更新日：2017年1月16日(月)
国内金価格は、2015年高値5298円と2016年7月高値4856円を結ぶ右肩下がりの上値抵抗線をわずかに上抜けてきました。しかし、2016年3月高値4941円と7月高値4856円を結んだラインのやや手前。2本の上値抵抗線との攻防状態が続く局面となっています。
いっぽう、下値は2016年1月安値4385円と同10月安値4473円を結ぶ右肩上がりのサポートラインに支えられ、三角保ち合いを形成しています。
また、2015年後半以降は4500円から4800円までが主要レンジとなる状態が続いています。
近年の主要レンジ上限付近まで水準を切り上げ、長期抵抗線付近に達している現状からは、そろそろ反落の展開も予想される状況です。
なお、ポジティブシナリオとしては、4700円台半ばの抵抗線、4800円の主要レンジ上限を上抜けると2016年7月高値4856円が意識され、これも上抜けた場合には2016年3月高値4941円トライへと向うことになります。この水準も突破することになった場合には、2016年1月安値から3月高値までの上昇幅556円、2016年10月安値4473円を起点に同じ556円分の上昇も見込まれる可能性も高まります。この場合の上値目安は5029円。
ネガティブシナリオとしては、4800円付近までで上値を押さえられ、再び4500円台方向へと軟調推移の展開となり、長期三角保ち合い継続へ。
数々の抵抗水準を上抜ける為には、NY金の強い上昇トレンドか、ドル高円安がやや一方的に進行する必要があり、いずれの場合でも円高、もしくはNY金の売りがある程度限定的となることが条件となります。米10年債利回りとの相関性が高まるドル円、逆相関が高まるNY金という構図はまだしばらく続きそうな状況にあることから、国内金価格の一方的な流れは続き難いのではないか、と予想されます。
16日の国内金価格は0.28％の反発で9月6日（4728）以来、4カ月半ぶりの高値水準。メイ英首相が17日にハードブレグジット計画を公表する、との英紙サンデー・タイムズ報道を受けて週明け早朝からポンドが下落、これに連れてドル円も114円前半にやや水準を切り下げ、時間外のNY金は1200ドル台へと堅調推移のスタート。ただドル円は買い戻しの動きも見られており、国内金価格を押し上げた格好。短期上値目安4720円台到達後の調整も限定的で過熱感も高騰、もう一段の調整も入りやすいところ。
国内プラチナ価格は、2015年1月高値5193円と2016年7月高値4072円を結ぶ抵抗線を完全に上抜けてきました。また、2015年後半以降の主要レンジ3500円から3900円の上限付近に到達しようとしています。
ネガティブシナリオとしては、主要レンジ上限付近を完全には抜け切れず、レンジ内推移継続へと向う展開も予想されます。
しかし、長期抵抗線を上抜けた状態を維持できれば、ポジティブシナリオとして、3900円ラインも突破、そして2016年1月安値3334円と同10月安値3353円とで構成するダブルボトムのネックライン、2015年7月高値4072円が意識される展開も予想可能です。
この水準も突破することになった場合には、ダブルボトム完成で、4072円から719円（=4072-3353）分さらに上昇する可能性も高まります。
この場合の上値最大目安は4791円。
ちょうど2年前、2015年1月16日に国内金価格とプラチナ価格が逆転し、その差はいまだに800円台。価格逆転と割安感から日本国内で高まり続けるプラチナ投資需要にも支えられ、年後半にかけて、国内金価格の現状主要レンジ上限付近となる4800円辺りまで上昇し、価格差急縮小となる可能性も否定はできません。
16日のプラチナ価格は0.7％高で続伸。時間外のNYプラチナも990ドル前後に水準を切り上げての揉み合い状態となり、国内価格の堅調をサポート。調整を3840円までで切り返して再度上値トライをうかがう形となり、3880円台へと高値更新となれば一段高の展開で次の上値目安は3920円台辺りまで。逆に3840円台を割り込んだ場合には調整幅拡大で下値目安は3780円前後まで。
※参考：金プラチナ国内価格1/16とチャート
2017年1月16日(月)時点の相場
国内金：4,727 円 1/16(月) ▲13(0.28％)
国内プラチナ：3,873 円 1/16(月) ▲27(0.70％)
NY金：1,196.2 ﾄﾞﾙ 1/13(金) ▼3.6(0.30％)
NYプラチナ：986.4 ﾄﾞﾙ 1/13(金) ▲1.7(0.17％)
ドル円：114.53 円 1/13(金) ▼0.17(0.15％)