3月
金プラチナ短期相場観
シカゴ連銀全米活動指数は過去2年で最低、雇用減速を示す指標も
更新日：2016年4月22日(金)
シカゴ連銀が発表した米3月のシカゴ連銀全米活動指数は-0.44となり、2月の-0.38からも低下、過去の平均と比較して減速傾向が強まった状態です。水準としては2014年1月の-0.82ポイントに次ぐ低水準となり、過去2年2カ月間で最低水準へと落ち込んだことになります。特に2015年以降の15カ月間では、2015年4月の+0.17、7月の+0.41、2016年1月の+0.28を除く12カ月はマイナスポイントとなる低調ぶり。3カ月平均の推移を見ても、減速傾向が続きます。
内訳指標も全般に低迷、売上・受注・在庫の0.0以外は全てマイナスとなり、雇用も-0.04となり半年ぶりのマイナスへと落ち込みました。
同時に発表された先週分の週間新規失業保険申請件数が42年5カ月ぶりの低水準を記録する好調ぶりを示したのとは対照的な結果となりました。
また、フィラデルフィア連銀の製造業景況指数の4月分も発表され、こちらも前週のNY連銀の指標に続き2カ月連続でのプラス圏回復が期待されていたのに対し、予想外のマイナス圏へと逆戻り。米製造業の底入れの兆しに待ったをかけることにもなりかねません。
半年後の見通しを示す期待指数が2015年1月以来1年3カ月ぶりの高水準となったことで一時的な下振れ、との見方もありますが、平均労働時間では2012年6月以来3年10カ月ぶりの低水準、雇用指数は2009年7月以来、6年9カ月ぶりの大幅マイナスポイントへと落ち込んでいます。ここでも雇用指数の下振れが足を引っ張った形です。
好調を示す米経済指標が目立つなかでも、チラホラと不調を示す指標も目につき始め、同じ雇用関連でも、不調な部分、不調な地域もあり、今後の米金融政策へも影響を及ぼすことになるかもしれません。
21日のNY金相場は0.33％安となり5日ぶりの反落。ECBの政策現状維持を受けてユーロドルが急騰、しかしドラギ総裁発言での緩和政策継続への思惑などから急反落。短時間で100ポイント超のユーロ買いドル売り、そしてユーロ売りドル買い戻しへと乱高下の展開がそのまま金買いドル売り、そして金売りドル買い戻しの流れに反映された形で元の水準へ。急騰時の高値では今年最高値1287.8ドルを記録した3月11日以来、1カ月半ぶりに1270ドル台まで上昇。長い上ヒゲを残し、上値トライに失敗した形に。改めて1260ドル台の抵抗水準が意識され、きっかけさえあれば再チャレンジでの急騰も想定される状況に。抵抗水準超えなら1280ドル前後が上値目標に、サポートラインは1220ドル台でしばし保ち合い継続へ。
NYプラチナ相場は0.37％高となって3日続伸。ユーロや金とともに急騰した場面では昨年7月7日（1069.6ドル）以来9カ月ぶりの高値水準となる1046ドルまで上昇。結果的に最近の上値目安上限となる1030ドル台を大きくオーバーランしたところで急反落。不安定な急騰状態は長続きせず、逆にきっかけ次第で急落リスクも孕む状況に。調整局面でも1000ドル台を維持できれば再び上値トライのチャンスも。
ドル円は0.34％のドル安円高へと4日ぶりの反落。ユーロ急騰局面での円買いは限定的、その後の戻り局面での円売りも限定的に。結局110円の壁が破れずに再び109円台前半へと押し戻された状態に。資源国通貨高でドル安、ドル円では円安傾向のリスク選好的な流れが巻き戻される形となり、FOMCを控えての警戒感も高まる様子。ドル高円安傾向がやや優勢、という状況は変わらず日銀への期待感などから110円台半ばまでの円安余地。108円台後半のサポートラインを維持する事が重要で、割れると流れが反転し、再び円買い圧力が急速に高まる展開も。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場4/21終値とチャート
22日の国内金価格は前日から変わらず。3日連続同水準で値動きが止まってしまった状態ながら、時間稼ぎによってこれまでの下落トレンドの抵抗線を上抜けた形となり、ゆっくりと地合い好転へ。週明けまでは月末の重要イベントを控えての動意低下も予想されるものの、イベント通過とともに日本の連休も重なり波乱の展開も。当面はやや上方向優勢の状況で目標水準4780円付近を維持。
週間ベースでは+66円（1.42％）、3週ぶり反発。
プラチナ価格はわずかに3円安となって4日ぶりの反落。目標水準到達後の反落もかなり控えめ、荒っぽい値動きでも着実に水準を切り上げてきたNYプラチナに牽引された流れにもようやく一服感。次週半ば以降には急反落もしくは再び急騰へと再び荒い展開も警戒される。
週間では+99円（2.65％）で続伸。
※参考：金プラチナ国内価格4/22とチャート
- 2016年4月22日(金)時点の相場
-
国内金 ： 4,700 円 4/22(金) +-0(0.00％) 国内プラチナ ： 3,834 円 4/22(金) ▼3(0.08％) NY金 ： 1,250.3 ﾄﾞﾙ 4/21(木) ▼4.1(0.33％) NYプラチナ ： 1,031.9 ﾄﾞﾙ 4/21(木) ▲3.8(0.37％) ドル円 ： 109.46 円 4/21(木) ▼0.38(0.34％)
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