金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ISM非製造業景況指数の低下傾向は鈍化、雇用の減速傾向は加速

更新日:2016年3月4日(金)

ISM景況指数の雇用指数 2016年2月製造業の低迷をカバーしてきた米国の非製造業。ISM非製造業景況指数は昨年10月の58.3から1月の53.5へと2年ぶり低水準へと急低下、2月には53.4と小幅低下にとどまったものの、4カ月連続での低下中です。一方、カバーされてきた製造業の景況指数は12月の48.0まで半年間低下し続けた後、1月には48.2、2月は49.5へと反発、底入れの兆しも見られ始めたものの、5カ月連続の節目50割れ状態にあり、「不況」感が強い状況からは抜け出せていません。

雇用も同じような状況となり、非製造業の雇用指数は今年に入って低下傾向が加速。急落した1月の52.1から2月には49.7へとさらに低下し、遂に2014年2月以来2年ぶりとなる節目の50割れ。製造業の雇用指数は12月の48から1月には45.9へとさらに低下し、2月には48.5へと反発の兆し。しかし、3カ月連続の節目50割れ状態。

米国の製造業は、さらなる回復傾向への期待も高まる状況となり、同時に米GDPの7割を占める非製造業は停滞傾向への警戒感が続く状況です。とりわけ雇用の減速傾向への警戒感が高まる状態となってきました。
とりあえず2月の雇用関連の指標は芳しくない結果となる可能性が高そうです。

NY金・日足チャート 2016/2/2 - 3/33日のNY金相場は1.32%の大幅続伸。米2月のISM非製造業景況指数の結果を受けて急騰すると、1240ドル台半ばの壁を突破して1250ドル台後半へ、昨年2月5日(1262.7)以来1年1カ月ぶりの高値水準に。3週間続いた三角保ち合い上方ブレイクにより、当面の上値目標水準は1280ドル台へ。ただし、流れとしては上方向への勢いはそれほど強くはなく、いつ急反落してもおかしくはない状態。ドル安傾向に米利上げ見送り観測の高まりなどへの思惑が弱まることがあれば急失速も。サポートラインは1220ドル。

NYプラチナ・日足チャート 2016/2/2 - 3/3NYプラチナ相場は0.69%の反発。金に追随する流れのなかでもドル安傾向に伴う反発力は金ほど強くはなく、一時的には950ドル台タッチも940ドル台半ばから後半の水準が抜け切れない状態が続き、金との価格差は2月25日に続き過去最大を更新し315.5ドルへ。上方向への壁を突破できれば980ドル台辺りまで上昇余地拡大へ。サポートラインとなる910ドル台辺りまでの調整はいつ入ってもおかしくはない状態。

ドル円・日足チャート 2016/2/3 - 3/3ドル円は0.19%の小幅ドル高円安。114円台での推移からNY時間には113円台へ、というパターンが連日繰り返される状況。ISM非製造業景況指数確認後には一時113円30銭まで下落。2番底からの反発基調優勢の流れにも114円台が鬼門に。雇用統計が予想外にポジティブな結果なら、ここを突破して115円台半ばへと一段高の可能性、予想以上にネガティブなら112円台半ばのサポート水準で下げ止まるかどうかという展開も。もし、この水準を割りこむような展開となれば反発基調は完全に巻き戻されて円高再開、安値更新トライも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/3終値とチャート

4日の国内金価格は1.53%の大幅高となり4日続伸。3日連続の年初来高値更新で7月7日(4948)以来、8カ月ぶりの高値水準へ。NY金の大幅高にも円高回避となって水準が大きく引き上げられることに。NY金のもう一段高への可能性により、目先は急反落リスクよりは高値圏での安定推移の可能性がやや上回る状態か。目安となる水準は上方向には4950円付近、サポート水準候補は4850円。
週間ベースでは+119円(2.48%)の大幅高となり、2012年2月以来4年ぶりの7週続伸。

国内プラチナ価格は1.42%の大幅反発。昨年5月以来、10カ月ぶりの90日移動平均線上抜けに成功したことにより、上値メド3700円に到達。金に連れての地合い好転傾向となり、さらに上値を伸ばす可能性も浮上。目先の目標水準は12月高値3730円台辺り。3650円の節目割れの場合には3600円割れへと反落の可能性も。
週間ベースでは+92円(2.55%)の大幅高で3週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格3/4とチャート

2016年3月4日(金)時点の相場
国内金4,925 円 3/4(金) ▲74(1.53%)
国内プラチナ3,704 円 3/4(金) ▲52(1.42%)
NY金1,258.2 ドル 3/3(木) ▲16.4(1.32%)
NYプラチナ942.7 ドル 3/3(木) ▲6.5(0.69%)
ドル円113.67 円 3/3(木) ▲0.22(0.19%)

3/3(木)のその他主要マーケット指標

予想外の賃金上昇率急落に金もプラチナも想定外のピッチで急騰 3/5(土)

ISM非製造業景況指数の低下傾向は鈍化、雇用の減速傾向は加速 3/4(金)

2015年世界のプラチナ需給と2016年見通し 3/3(木)

米ISM製造業景況指数は底入れの兆しも世界的低迷続く製造業PMI 3/2(水)

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