金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

中国VS米国の構図で振り回され続けるマーケット

更新日:2015年8月26日(水)

最近の金融市場混乱の原因は、米国の9月利上げ観測。中国人民銀行の見方はそういうことなのだそうです。
昨日、上海総合指数が前日比8.49%安で取引終了後、中国人民銀行は政策金利を0.25%引き下げ、預金準備率を0.5%引き下げる緩和策を発表しました。
この発表を受けて、欧州株は大幅反発し、日経平均時間外も反発し、為替もドル高円安へと反発基調を強め、その後オープンしたNY市場でも米株は堅調推移でのスタートとなりました。(終盤失速しましたが)
中国人民銀行の追加緩和策は後手に回っており、日曜日に発表すべきだった、との声も多数聞かれます。また、景気刺激策としては中国政府が財政政策を発動すべき、という見方も多数。

最近の日経平均は上海株の動向に連動する状態にあり、その結果が欧州株や米株にも強く影響を及ぼし、為替もこれに連動、商品市場も大きく振り回される状態となっています。今や上海株の動向が世界のマーケット動向を左右する存在となっています。
そのお膝元の中国では、冒頭のように米国の利上げを警戒しているようですが、その利上げに関しての織り込み度合いはすっかり後退し、先日もアトランタ連銀のロックハート総裁は9月利上げに賛成と言っていた8月上旬からすっかりトーンダウン、「9月」のキーワードは消え去りました。
最近では、FRBは利上げの時期を逸してしまった、あるいは、FRBは金融引き締めではなく金融緩和に動くべきだ、との声も聞かれ始めています。

CMEのFedウォッチでの9月利上げの織り込み度合いは25日時点で21.43%まで低下、12月でも39.84%にとどまり、51.72%が年内利上げ見送り予想となっています。既に市場は9月の利上げはほとんどあり得ないとみているようです。

中国発の世界同時株安と見る市場、米国の利上げへの警戒感が混乱の理由とする中国、早期利上げに向けては否定的な憶測も強まるなか、沈黙を守るイエレンFRB議長。
現状は、中国要因と米国要因が複雑に絡み合い、市場の不安心理を増幅させてしまっている状態と言えそうです。

NY金・日足チャート 2015/7/27 - 8/2525日のNY金相場は1.33%の大幅続落。株価やドルの反発傾向も背景となり、1160ドルの節目で反落した流れが継続する軟調推移。米株の反発傾向が続かず、NY終盤に失速するとドル安にも反応して反発へ。株価の不安定な状況は収束し切れてはいないものの、金の短期上昇トレンドは1160ドルの抵抗線に蓋をされてストップした状態。いったん足場固めが必要な状況か。サポートライン候補としては底値からの反発値幅の半値戻しとなる1120ドル付近。

NYプラチナ・日足チャート 2015/7/27 - 8/25プラチナ相場は1.49%安、連日の大幅安で3日続落。不安定な状況が続くのはプラチナも同様で8月7日以来20日ぶりの安値水準へと後戻り。底値からの反発値幅の7割以上を帳消しにして反発の流れは完全に終了。ただ、安値では下値目安となっていた970ドルちょうどまで下落したことで、今のところは下値トライ継続の可能性もそれほど高くはなさそう。いったん落ち着きながらも方向感喪失気味で株価の乱高下などに振られる展開も。

ドル円・日足チャート 2015/7/27 - 8/25ドル円は5日ぶりの反発もわずか0.35%と限定的に。日本株や欧州株の反発とともに一度は120円台前半までドル高円安進行後、米株の下落に連れて1円50銭ほどの大幅反落となり、長めの下ヒゲを残した翌日に長めの上ヒゲを残す形に。結果的にダブルトップのネックライン120円台半ばが上値抵抗線となってしまった状態。売られ過ぎの過熱感も高止まりしており、ある程度の反発は見込まれる状態だが。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/25終値とチャート

26日の国内金価格は0.91%安となり3日続落。円安方向への反発の流れが続かなかったことにより下押し余地4710円台をオーバーラン、半月ぶりの安値水準へ。7月末から8月上旬にかけて揉み合いを形成した今年安値水準に差し掛かり、今年安値も意識されると同時に、サポートされやすい水準でもある。NY金もそれほど弱い状態ではなく、円安方向への反発余地も多分に残される状況にあり、反発期待も高まるところ。

プラチナは0.3%の小幅安で3日続落。大幅反発必至の状況で、そのとおりの流れとなるかとも思われた状態も、米株失速に伴う円安巻き戻しにより反発失敗で安値更新。一方的に売られるような地合いではないものの、方向感はやや下向きへ。今朝時点では円安基調となっている状態が長続きするとは限らないのが最近のトレンドであり、予断を許さない状況が継続。何かあれば2012年8月末水準となる4000円前後が意識される。
※参考:金プラチナ国内価格8/26とチャート

2015年8月26日(水)時点の相場
国内金4,684 円 8/26(水) ▼43(0.91%)
国内プラチナ4,026 円 8/26(水) ▼12(0.30%)
NY金1,138.3 ドル 8/25(火) ▼15.3(1.33%)
NYプラチナ976.7 ドル 8/25(火) ▼14.8(1.49%)
ドル円118.82 円 8/25(火) ▲0.42(0.35%)

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