金プラチナ短期相場観
NYダウのヘッドアンドショルダーで世界同時株安への警戒感も
更新日:2016年5月16日(月)
NYダウの日足チャートから、何やら怪しい雰囲気が漂い始めています。4月20日につけた今年最高値18167.63ドルを頂点とするヘッドアンドショルダーが完成しつつあります。13日終値で17535.32ドルとなったNYダウは17500ドルのネックライン目前。この水準で支えられて反発するか、下抜けてヘッドアンドショルダー完成となるのか、分岐点の攻防を今週迎えることになります。
下抜けた場合には、頂点からネックラインまでの値幅650ドル分が、17500ドルからの想定下落幅となり、目標水準は16850ドル。
月足チャートで見ると、NYダウは18000ドル台前半が上限となり、昨年8月と今年1-2月には15500ドル付近まで急落しており、16850ドルの水準は通過点に過ぎません。
14日に発表された中国の4月鉱工業生産や小売売上高などはいずれも予想を下回り、反発への流れが鈍化した4月の製造業PMIとも合わせ、再び中国経済減速感への警戒感も高まりつつある様子です。
中国要因がきっかけとなり、世界同時株安局面となった昨年8月や今年年初のような展開への警戒感も再び高まることも想定されそうです。
16日の国内金価格は0.32%の反発で4月28日(4775)以来の水準に。4月高値で日銀政策発表前、連休前後の円高と乱高下局面直前の水準を回復したことで、元の短期上昇トレンド再開を示唆するような展開に。乱高下保ち合い水準を上抜けたことに伴う上値トライの目安4830円台を目指す流れ継続へ。払拭し切れない円高リスクへの警戒感も継続し、4700円のサポートライン割れで短期トレンド転換にも警戒する状況も続く。
なお、値幅分析で見ると、2015年1月高値5298円から2016年1月安値4385円まで下落後、3月には61.8%戻し(4949)付近となる4941円まで反発。その後4月にかけては3月までの反発値幅に対する61.8%戻し(4597)付近となる4611円まで下落。そして現在の反発基調でも前回下落幅に対する61.8%戻し(4815)ラインが重要水準。3度めの61.8%戻しなるか。
プラチナ価格は前週末比+1円の小反発。年初来高値3950円を目前に足踏み状態が継続、高値保ち合い状態が長引くようなら、保ち合いブレイク後の変動幅拡大で大幅高か、もしくは大幅下落へ。現状からの上下の変動目安は4000円の大台超えから3800円程度まで。
値幅分析では、昨年1月高値5193円から今年1月安値3334円までの下落幅に対する38.2%戻し4044円までの反発は十分可能なレベル。反発基調の今年高値は3950円。短期保ち合い上方ブレイクで早々に38.2%ライン到達か、いったん調整局面をはさんでからか、いずれにしてもそう遠くない時期に38.2%ライン付近までの上昇余地はありそうだが。
※参考:金プラチナ国内価格5/16とチャート
- 2016年5月16日(月)時点の相場
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国内金 : 4,774 円 5/16(月) ▲15(0.32%) 国内プラチナ : 3,918 円 5/16(月) ▲1(0.03%) NY金 : 1,272.7 ドル 5/13(金) ▲1.5(0.12%) NYプラチナ : 1,052.1 ドル 5/13(金) ▼1.9(0.18%) ドル円 : 108.59 円 5/13(金) ▼0.41(0.38%)
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