチャートがあります。
ドル円相場です。
ドル円相場も年前半には異例の低ボラティリティ状態が続きましたが、後半には急速に円安傾向が進みました。
少し細かく見れば、ドル円が動き出したのは8月後半以降、米国の早期利上げ観測が台頭し始めた頃。そして10月末のハロウィン・サプライズとなった黒田日銀の追加緩和によって2段階ロケットの2段目が噴射したように再加速しました。国内金価格が急上昇し始めたのもこの頃でした。
8月後半のドル高要因ではNY金相場が下落したことで国内金価格のサポート材料とはならず、10月末以降の日銀+GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の強力な円安推進策によって国内金価格も同時に押し上げられました。国内金価格にとっては、強力な円安サポートによって水準を切り上げた2014年となりました。
なお、年初には新興国通貨安リスクやウクライナ情勢悪化リスクに伴い、ドル円は105円から101円へと水準を切り下げた時期もありました。しかし、この時はリスク回避に伴う安全資産買いにより、円とともに金も買われ、NY金相場が3月の1,300ドル台後半まで上昇したことで、国内金価格も4,300円近辺から4,700円まで上昇しました。
円安サポートを受けられず、逆に円高による価格押し下げ圧力が強まった時期には、NY金相場の上昇によってサポートされました。
国内金価格にとっては、円安のみならず、NY金相場の上昇局面も合わせた、おいしいとこ取り、の1年となったようです。
29日の国内金価格は1.31%高で大幅続伸。週末のNY金相場の大幅反発と円安傾向維持を反映し、掉尾の一振へ。足元のやや軟調気味の推移からの保ち合い傾向を上方ブレイクし、上値トライへと向かう可能性が高まった状態。NY金相場は1,200ドルの大台が抵抗線となって伸び悩みの兆しも、代わってドル円がやや円安傾向へと傾斜、年末年始の国内金価格をサポートしそうな流れも。12月12日以来となる5,000円の大台超えも焦点となり、目先4,970円台辺りまでの上値余地は見込めそうな状況。
プラチナ価格も1.46%の大幅続伸。金よりも先に12月12日以来となる5,000円の大台回復。急落後の反発で目安の50%ラインを超えてきたことで地合いは改善傾向。5,050円台の抵抗線を超えることができれば、さらに上値を伸ばし、5,100円台トライの可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格12/29とチャート
- 2014年12月29日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,944 円 12/29(月) ▲64(1.31%) 国内プラチナ : 5,010 円 12/29(月) ▲72(1.46%) NY金 : 1,195.3 ドル 12/26(金) ▲21.8(1.86%) NYプラチナ : 1,218.5 ドル 12/26(金) ▲27.4(2.30%) ドル円 : 120.39 円 12/26(金) ▲0.24(0.20%)
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