金プラチナ短期相場観

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2月米雇用統計は好結果、3月利上げ確定を織り込んで材料出尽くし

更新日:2017年3月11日(土)

米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2017年2月2月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP:NonFarm Payroll)が市場予想の前月比+20万人を大幅に上回る+23.5万人、1月分も上方修正され、3カ月平均では前月時点の+18.57万人から+20.93万人へと上昇。失業率も予想どおりの4.7%となり、前月の4.8%から低下。
労働参加率は63.0%となり、1月の62.9%から上昇し、昨年3月(63.0)以来11カ月ぶりの水準。
長期失業者の割合も23.8%となり、1月の24.4%からは大幅低下となり、2009年2月(23.4)以来8年ぶりの低水準へと改善。
U6失業率も9.2%となり、2008年4月(9.2)以来8年8カ月ぶりの低水準となった12月と同水準に改善。

インフレ上昇に向けて注目度が高まる平均時給は1月の26.03ドル(26.00ドルから上方修正)から26.09ドルへと上昇。
前月比では+0.23%となり、+0.3%を期待した市場予想には届かず。ただし、前月分が上方修正されなければ2月は前月比+0.35%。四捨五入で+0.4%となり、市場の反応も違ったものになった可能性もありそうです。

前年同月比では+2.80%となり、市場予想どおり。ただし、2009年6月(+2.88%)以来7年6カ月ぶり高水準となった12月(+2.85%)に次ぐ高水準であり、3カ月平均では+2.75%となり、2009年7月(+2.83%)以来7年5カ月ぶり高水準となった12月(+2.75)と同水準。
1月の急失速からはしっかりと反発(+修正)し、上昇基調に戻した状態となり、十分良好と言えそうな好結果。

ただし、賃金上昇率はまだ上昇余地を残すと見るFOMCメンバにとっては、3月利上げに向けての確信材料とはなったものの、年内利上げ回数を4回へと引き上げるほどの強気材料とはならなかったものと推測されそうです。

NY金・日足チャート 2017/2/3 - 3/1010日のNY金相場は0.15%の小幅安となり、2015年7月以来、1年8カ月ぶりとなる9営業日続落。米雇用統計好結果への警戒感からの軟調推移となった東京-ロンドン市場では1200ドルを割り込んで一時1194.5ドルまで下落。それなりの好結果となった雇用統計では賃金上昇率の伸びがいまいちとの見方もあり、材料出尽くし感からの買い戻し、再び1200ドルの大台を回復して終了。結果的に昨年12月から今年2月末までの半値戻し(1194.6)ちょうどを達成して反発した形となり、素通りし難い節目水準でいったん支えられた状態。次週FOMC、米予算教書、オランダ総選挙などが集中する15日のイベントデーまでは現状水準での揉み合い継続となりやすく、下方向には61.8%戻しとなる1180ドル前後まで、上方向には38.2%戻しの1210ドル台までが振れ幅の目安に。
週間ベースでは-25.1ドル(2.05%)の続落。

NYプラチナ・日足チャート 2017/2/3 - 3/10NYプラチナ相場は0.11%の小幅高で5日ぶりの反発。935ドル付近では底堅く推移し、前日安値を下回ることなく反発の動きも見られ、日足レベルでもようやく急落局面一服の兆しも。しかし、上値は早速950ドルラインに押さえられて上ヒゲを残す足型に。今回の急落局面での下値目安となっていた950ドルラインは12月安値から2月高値までの61.8%戻し(949.5)にも相当し、下げ止まりを予想した水準。ここをしっかりと下抜けてしまったことで、今度は抵抗水準に切り替わりつつある状態に。反発に向けては早めに上抜けておきたい水準だが。
週間ベースでは-55.9ドル(5.62%)で続落。週間下落率としては昨年11月7日からのトランプラリースタート週(-6.1%)以来4カ月ぶりの大幅下落。

ドル円・日足チャート 2017/2/6 - 3/10ドル円は0.15%の小幅ドル安円高となり、4日ぶりの反落で115円割れ。雇用統計発表前のドル高円安進行では1月19日(115.62)以来1カ月半ぶりとなる115円50銭まで上昇。しかし、米10年債利回りは2.61%台で上げ渋る状態となり、ドルインデックスもユーロ高の影響もあって軟調推移。その後のドル円の推移を暗示していたかのような動きとなり、発表後は米10年債利回りとドルインデックスの急落とともにドル円も失速。ロス米商務長官の、貿易に関しては「日本の優先度は高い」発言がドル高円安牽制となったこともドル安円高要因に。結果的に小幅保ち合い上抜けに伴う上値目安の最低レベル115円半ばに到達して力尽きた形。15日の重要イベントデー通過後、今後の利上げ見通し引き上げなら再度115円台半ば以上、116円台への可能性も残されるところだが、目先は米10年債利回りの高値警戒感とともに上げ渋る展開か。
週間ベースでは+0.71円(0.62%)の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/10終値とチャート

2017年3月11日(土)時点の相場
国内金4,756 円 3/10(金) ▼8(0.17%)
国内プラチナ3,723 円 3/10(金) ▼33(0.88%)
NY金1,201.4 ドル 3/10(金) ▼1.8(0.15%)
NYプラチナ938.2 ドル 3/10(金) ▲1.0(0.11%)
ドル円114.76 円 3/10(金) ▼0.17(0.15%)

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