金プラチナ短期相場観

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EU離脱ショック後の国内金価格

更新日:2016年6月27日(月)

EU離脱ショック後の英国では、投票のやり直しを求める署名が300万人を超え、ロンドンの独立?とEU加盟を求める署名活動では16万人を超す署名が集まっているとのことで、EU残留支持派の怒りと反発は未ださめやらぬ、状態のようです。EU加盟国連鎖も懸念されるなか、最初の選挙となったスペイン総選挙では、反EUを主張する急進左派「ポデモス」の議席数は現状維持見込みとなり、懸念された状況とはなっていないようです。

しかし、政治的な不透明感は続き、今後の経済的な影響や金融市場への影響も不透明な部分が多々残される状況です。この不透明感を背景に、Fedウォッチの7月利上げ確率はもちろん0%で、逆に利下げ確率が7.2%となっています。この確率は9月FOMCでも同率で、12月にようやく利上げ23.2%、2017年2月でも24.1%と、年内利上げどころか、来年前半も厳しそうな状況となっています。

低金利とマイナス金利の時代が続く限りは、金相場の堅調推移も続き、不透明感が続く限りは、金相場の押し上げ要因として作用しやすい状況も続くことになりそうです。
しかし、株安・円高リスクの影響が大きく作用する国内金価格は、その勢いも大きく削がれやすくなってしまいます。

国内金価格・週足チャート 2016年6月27日日本の要因などで円安もしくは円高方向に大きく動いた場合には、国内金価格はその方向に追随しやすくなりますが、逆に海外要因でドル主導の為替変動や世界的なリスク要因などによるドル建て金価格の急騰、あるいは急落などの場合には、こちらに追随することになります。
今回のEU離脱ショックの場合は後者ですが、今年の全体的な流れとしては、前者のケースも多々見られます。

そんな状況から、国内金価格は今年、大きな三角保ち合いを形成し、足下の急騰で上方ブレイク寸前のところまで来た状態です。
ここを上抜けると、中期的な流れが上方向へと傾き始め、大きく水準を切り上げるような展開も予想されそうです。
しかし、ここでもまた、不透明感が漂います。

27日の国内金価格は2.33%の大幅続伸。2%超の上昇は3月17日、FOMCで利上げ見通しが引き下げられた日(2.02%)以来3カ月ぶりで、2月1日、日銀マイナス金利導入翌営業日の2.37%に次いで今年2番めの大幅高。英EU離脱ショックに伴うNY金急騰後の調整は今朝時点ではそれほど進まず、逆に10ドルほど水準を切り上げて1330ドル台での推移となり、為替も1ドル=102円割れからスタートして先週末水準102円台前半に戻したことにより、国内価格が押し上げられた状態。節目となる4640円近辺を大きく上抜けたことによる上値目安4710円近辺まであとわずか。下落基調へと進みかけていた流れがほぼニュートラル状態まで引き戻された状態。

国内金価格・週足チャート 2016年6月27日プラチナ価格は0.68%の続落。NYプラチナの上昇幅では暴落状態となった円高分をカバーし切れず、1月26日(3494)以来、5カ月ぶりの安値水準に。金との価格差は1186円まで急拡大し、過去最大となった3月4日の1221円以来ほぼ4カ月ぶりの水準。小幅保ち合い状態を下抜けた形となり、一段安の展開が予想される状況で当面の下値目安は3450円前後。上方向には3550円の節目を上抜けることが出来れば流れも変わり始め、3600円台前半への反発も。
※参考:金プラチナ国内価格6/27とチャート

2016年6月27日(月)時点の相場
国内金4,690 円 6/27(月) ▲107(2.33%)
国内プラチナ3,504 円 6/27(月) ▼24(0.68%)
NY金1,322.4 ドル 6/24(金) ▲59.3(4.69%)
NYプラチナ987.1 ドル 6/24(金) ▲20.8(2.15%)
ドル円102.30 円 6/24(金) ▼3.85(3.63%)

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