金プラチナ短期相場観
南アフリカGDP見通し大幅下方修正で南アランドとプラチナ急落
更新日:2015年10月22日(木)
南アフリカ政府が2015年のGDP見通しを2%から1.5%へと大幅下方修正しています。この影響もあり、南フリカランドは対ドル為替レートで1ドル=13.29ランドから13.52ランドへと前日比1.74%の大幅ランド安となりました。対円相場でも1ランド=9円から再び9円割れへと下落、8.85円へと1.63%の円高ランド安です。
これに同調するようにNYプラチナ相場も前日比1.27%の下落となりました。
ドル南アランド相場と逆相関関係にあるプラチナ相場が昨年以降大きく水準を切り下げ続けたことで、南アランド安も急速に進行してきました。
金やプラチナにダイヤモンド、その他鉱物資源の輸出依存度が高い南アフリカ経済ににとっては、貴金属や鉱物資源の価格下落は大きなマイナス材料となり、最大の貿易相手国である中国の景気減速懸念にも大きく影響を受けます。
これに米国の利上げ(待ち)に伴う投資資金流出による通貨安も重なり、南アフリカ経済への大きな重石となっています。
南アランドの対ドル為替レートは、9月末に1ドル=14.06ランドの過去最安値まで急落した後、10月15日までの半月で13.05ランドへと7.2%の急反発となっていました。
売られ過ぎからの急速な巻き戻しが進んだ形です。しかし、この後21日の13.53ランドまで3.7%の急反落。急速に進み過ぎた巻戻し局面の半値戻しとなった形です。
同じように、NYプラチナ相場は10月1日の903.2ドルから16日までの半月で1023.7ドルへと13.3%もの急反発となり、21日には1007.1ドルへと1.6%の下落。急速に進み過ぎた巻戻し局面の戻り値幅としては随分控えめ。
プラチナ相場の調整局面は、もう少し進んでもおかしくないのかもしれません。
21日のNYプラチナ相場は1.27%の大幅反落。買われ過ぎの過熱感高騰から小幅保ち合いを経ての反落基調は自然な流れ。今のところは1000ドルの大台ラインでの底堅さも見られる状況ながら、目先990ドル程度までの調整は十分に想定されるところ。1020ドル台後半へと反発できれば上昇トレンド再開で1050ドル前後を目指す流れへ。
NY金相場は0.88%の反落。10月前半に大きく水準を切り上げた堅調な流れが終了し、調整フェーズが進行。底堅さも見られ始めていた1170ドル近辺がサポートラインとして機能し切れず、1週間ぶりの1160ドル台へ。1月の今年高値から7月今年安値までの半値戻しとなる1190ドルが当面の抵抗水準となり、下方向へは38.2%戻し1162.3ドル付近が次のサポートライン候補。
ドル円は小幅に5日続伸。日本の9月貿易収支が予想外の赤字となったことや日経平均の大幅高に連れての円安傾向も、120円台では上値が重い状況。次週の日米金融政策発表までは大きな変動は見込まれない状況。本日ECB理事会後のドラギ総裁会見で追加緩和観測が後退し、ユーロ高ドル安が進行した場合でも、ドル円でのドル安円高は119円前後までにとどまる可能性。逆のケースでも120円台後半突破にはパワー不足か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/21終値とチャート
22日の国内金価格は0.68%の反落。前日の上昇幅35円のほぼ全てを打ち消す33円の下落となり、堅調推移が続いた勢いにもやや減速感が漂い始め、4810円から4850円のレンジで揉み合い形成。日米欧中の金融政策決定ウィークに入り、ここからは膠着状態から突然の急変動も予想される。レンジ上限ブレイクなら4920円近辺、下限ブレイクなら4750円近辺を目指す流れへ。
国内プラチナ価格は6営業日ぶりの反落で1.78%の大幅安。想定外の一方的過ぎる上昇基調からの巻戻しがようやく始まったと思ったら3週間ぶりの急落。1週間前の上値目安でもあり、直近の下値目安でもあった4145円近辺まで下げてきたことで、ここから上の水準は行き過ぎだったことに。5カ月ぶりの90日移動平均線トライも先送りとなり、改めて足場固めの重要性を見直すハメに。4070円のサポートラインは8月高値から10月2日の今年安値までの50%戻しラインに相当する重要水準。
※参考:金プラチナ国内価格10/22とチャート
- 2015年10月22日(木)時点の相場
-
国内金 : 4,813 円 10/22(木) ▼33(0.68%) 国内プラチナ : 4,141 円 10/22(木) ▼75(1.78%) NY金 : 1,167.1 ドル 10/21(水) ▼10.4(0.88%) NYプラチナ : 1,007.1 ドル 10/21(水) ▼13.0(1.27%) ドル円 : 119.91 円 10/21(水) ▲0.08(0.06%)
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