金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

とまらないトランプ相場の影で膠着状態が続く国内金価格

更新日:2016年12月12日(月)

トランプ相場の勢いはとまらず、米欧日を中心に世界同時株高状態も続きます。今週のFOMCでは利上げが確実視されるなか、以前なら利上げ観測に対してネガティブな反応を見せていた米株市場も今回はそんなそぶりも見せず、高値更新が続き、NYダウは先週末まで5日続伸。19750ドル台まで水準を切り上げ、早くも2万ドルも?との見方も出はじめているようです。今朝のNYダウ先物は19800ドル台へとさらに上昇中。
NASDAQもドイツDAXも英FTSEも5日続伸、日経平均も今朝の大幅高で5日続伸確実の状況でこちらは2万円も?との景気のいい予想も聞かれます。

トランプ期待に加え、これまでリスク要因、低インフレ要因となり続けていた原油相場の見通し上向きも大きく支援しているようです。
先日のOPEC総会での減産合意に続き、10日にはOPECと非加盟国の会合が行われ、サウジのさらなる減産とロシアなどOPEC非加盟国の協調減産も15年ぶりに合意したことを受け、今朝の時間外でNY原油相場は昨年7月以来となる54ドル台へと急騰しています。

そんな世界的リスクオン相場の状態が続くなかで、NY金相場の軟調推移を受けて、国内金価格は膠着状態が続いています。
国内金価格・週足チャート 2016年12月12日足下では、7月高値4856円から右肩下がりのトレンドが続き、この抵抗線をわずかに上抜けようかという状態。大きく見ると今年1月安値と3月高値を起点とした三角保ち合いを形成し、現状の4600円付近がその中心価格帯になりつつある状況。もうしばらくは、この三角保ち合いの範囲内で推移が続きそうな状況です。
年明け1月後半以降、トランプ政権発足後の期待剥落等のネガティブ要素台頭などがあるようだと、リスクオン相場の巻き戻しが急速に進行することも予想されます。その場合にはNY金の急反発を受けて、国内金価格は長期三角保ち合い上抜けへ、というシナリオも想定されそうです。

ドル円が先週末に115円台へと急騰し、今朝の東京市場では目標水準115円半ばとなる115円50銭台に到達、NY金は1150ドル台へとゆっくりと下値トライが進行中。この流れを受けて12日の国内金価格は0.15%の小反発。しかし、4580円から4630円までの保ち合いレンジを徐々に下方シフトする流れは継続。目先、ドル円の頭打ちの可能性とNY金の若干の下げ余地から、国内金価格の4510円近辺までの下落リスクも継続。ただしFOMC待ちの状態となり、14日未明までは小動き状態継続も予想される。ほぼ100%織り込み済の利上げ確認でNY金はいったん底値をつけて反発へ、というシナリオも想定可能だが。

国内プラチナ価格・週足チャート 2016年12月12日国内プラチナ価格の場合は、7月高値4072円と10月安値3352円を起点とした三角保ち合いを形成し、今まさにその頂点付近に到達し、今朝時点ではわずかに下抜けの可能性を示した状態となっています。この動きが一時的ではなく、今後も続くようであれば、今年1月と10月安値で形成中の2番底方向へと向い、3番底をつけに行く可能性が高まります。
金価格が上方向へと動き出した場合にはプラチナ価格もこれに追随し、2番底もしくは3番底のネックライン候補となる4072円を目指す展開も予想可能となりそうです。

週明けのプラチナ価格は1.01%の大幅続落。やや買われ過ぎの状態からの大幅下落でサポートラインとなりつつあった9日移動平均線(3642)を小幅に下抜け、それでも妥当な水準までの調整、この近辺で反発できれば11月以降の上昇トレンドは維持。ただし3600円から21日移動平均線(3594)辺りを割り込むようなら、トレンド終息との判断へ。今朝のNYプラチナが910ドル台での揉み合い状態となり、先週末の急落後の一服感も見られる状況からは、国内価格の流れがすぐに逆転するような展開は今のところは予想しにくい状況か。
※参考:金プラチナ国内価格12/12とチャート

2016年12月12日(月)時点の相場
国内金4,592 円 12/12(月) ▲7(0.15%)
国内プラチナ3,635 円 12/12(月) ▼37(1.01%)
NY金1,161.9 ドル 12/9(金) ▼10.5(0.90%)
NYプラチナ915.0 ドル 12/9(金) ▼28.8(3.05%)
ドル円115.31 円 12/9(金) ▲1.29(1.13%)

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