金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

リスク回避への過剰反応を示唆した金の底堅さが示すのは?

更新日:2016年1月23日(土)

年初からの大荒れ相場を牽引したNY原油は、年末の37ドル台から1月20日の26ドル台まで10ドル超、28.32%もの暴落状態となっていましたが、21日には11.22%の反発、22日も9%超の上昇でこの2日間合計では5.6ドル反発し、21.24%もの上昇率となっています。供給過剰懸念という弱材料は続くものの、20日までの極端な売られ過ぎ状態が急速に巻き戻される形となりました。

同様に世界の主要株価も20日頃までの大幅安から急反発。
NYダウは20日までに年初来-9.52%下落し、足下2日間で1.71%の反発。NASDAQも同様に-11.44%から+2.67%。
ドイツDAXも-12.58%からの+3.97%、英FTSEも-9.11%に対して+3.99%。
日経平均に至っては21日までで-15.85%の暴落状態から22日には+5.88%の猛反発。
為替もドル円は年初来3.3円の円高から足下2日で1.8円の円安へ。
なお、今回はリスク資産への連動性が強く表れたNYプラチナも年初から72ドル、-8.13%の下落後に+1.51%反発。

これに対してNY金相場は20日までの上昇率は+4.34%、足下2日の下落率は-0.89%。
リスク資産が売られ続けたなかで、安全資産買いとしての金買い需要は限定的となり、リスク回避への過剰反応を示唆していた金の上値の重さ
今度は、リスク資産の急激な買い戻しの流れに対して、金の売りは限定的となり、底堅さも見られる状況。
年初からのリスク懸念が払拭された訳でもなく、株高円安などの反発基調は、過剰な売られ過ぎの巻戻しであって、流れが大きく変わったものではないことを、金の底堅さが示唆しているのかもしれません。

NY金・日足チャート 2015/12/21 - 1/2222日のNY金相場は0.17%の小幅続落。リスク回避の急速な巻戻しが進行したことで安全資産としての金買い需要は後退。1090ドル台後半を中心に上下9ドルほどの小動きに終始し、年初来最小の値動きで変動率0.83%は昨年来平均1.42%の半分強。短期上昇トレンドは失速したものの底堅さも見られ、高値揉み合い状態が継続。1110ドルの抵抗線超えなら上昇トレンド再開で1130ドル台へ。1090ドル付近が直近サポートライン候補、1070ドルが重要な節目水準となり、割れると昨年安値圏トライ濃厚に。
週間ベースでは+5.6ドル(0.51%)と小幅反発。

NYプラチナ・日足チャート 2015/12/21 - 1/22NYプラチナ相場は1.48%の大幅続伸。リスク回避の巻戻しに追随する形で買い戻しが進行し、1週間ぶりの水準を回復。5日間連続でジリジリと下値を切り下げ続け、前日には811ドルまで売り込まれたことによる下値メド800ドル付近に対する達成感も反発を促した様子。しかし、金の上値の重さにも配慮したように反落気味で越週。目先は850ドルが抵抗水準で突破成功なら880ドル付近まで上値余地拡大、820ドル付近が重要なサポート水準候補となり、割りこむようなら改めて800ドル前後まで一段安の展開も。
週間ベースで+4.1ドル(0.5%)、3週間ぶりの小反発。

ドル円・日足チャート 2015/12/23 - 1/22ドル円は1円超、0.91%のドル高円安で大幅続伸。1日の上げ幅としては昨年11月6日(1.42円・1.17%)以来、2カ月半ぶりの大幅上昇で1月5日(119.06円)以来の円安水準へ。前日からのドル高円安方向への巻戻しの流れがコンスタントに継続。ダボス会議出席の黒田日銀総裁の「原油価格上昇で物価目標2%達成前倒し」など強気発言で日銀追加緩和期待が後退し、118円台前半から117円台後半へと急落する場面もあったものの、流れが変わるまでには至らず。前日に117円後半の節目を上抜けたことによる短期的な円安基調加速の勢いを日本株急騰もサポートする形となり、119円台半ばまで、もう一段高が見込まれる。
週間ベースでは+1.78円(1.52%)となり、3週間ぶりの大幅反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/22終値とチャート

2016年1月23日(土)時点の相場
国内金4,454 円 1/22(金) ▲27(0.61%)
国内プラチナ3,340 円 1/22(金) ▼3(0.09%)
NY金1,096.3 ドル 1/22(金) ▼1.9(0.17%)
NYプラチナ831.6 ドル 1/22(金) ▲12.1(1.48%)
ドル円118.77 円 1/22(金) ▲1.07(0.91%)

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