金プラチナ短期相場観
勘違いしてほしくないウクライナ2度めの停戦合意
更新日:2015年2月14日(土)
ベラルーシの首都ミンスクでの12日の停戦合意により、いったんはウクライナ危機への警戒感も後退したかのように見えましたが、実際には15日からの停戦ということもあり、合意後もウクライナ東部での戦闘が続き、死傷者も出続けている模様と伝えられます。ウクライナのポロシェンコ大統領も「勘違いしてほしくない」と、まだ平和からは程遠い状態にあり、ミンスクでの合意が実行される保証もないことを強調しています。
実際、昨年9月に取り交わされた同じミンスクでの停戦合意も、ほぼ即日形骸化していました。
1年以上続くウクライナの不安定な状況に加え、ギリシャの債務危機再燃やECBの量的緩和導入決定に伴う市場の混乱なども影響し、欧州での金の現物購入が大幅に増加しているのだそうです。オーストリア造幣局が発行するウィーン金貨は1月の販売量が前年同月比6%増とのこと。ユーロ安進行に伴うユーロ建て金価格の上昇にも関わらず。
そのオーストリアは、今朝フィッチによって最上級格付け「AAA」を剥奪されています。急速に債務状況が悪化しているようです。
円安主導によるドル高と日本株買いが進行した昨年に変わって、今年はユーロ安主導によるドル高と欧州株買いの流れが進行中。
ギリシャの債務不安・離脱懸念とユーロ圏への波及懸念、ウクライナを巡る地政学リスク、さらにロシア経済減速に伴う欧州への影響懸念などのリスク要因に加え、ECBの緩和政策によるユーロ安誘導と欧州ユーロ圏外国との通貨安戦争など、ユーロ圏を巡る波乱要因を中心に市場が振り回される状態も、まだまだ続きそうな気配です。
12日のNY金相場は0.52%続伸。米2月のミシガン大学消費者態度指数が予想を大きく下回ると1,230ドル台半ばまで上昇。しかし1,230ドル台ではまだ売り圧力が優勢、今週安値となった1,220ドル割れ水準からはゆっくりと反発傾向へと向かう流れも見られるものの、その勢いはまだ弱く、下落トレンド中の戻り局面の範囲内。1,200ドル前後までの下値リスクは継続し、上方向には1,240ドル台が抵抗水準。
週間ベースでは-7.5ドル(-0.61%)の小幅下落となり3週続落。
プラチナ相場も0.58%の続伸。下落トレンド一服後の反発局面も1,215-20ドルの抵抗水準に跳ね返された状態。ここを突破できれば1,250ドルの抵抗線付近までは比較的戻しやすい水準。1,190ドル台のサポート水準を割れた場合には昨年安値更新トライへと向かう可能性も。
週間では-14.1ドル(-1.15%)で4週続落。
ドル円は0.33%の続落。やや不調な米経済指標が続いたこともあり反発の流れが続かない状況。昨年12月高値121円80銭台から続いた三角保ち合いを明確に上抜けた直後の急落で再び三角持ち合いのレンジ内に回帰、121円台前半を目指した流れが急速に巻き戻された状態。今のところは118円台半ばのサポートラインに支えられているものの、下抜けると三角保ち合い下限割れ付近となる117円台半ばへ。
週間ベースでは-0.31円(-0.26%)の小幅反落。長い上ヒゲを残す陰線となり続落への警戒感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/13終値とチャート
- 2015年2月14日(土)時点の相場
-
国内金 : 5,017 円 2/13(金) ▼38(0.75%) 国内プラチナ : 4,925 円 2/13(金) ▼24(0.48%) NY金 : 1,227.1 ドル 2/13(金) ▲6.4(0.52%) NYプラチナ : 1,207.5 ドル 2/13(金) ▲7.0(0.58%) ドル円 : 118.72 円 2/13(金) ▼0.39(0.33%)
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