金プラチナ短期相場観

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不透明感続く金融市場、脱水状態のマーケットを救うイエレン議長

更新日:2015年9月25日(金)

VWショックの余波は続き、ディーゼル車の排ガス不正操作は米国だけではなく欧州でも行われている?BMWにもその疑いあり?様々な疑惑が伝えられ、ドイツ政府はVW以外も検査実施へ。VWの不正が表面化する前から弱かったドイツ株は8月以降で17.6%の下落率となり、遂に年初来安値を更新して昨年12月以来の安値水準へ。当然のように連休明けの日経平均も2.76%の大幅安となって夜間にかけても下げ止まらず。NY市場ではキャタピラーの売上見通し下方修正と最大1万人の削減計画にリスク回避の流れが強まり、世界同時株安第2波が襲ってきたかのような状況となり、NYダウは16000ドル割れ寸前、日経平均は17000円割れ寸前まで下落することとなりました。

また、米8月の耐久財受注も予想どおりながらも前月比-2.0%、輸送機器を除く受注では予想を下回る0%に鈍化、さらには前月分がいずれも下方修正されたこともあり、ドル安株安の流れが加速した様子。新規失業保険申請件数が好調を維持し、新築住宅販売件数が7年ぶり高水準となったことによる反発も限定的に。

BMWには排ガス不正操作の兆候はないとの報道や、朝方のイエレン議長講演を控えて一方的なリスク回避の流れも徐々に収束し、NY市場の引けにかけてはドル高株高方向へと反発。
そのイエレン議長は年内利上げの可能性を改めて示し、自分自信も年内利上げを予想する一人であることを表明。金融政策への不透明感をわずかに緩和させたことで、ドル高株高への反発基調はいっそう強まることに。
ただし、世界経済の先行き不透明感の払拭見通しが立たない限りそれも難しいと考える金融市場は、しばしば脱水状態を起こし、再び株安ドル安の流れが加速するリスクを抱えた状況が続きます。

そんなリスク回避の流れが頻発するマーケットを危惧するかのように、イエレン議長も講演終盤にかけて脱水状態となったようです。
その後、医師の診察を受けて体調は回復しているとのことで一安心。

NY金・日足チャート 2015/8/25 - 9/2424日のNY金相場は1.97%の大幅続伸で8月21日以来、1カ月ぶりの高値水準へ。リスク回避の流れを受けて1140ドルの節目を上抜けたことで急騰。一時上値目標1160ドル付近に迫る1156.4ドルまで上昇。今朝にかけては株安ドル安円高の巻戻しが進んだにもかかわらず1150ドル付近を維持する堅調地合い。レジスタンスラインとなっていた1140ドルがサポートラインとなれば、安定状態がもうしばらく続きそうな状況に。

NYプラチナ・日足チャート 2015/8/25 - 9/24プラチナは4日ぶりの反発となり、2.51%の大幅高。VWショックへの懸念が拡大する株式市場の軟調推移に連れて930ドル付近まで下げた後は金の急騰に連れて3日前までの安値水準950ドル台を回復。この水準を下回ると売られ過ぎ感はかなり高まる様子。一方的な反発基調が続くような状況ではなく、下落トレンドからも脱し切れていないものの、現状の950ドル水準を維持できれば徐々に地合い改善も。

ドル円・日足チャート 2015/8/26 - 9/24ドル円は0.16%の小幅ドル安円高。株安ドル安がジリジリと進行したNY時間にかけて119円20銭台まで下落も、またも切り返す展開となって朝には120円台を回復。119円台へと売られても朝には120円台まで買い戻される展開が連日繰り返される状況。力尽きて120円台に戻しきれなかった場合には119円台も下抜けて118円台前半辺りまでの急落リスク。逆に120円台を維持する状況がさらに続けば売り圧力も後退し、ドル高円安方向へと大きく動き出す可能性も。120円台後半へと抜け出せば上値目標122円台後半へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/24終値とチャート

25日の国内金価格は1.43%の大幅高で4営業日続伸。欧米市場を中心にリスク回避傾向が強まったことでNY金がレンジブレイクの急騰、円高の流れも今朝にかけて持ち直したことで国内金価格は想定以上の急騰。目標水準4720円をクリアし、8月高値4900円から先週つけた今年安値4578円までの下落幅の半値戻し4739円も上抜け。一服感からの調整が入りやすい状況も、行き過ぎ状態が続いた場合には61.8%戻しとなる4777円付近がメドに。
週間ベースでは+90円(1.93%)の続伸。

プラチナ価格は1%安で3営業日続落、2012年8月17日以来の安値水準。昨日の下落幅が想定よりも小幅にとどまった分だけ今朝の価格に反映されたような形。下値メド3940円に到達したことで当面の大底を・・・とも言い切れない不安定な状況は継続。円安か円高かどちらかに大きく動き出す可能性が日々高まり、VWショック絡みのプラチナ需要減少懸念もしばらく続きそうな状況。4060円台まで反発できれば流れは変わり始める可能性。
週間ベースでは-118円(2.92%)となり、2012年10月以来、ほぼ3年ぶりとなる5週続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/25とチャート

2015年9月25日(金)時点の相場
国内金4,755 円 9/25(金) ▲67(1.43%)
国内プラチナ3,928 円 9/25(金) ▼40(1.01%)
NY金1,153.8 ドル 9/24(木) ▲22.3(1.97%)
NYプラチナ955.8 ドル 9/24(木) ▲23.4(2.51%)
ドル円120.07 円 9/24(木) ▼0.20(0.16%)

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