金プラチナ短期相場観

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CPI上昇もドル高懸念の製造業景況指数は低迷続く

更新日:2015年10月16日(金)

NY連銀製造業景況指数の推移 2015年10月NY連銀ダドリー総裁は、この日も年内利上げ肯定発言。足元での景気減速傾向を認めながらも、自身の見通しどおりなら年内の利上げを支持するという従来からの姿勢を維持しています。
そのダドリー総裁のお膝元、NY連銀の10月製造業景況指数は-11.36と低迷。市場予想の-8.0を大きく下回りました。これで3カ月連続で-10を下回り、6カ月移動平均でも-6.0へと低下。リセッション時の2009年8月以来、6年2カ月ぶりの低水準となっています。

ベージュブックでも指摘された製造業へのドル高の悪影響が続くのは、NY連銀の管轄地区だけではありません。10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も予想の-2.0を下回る-4.5となり、9月の-6.0に続き2カ月連続のマイナス圏。2カ月連続でマイナスとなるのは2013年2月以来2年8カ月ぶり。6カ月平均では4.2とプラス圏ながらも急低下中で、2013年6月以来2年4カ月ぶりの低水準。

ただし、この日はマイナス材料ばかりではなく、ポジティブ材料も。
新規失業保険申請者件数は1973年以来の低水準を記録した7月の水準に並び、ほぼ42年ぶりの低水準となり、月初には減速も懸念され始めた労働市場の改善傾向が継続していることを示唆。
さらに、デフレ懸念も高まりつつあった物価にも光明が見られ、9月の消費者物価指数(CPI)は、前年比で予想の-1.0を上回り0.0。食品とエネルギーを除くコアCPIでは前年比+1.9%となり、昨年7月以来1年2カ月ぶりの水準へと上昇し、インフレターゲットの2%に近づきつつある可能性を示唆。

強弱入り交じる指標のなかで株価は堅調推移へと反転し、ドル安基調も一服、ドル円の円高リスクもいったん緩和されつつあるような兆しも見られ、反発基調が続いてきた金やプラチナにも一服感の兆しも。
米経済指標に素直に一喜一憂する展開がしばらく続きそうな状況です。

製造業景況指数低迷はもうしばらく継続するかもしれませんが、ダドリー総裁他、年内利上げ肯定派の見通しも当面現状維持が続きそうです。

NY金・日足チャート 2015/9/16 - 10/1515日のNY金相場は0.65%高で5日続伸。前日引け後のベージュブック後に切り上げた水準1180ドル台を維持する形で6月19日以来、4カ月ぶりの高値水準に。強弱の米経済指標に上下20ドルの乱高下後も底堅く推移。短期目標水準到達後の調整余地はあるものの、ドル売り傾向再開ならもう一段の上昇も。

NYプラチナ・日足チャート 2015/9/16 - 10/15NYプラチナは1.17%の大幅続伸。1000ドルの大台回復で9月3日以来6週間ぶりの水準へ。5月18日以来5カ月ぶりとなる90日移動平均も上抜け。当時の上抜けは1日のみで反落しており、2日以上の上抜け状態維持は2月初旬まで遡る。調整らしい調整もなく半月間上昇を続けたことで、いったんの反落も予想されるところ。90日移動平均線を下抜けたとしても、数日レベルで再度上抜けできれば、中期トレンドも好転し始める可能性も。

ドル円・日足チャート 2015/9/16 - 10/15ドル円は前日比ほぼ変わらずの118円80銭台。レンジブレイクに伴うドル売り円買い圧力が欧州時間にかけて高まると、118円割れ寸前まで下落。米9月CPIの上振れや新規失業保険申請件数の好結果を受けて118円70銭台まで急反発。一方でNY連銀とフィラデルフィア連銀の製造業景況指数は低迷状態が続き、強弱入り交じる指標結果にやや乱高下も今朝にかけて長い下ヒゲを残す形で反発への可能性も示唆。しかし、ドル売りに傾斜している現状では、少しでも悪い経済指標をきっかけに再度下値トライが高まる可能性。117円台前半を目指す円高ドル安の流れ継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/15終値とチャート

16日の国内金価格は0.1%の小幅安で4日ぶりの反落。短期目標4850円近辺到達に伴う一服感もあり、NY金の上昇一服の兆しと為替の円高リスクを踏まえると、もう一段の調整かいったん揉み合い形成への動きも予想される。
週間ベースでは+135円(2.87%)の続伸。

プラチナ価格は1.2%の大幅続伸。4100円の節目が抵抗線となる前にあっさりと上抜け、9月9日以来5週間ぶりの水準を回復。10月はここまで332円、8.73%もの大幅高となる急騰局面を形成しており、後半にかけては減速もしくは流れが変わることも十分に想定されるところ。上値の目安としては8月高値からの下落幅に対する61.8%戻しとなる4145円程度までが当面の予想範囲。しかし、流れ的には再び上昇基調が加速する可能性も捨てきれない。現時点での確率はまだ低そうだが、8月高値4383円までの全値戻しの可能性も。
週間ベースでは+197円(5.01%)の大幅続伸。週間騰落率が5%を超えるのは2014年3月末以来。
※参考:金プラチナ国内価格10/16とチャート

2015年10月16日(金)時点の相場
国内金4,840 円 10/16(金) ▼5(0.10%)
国内プラチナ4,133 円 10/16(金) ▲49(1.20%)
NY金1,187.5 ドル 10/15(木) ▲7.7(0.65%)
NYプラチナ1,007.0 ドル 10/15(木) ▲11.6(1.17%)
ドル円118.88 円 10/15(木) ▲0.05(0.04%)

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CPI上昇もドル高懸念の製造業景況指数は低迷続く 10/16(金)

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