金プラチナ短期相場観
ちらつき始めたシャットダウンリスク、FRB政策判断遅延要因にも
更新日:2015年9月26日(土)
10月1日に新会計年度入りする米国では、恒例となった予算案を巡る議会紛糾。年内利上げ観測再燃による株高ドル高の流れが急失速した要因の一つとして、ベイナー下院議長の突然の辞職表明も挙げられています。債務上限引き上げ、暫定予算案協議物別れとの思惑から政府機関閉鎖、シャットダウンリスクへの警戒感が急浮上したことによります。
もし、政府機関がシャットダウン(閉鎖)となれば、当然のことながら政府関連機関からの経済指標は発表されず、FRBの政策決定にも大きな支障をきたすことになります。
もっとも、今回のベイナー氏の辞任は個人的には既に決めていたことらしく、実際に辞任するのも10月末ということで、9月末までの暫定予算案可決は十分に可能とも見られているようです。
ただし、債務上限は年内にも期限を迎えることで、別途債務上限引き上げをめぐっての民主、共和両党の対立が再び懸念されることになります。
2年前、暫定予算も合意できずに10月1日から政府機関の一部が閉鎖に追い込まれた際には、9月のFOMCでQE縮小決定が予想されていたなかでのシャットダウンリスクが浮上したこともあり、QE縮小開始を12月まで遅らせた経緯もあります。
世界経済の不安定な動向を注視し、これに伴う米国経済への影響にも配慮するために9月利上げを見送ったFRBですが、例え世界経済が落ち着きを取り戻したとしても、再び国内の政治問題が金融政策判断遅延要因となってしまうリスクが浮上しそうです。
25日のNY金相場は0.71%の反落。イエレンFRB議長の年内利上げの可能性維持発言を受けたドル高株高の流れに押される形で売り優勢の展開、米4-6月期GDP確定値3.9%への上方改訂発表直後には1140ドルまで下落。これがこの日の安値となり、2日前までのレジスタンスラインがサポートラインとなって今後の展開を下支えする可能性を残した形。短期上値目標1160ドル前後までの上昇余地も残る状況。
週間ベースでは+7.8ドル(0.69%)の小幅続伸。
プラチナは0.49%の小幅反落。やや水準を切り下げて940ドル台での推移、終値ベースでは950ドル台を維持した形ながら今朝も950ドル台を維持し切れず。950ドルを底値水準として足場固めというシナリオよりも軟調地合いが勝る状態か。短期下落トレンド継続中の目先は950ドル水準がサポート帯となるか、抵抗帯となるかの攻防へ。
週間ベースでは-33.3ドル(3.38%)の反落。
ドル円は0.34%のドル高円安。株価反発の流れに連れてのドル高円安進行で米4-6GDP上振れ時には、9月10日以来半月ぶり高値水準となる121円20銭台まで上昇。しかし、その後は週末の利益確定売りに加えて米政府機関閉鎖懸念なども加わり株安の流れとともにドル売りへ。ここ最近のトレンドとなっていた119円台へと売り込まれた後に120円台に戻す流れと逆のパターンとなり、120円60銭のレンジ上限を大きく上抜けた状態を維持できずにレンジ内まで急反落。レンジ状態継続となり、改めて上抜けなら122円台後半、下抜けなら118円割れへの可能性。
週間ベースでは+0.48円(0.4%)の小幅反発。週足チャートではわずかに下値を切り上げるフラッグ状態の三角保ち合い。フラッグ形成後のブレイクでは形成前のトレンド再開の確率が高い、というセオリーとの攻防へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/25終値とチャート
- 2015年9月26日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,755 円 9/25(金) ▲67(1.43%) 国内プラチナ : 3,928 円 9/25(金) ▼40(1.01%) NY金 : 1,145.6 ドル 9/25(金) ▼8.2(0.71%) NYプラチナ : 951.1 ドル 9/25(金) ▼4.7(0.49%) ドル円 : 120.48 円 9/25(金) ▲0.41(0.34%)
長期サポート水準で反発し始めた金、下抜けてしまったプラチナ 9/28(月)
ちらつき始めたシャットダウンリスク、FRB政策判断遅延要因にも 9/26(土)
不透明感続く金融市場、脱水状態のマーケットを救うイエレン議長 9/25(金)
足掛け4年、円安トレンド終焉に向けての最大の危機 9/24(木)
VWショックでシルバーウィークにプラチナ急落 9/23(水)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン