金プラチナ短期相場観

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イングランドは1週間で2度めの大失態

更新日:2016年6月29日(水)

英国がEUからの離脱を決めた3日後、サッカーの欧州選手権「ユーロ2016」の決勝トーナメント1回戦で、イングランド代表が人口33万人の小国アイスランドに敗れる大波乱がおきました。ユーロ本大会初出場のアイスランドにとってはグループステージ突破も番狂わせなら、ベスト8進出は歴史的快挙。サッカーの母国でワールドカップ優勝経験もあるイングランドを破るジャイアント・キリングで、アイスランド国内は大騒ぎ。
試合後にイングランドのホジソン監督は当然のように辞意表明。イングランドにとっては1週間の間に2度めの大失態を演じることになりました。

英国から本大会に参加したウェールズと北アイルランドもグループステージを突破する躍進で、ベスト16では英国同士の対決となり、レアル・マドリードのスター選手ベイルを擁するウェールズが勝利してベスト8進出。

そのウェールズでも、独立に向けた動きが見られ始めているようです。EU残留支持が多数派を占めたスコットランドと北アイルランドが独立に向けての声が高まるなか、同じく残留派が多かったウェールズでも地域政党が主導し、今後の方針を協議するための会合を開くということのようです。

イングランド内でも、唯一残留支持派が多くを占めたロンドンでは自治権拡大を要求する声も高まり、ロンドンを独立した都市国家とするための呼び掛けには大勢の人たちが賛同し始めているようです。

初出場のユーロで好成績を収めた北アイルランド、ベスト8でFIFAランク2位のEU加盟国ベルギーに挑むウェールズ、今回はユーロ本大会に出場できなかったスコットランドの人々は、ロンドンのウィンブルドンで開催中のテニス全英オープンで、ATPランク2位でスコットランド出身のアンディ・マレーの3年ぶり優勝に向けて応援に力が入ります。
ここ一番では結束力を見せる英連合王国の各国に対し、イングランドでは、サッカーの代表チームでも、選挙でも、バラバラ感が目立ちます。これが2度の大失態につながってしまったようです。

NY金・日足チャート 2016/5/27 - 6/2828日のNY金相場は3日ぶりの反落で0.51%安。ブレグジットショック一服の調整売りで1330ドル付近から1308ドルまで下げて1310ドル台で落ち着き始めたところ。EU首脳会議は始まったものの、離脱交渉に向けた見通しもたたず、その行方にも不透明感がつきまとう状況。短期的な危機感は収束方向へと向かうとしても、あちこちに火種をばらまいてしまったような状態。1320ドル台が当面の抵抗水準となり、上抜けると改めて1340ドル台以上へと上値トライの流れも。下方向には1290ドル台から1300ドル付近がサポートライン候補となって保ち合い形成、次のチャンスをうかがうような展開へ。

NYプラチナ・日足チャート 2016/5/27 - 6/28NYプラチナ相場は0.03%の小幅続落。欧米株の大幅反発にも金の軟調推移に上値を押さえられ、高低差12ドルの値動きは今年の平均22ドルのほぼ半分の小動き。980ドル付近での小康状態となり、960ドル台から990ドルまでのレンジ内推移が半月間継続。レンジ上限付近でゆるやかに上昇基調を維持する90日移動平均線を上抜けると上昇トレンドへと向かう可能性も高まり、1020ドル近辺が上値目標水準に。下限割れの場合には下落トレンド再開となって最大910ドル付近までの大幅安となる可能性も。

ドル円・日足チャート 2016/5/30 - 6/28ドル円は0.77%のドル高円安となって3日ぶりの反発。リスク回避の調整でドル安円安となってドル円の上げ幅は限定的。それでも101円50銭付近での底堅さを確認して反発すると金曜終値102円前半を上抜け、ようやくいったん下げ止まった形。米コンファレンス・ボードの6月消費者信頼感指数が市場予想93.5を上回る98.0へと昨年10月来で最高水準となったことなども好感された様子。ここから月末月初の米指標結果に反応する従来の流れに戻る展開も予想される。まずは本日PCEデフレーターで物価動向の確認から。上方向にはブレグジットショック前の保ち合い水準104円台まで戻せるかどうか、下方向には102円を維持できるかどうかが重要なポイントに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/28終値とチャート

29日の国内金価格は続落で0.24%の小幅安。ブレグジットショックによる急騰局面は4710円程度までの上値目標に対して27日の4690円で力尽きた状態。いったんはこの4690円ラインが抵抗線となり、4540円台を下限とするレンジ内で方向感を模索するような展開へ。どちらかと言えばわずかに上方向優勢の流れを維持し、改めて4690円ラインを突破できれば4700円台半ばを目指す流れにも。

プラチナ価格は0.67%上昇し、4日ぶりの反発。小幅保ち合い下抜けに伴う下値目安3450円近辺に到達したことによる反発も限定的。移動平均線が上から降順に、かつ下向きに並ぶパーフェクトオーダーが示す強めの下落トレンドから抜け出すまでには至らず。流れが変わる為には、まずは3513円の9日移動平均線上抜けが第一関門。下方向には3450円台を割り込まないことが当面の重要課題となり、もし割り込んだ場合には3400円前後が次の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格6/29とチャート

2016年6月29日(水)時点の相場
国内金4,640 円 6/29(水) ▼11(0.24%)
国内プラチナ3,479 円 6/29(水) ▲23(0.67%)
NY金1,317.9 ドル 6/28(火) ▼6.8(0.51%)
NYプラチナ978.9 ドル 6/28(火) ▼0.3(0.03%)
ドル円102.75 円 6/28(火) ▲0.79(0.77%)

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