金プラチナ短期相場観
米国の6月各地区連銀製造業PMIは大半が反発も雇用は低調
更新日:2016年7月1日(金)
シカゴ購買部協会が6月30日に発表した米6月のシカゴPMIは56.8となり、市場予想の51.0を上回り5月の49.3から大きく改善。2015年1月の59.4以来、1年5カ月ぶりの高水準となっています。
6月中に発表された各地区連銀の製造業景況指数(PMI)も改善傾向が見られます。
NY連銀は5月の-9.02から6月は+6.01へと大幅反発。フィラデルフィア連銀は-1.8から+4.7へと3カ月ぶりのプラス圏へと改善。ダラス連銀は1年6カ月連続マイナス圏の低迷状態が続くなかでも5月の-20.8から6月には-18.3へと小幅に反発。
しかし、リッチモンド連銀だけは5月の-1.0から6月には-7.0へとさらに低下、プラス圏回復予想にも反しての大幅下振れで2013年1月(-12.8)以来、3年5カ月ぶりの低水準となっており、ここだけは3-4月の高水準が一時的だった可能性を残す結果となっています。
全般的には回復傾向が優勢の状態となり、NY連銀では期待指数も半年ぶりの高水準となるなど、見通しも明るくなりつつあるようにも見られる反面、雇用指数は反落。フィラデルフィア連銀でも雇用指数は反落で6カ月連続マイナス圏、リッチモンド連銀の雇用指数は2年9カ月ぶりのマイナス圏へと低下、ダラス連銀の雇用指数にいたっては6カ月連続のマイナス圏で2009年11月以来、6年7カ月ぶりの低水準へと低下。
6月の製造業の景況感は回復傾向にはあるものの、雇用の低調ぶりが目立つ状況となっています。ISM製造業景況指数はそこそこの数値となる可能性はありそうですが、6カ月連続で節目の50未満が続いていたISM製造業の雇用指数も、低迷状態からは抜け出せていない可能性もありそうです。
そうなった場合には、前回の大幅下振れからの反発が期待される雇用統計で、思わぬ結果が飛び出す可能性にも警戒が必要となりそうです。
30日のNY金相場は0.47%の反落。株高の流れが続くなか、アジア・ロンドン時間は1310ドル台後半を中心とした小幅レンジで底堅く推移。NY市場ではカーニーBOE総裁の緩和示唆発言を好感し、1320ドル台へと小幅上昇。今週ここまでは1310ドル台から1330ドルまでの小幅保ち合い状態が続き、十字線を残して上下どちらかへの動き出しを示唆して6月を終了。上方向へと動き出した場合には1360ドルの高値再トライへ、保ち合い下方ブレイクとなれば少なくとも1290ドル台までの調整へ。
月間ベースでは+103.1ドル(8.47%)の大幅反発。2月の+118ドル(10.57%)に次ぐ上昇幅。今年上半期の騰落状況は+260ドル(24.56%)。
NYプラチナ相場は1.01%の大幅続伸。欧米株の堅調推移が続き、英FTSEは10カ月ぶりの高値水準、金の下げ幅も限定的にとどまったことにより、レンジブレイクの勢い継続で6週間ぶり高値水準に。上値余地1020ドル近辺にしっかりと到達した状態となり、多少の調整も入りやすくなるところだが、月初の経済指標をきっかけに金の動き出しについて行く展開も。
月間ベースでは+41.1ドル(4.19%)の反発。半年間では+129.8ドル(14.56%)。
ドル円は0.35%のドル高円安となって3日続伸。米6月シカゴPMIの好結果なども好感し、102円台後半での堅調推移が継続。BOEの緩和示唆によるポンド安に連れての円高局面では102円30銭台まで急落する場面もあったものの、切り返すと株高・ドル高の勢いも増して1週間ぶりの103円台へ。しかし、今朝には再び103円を割れる場面も。24日の高安の半値戻し、103円ラインの攻防はまだ継続中。
月間ベースでは-7.52円(6.79%)で大幅反落。2月の-8.36円(6.91%)に次ぐ下落幅。上半期では-17.13円(14.24%)。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/30終値とチャート
1日の国内金価格は0.97%の続伸。反発への動きが4690円の抵抗線に押さえられた状態となり、レンジ幅を4640-4690円に縮小し、NY金とともにブレイク待ちへ。月曜日は米国の独立記念日でNY市場が休場となるため、本日のNY市場と時間外、為替動向を反映して国内金価格が先行してブレイクすることになる可能性も。短期的な方向感はやや上方向優勢の状態。上方ブレイクなら目先の上値目標は4730円台辺り。加速した場合には4700円台後半へと上値を切り上げるような展開も。下方ブレイクの場合には4580円前後が下値目安に。
週間ベースでは+106円(2.31%)の反発。
プラチナ価格は2.28%の大幅高で3日続伸。2日連続2%超の急騰となって上値目標3630円近辺にも早々の到達。NYプラチナの目標水準到達に連動する形となり、ともに一服感も。1カ月半続いた下落トレンドからはいったん抜け出した形となり、近いうちに1カ月ぶりとなる90日移動平均線上抜けトライも期待されるところ。
週間ベースでは+110円(3.12%)の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格7/1とチャート
- 2016年7月1日(金)時点の相場
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国内金 : 4,689 円 7/1(金) ▲45(0.97%) 国内プラチナ : 3,638 円 7/1(金) ▲81(2.28%) NY金 : 1,320.6 ドル 6/30(木) ▼6.3(0.47%) NYプラチナ : 1,021.5 ドル 6/30(木) ▲10.2(1.01%) ドル円 : 103.19 円 6/30(木) ▲0.36(0.35%)
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