金プラチナ短期相場観
形成逆転で下値警戒感高まるNY金、NYプラチナは反発へ?
更新日:2015年6月25日(木)
4日続落のNY金と続伸のNYプラチナ。短期的とは言え、珍しく正反対の動きとなっています。先週の大幅上昇から今週は大幅続落となってにわかに下値警戒感も高まるNY金に対して、週明けの大幅下落で6年ぶり安値更新後の反発基調で底入れの可能性すら感じさせる動きとなりつつあるNYプラチナ。
楽観と悲観の狭間で揺れるギリシャの債務協議のように、日々めまぐるしく形成が切り替わるような状況となっています。
週足チャートで今年の状況を見ると、
NY金相場は3月に安値をつけた後、1180ドルから1200ドルを中心としたレンジ相場が継続中。多少の行き過ぎはあっても、すぐにレンジ内に収束する形で底値圏(にも見える?)での鍋底状態が3カ月ほど続きます。足元では、短期的に下値トライの可能性も浮上してきましたが、少し行き過ぎの水準まで下げて再び元のレンジ水準に戻ってくることも十分に想定できそうです。
NYプラチナ相場も3月にいったん安値をつけて1100ドル前半から半ばを中心とするレンジ相場が3カ月ほど続いた後、6月にかけては1100ドル割れへと水準を切り下げる流れとなりました。足元では、短期的な反発基調で1100ドル台回復への可能性も見えてくる状況に。
いずれも、米国の利上げ確定までは底値を模索する水準での小幅乱高下が継続する状況は継続するのではないかと想定されます。
同じように利上げへの警戒感も意識される、NYダウの週足チャートを見ると、NY金の逆のパターンで高値揉み合い状態、団子天井を形成しています。過去最高値更新の間隔は拡大傾向にあり、最後に更新した5月19日からは1カ月以上経過、徐々に下値警戒感も高まる状況となってきました。
これらのチャートは、波乱の前ぶれを示唆している可能性もありそうです。
24日のNY金相場は0.31%安となって4日続落。米1-3月期GDP確定値の上方修正に加え、個人消費も上振れたことを受けて一時1170ドル割れ。1週間前の大幅上昇直前の水準を下回り、6月5日以来ほぼ3週間ぶりの安値水準へ。直近のサポート水準1170ドル台半ばをわずかに下回って引けたことで、一段安への警戒感が高まる状況に。目先はその6月5日安値1160ドル台前半でサポートされる可能性を残しつつ、昨年最安値付近1130ドル台が当面の目標水準に。
NYプラチナ相場は0.62%続伸。22日の安値1058.6ドルが当面の底値となり、短期下落トレンドがいったん終了した可能性も少しだけ高まったか。下落基調のトレンドライン付近まで反発してきたことで、戻り売り圧力も高まることに。ここを耐えて直近高値水準1090ドルを超えるようならトレンド転換で、さらに20ドル程度の上昇も見込める状態へ。きっかけ次第で1040ドル台までの下落リスクも残る状況。
ドル円は前日比ほぼ変わらず。米GDP上方修正などを受けて一時124円40線付近までドル高円安が進行後は、ギリシャ協議合意期待が後退したことで元の水準まで反落。目先の上値メド124円台半ば近辺にほぼ到達してしまった可能性も。122円台半ばから124円台半ばまでの水準でレンジを形成し、1週間後の雇用統計待ちへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/24終値とチャート
25日の国内金価格は0.18%の小幅安で4日続落。5月22日以来、1カ月ぶりに5020円のサポートラインをわずかに1円下抜け。少しだけのオーバーランでレンジ回帰の可能性と、5000円の大台ラインでサポートされる可能性をわずかに残しつつも、4960円近辺までの下落リスクが浮上。NY金の下落が進むようなら第2目標は4930円。
プラチナは0.55%の続伸。今年安値を更新した23日の4535円が当面の底値となって反発基調が進行する可能性が拡大中。4610円台の上値抵抗線まで上昇し、反落か、転換かの分岐点に。上抜けならトレンドは好転し、さらに50円程度の上昇も見込める状態へ。目先の下値メドの第2目標となっていた4400円台半ばを目指す流れはいったん仕切り直し。改めて今年安値再更新ならその付近がまた意識されることに。
※参考:金プラチナ国内価格6/25とチャート
- 2015年6月25日(木)時点の相場
-
国内金 : 5,019 円 6/25(木) ▼9(0.18%) 国内プラチナ : 4,610 円 6/25(木) ▲25(0.55%) NY金 : 1,172.9 ドル 6/24(水) ▼3.7(0.31%) NYプラチナ : 1,074.1 ドル 6/24(水) ▲6.6(0.62%) ドル円 : 123.85 円 6/24(水) ▼0.09(0.07%)
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