金プラチナ短期相場観

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米財務省vs日財務相、セルインメイをかけた分岐点は連休中?

更新日:2016年5月2日(月)

米財務省が為替報告書で日本を為替操作監視対象リストに入れたことに対し、麻生財務相は週末に「継続的に為替介入をしている事実はなく、今後も制限されるものではない」と反論し、「2日間で5円の円高は明らかに一方的で、偏ったいわゆる投機的な動き」なので今後の動向次第では為替介入の余地ありといった趣旨の強気発言。この影響もあってか、今朝のドル円は一時106円70銭辺りまで買い戻される場面もありました。日経平均も16000円台で耐える展開が続きます。しかし、明日からまた東京市場は3連休入りで「偏った」動きへの警戒感はくすぶり続けます。

過去の5月の騰落状況を見ると、ドル円相場は10年間で5勝5敗と全く五分。特に偏った季節性は見られない状況。強いて言うなら過去6年は下落と上昇が交互に繰り返され、順番どおりなら今年は下落?

なお、NY金相場の5月実績は4勝6敗とわずかに分が悪い程度、強いて言えば5月はなぜか、過去3連勝、3連敗、3連勝、4連敗と来て2015年は上昇。過去14年間連勝か連敗が続いた規則性に従えば、今年も上昇?
NYプラチナ相場も5月は4勝6敗。しかし直近6年間では1勝5敗と分が悪い状況。国内価格では金が過去7年で3勝4敗、プラチナは4勝3敗とこちらも微妙。

今年の4月までの状況では、NY市場でも国内価格でも金、プラチナともに3勝1敗の上昇基調にあり、年初来でも大幅上昇。特にプラチナの場合はNY市場、国内価格ともに2月から4月まで3カ月続伸。セルインメイの本来の意味どおり「5月に売り抜けろ」も意識される状況に。
対照的にドル円は3カ月続落中にも関わらず、円買いドル売り材料も続出し、セルインメイの最近の解釈の主流となりつつある「波乱相場」継続への警戒感が一段と高まった状況でもあります。

確率的には今年の5月は金、プラチナともに調整安、ドル円は反発となる可能性のほうがが高い、と言えそうです。
好調持続が予想される6日の米雇用統計をきっかけにドル高主導で反発という可能性も残され、それまでに「投機的な動き」が再び見られるようなら日本の財務相も黙ってはいない可能性もあります。いずれにしてもセルインメイをかけた分岐点は、この連休中に迎えることになる可能性もありそうです。

2日の国内金価格は1.05%安となり、5営業日ぶりの反落。日銀ショックによる混乱のなか、NY金の大幅高を上回る一方的に偏った円高で大幅調整。ショック前に目標水準4780円付近に到達していたこともあり、しかるべき調整フェーズに。下方向への節目となる4610円までの間には9-90日までの全ての移動平均線が集中し、短期上昇トレンドをサポートする構図。再び3連休入りで円高リスクの影響も懸念されるものの、連休中の米重要指標の結果次第ではドル買いの場面も想定され、4780円の節目を上抜けると4800円台前半から半ばへと上値トライの展開も。

プラチナ価格は0.15%の小幅高で4日続伸、昨年11月9日(3977)以来およそ半年ぶりの高値水準に。日銀ショックに便乗した投機的な円高を上回るNYプラチナの急騰によって支えられた状態。連休中で不安定な局面がまだしばらくは続く可能性が高い為替市場の影響と、平均的に不安定さでは負けないNYプラチナも高値圏での急変動が警戒される状況にあることから、それなりの調整局面も想定されるところ。今年安値から高値までの23.6%戻し3769円前後までの調整はありか。
※参考:金プラチナ国内価格5/2とチャート

2016年5月2日(月)時点の相場
国内金4,725 円 5/2(月) ▼50(1.05%)
国内プラチナ3,904 円 5/2(月) ▲6(0.15%)
NY金1,290.5 ドル 4/29(金) ▲24.1(1.90%)
NYプラチナ1,078.4 ドル 4/29(金) ▲27.7(2.64%)
ドル円106.39 円 4/29(金) ▼1.71(1.58%)

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