金プラチナ短期相場観
逆相関強まる7月のNY金と米10年債利回り
更新日:2017年7月22日(土)
7月21日時点での米10年債利回りは2.23%台まで低下し、6月28日以来3週間ぶりの低水準となっています。7月7日には2.38%台まで上昇し、5月11日以来2カ月ぶりの高水準まで上昇して反落の流れが続いています。
この流れと全く逆の展開となっているNY金は7月7日終値で1209.7ドルまで下落し、3月15日以来ほぼ4カ月ぶり安値をつけて反発した流れが続きます。
米10年債利回りとNY金との関係は、近年ほぼ逆相関関係にあり、2016年末以降では米10年債利回りは2.10%台から2.60%台までの範囲での推移が続き、NY金は1120ドル台から1300ドルまでのレンジでの推移となっています。
今年4月以降では、米10年債利回りは2.1%から2.4%手前までのレンジ、NY金は1200ドルから1300ドルまでの範囲での値動きが続きます。
両者の相関係数は、7月21日時点で90日間の相関係数は-0.6198、30日間では-0.8373となっていますが、7月だけの相関係数では-0.954へと跳ね上がります。
チャート上では、NY金と逆目盛りの米10年債利回りは7月に入ってほぼ完全一致の推移となっています。
現在の逆相関関係の強さがもうしばらく継続するなら、米10年債利回りが2.10%近辺まで低下した場合、NY金は今年3度めの1300ドルトライの局面を迎えることになりそうです。
21日のNY金相場は0.75%上昇。5月以来今年2度めの6日続伸となり、6月23日(1256.4)以来ほぼ1カ月ぶりの水準。トランプJr.氏が面会したロシア人弁護士のベセルニツカヤ氏とロシア連邦保安局(FSB)の関係が報道されるなどトランプ・ファミリーを巡るロシアゲート疑惑への懸念は深刻化し、スパイサー大統領報道官の辞任などトランプ大統領周辺の混迷と不安定ぶりも相変わらず。政権不信の高まりと政策期待剥落を背景に、インフレ鈍化、長期金利低迷、ユーロ高基調なども重なりドル安の流れが加速したことで金は一本調子の上昇。目安水準となっていた7月安値までの半値戻し1250ドル前半にしっかり到達。ここから上にはやや抵抗感もあり一服状態も、節目の1260ドルを超えると一段高の展開が予想され、上値目安は1280ドル台から今年高値圏再トライも。
週間ベースでは+27.4ドル(2.23%)の続伸。
NYプラチナ相場は0.45%の続伸。金に連れ高の展開でNY朝には6月14日以来、5週間ぶり高値水準となる940ドル台前半まで上昇。ただし、90日移動平均線(940.5)を超える水準を維持できずに反落した形となり、5月末と6月初旬にも上値を押さえられた90日線に今回も抵抗感が強まる様子。短期的には上値目安950ドル近辺まで若干の上値余地も残す状況にあり、中期トレンド好転に向けてはこの90日線超えの水準を維持できるかが重要なポイントに。
週間ベースでは+13.9ドル(1.51%)で続伸。
ドル円は0.69%のドル安円高となって4日続落、6月16日(110.88)以来5週間ぶりの円高水準。VIX指数が9.36と23年ぶり低水準をさらに更新するなか、NASDAQの続伸記録は10日で途切れ、欧米株は全面安、長期金利も低下基調が続き、米10年債利回り低下とともにドル円の下落基調も継続。3日連続安値圏となった111円半ばでは下げ渋る様子も見られたものの、ほぼ一本調子のドル安円高の流れとなり、6月安値108円80銭台から7月高値114円40銭台までの61.8%戻しとなる111円ちょうど近辺まで下落。ロシアゲート疑惑の動向やFOMCでの今後の見通しなどへの期待感などからキリの良い水準で反発できるかどうか。111円割れなら次の下値目安は76.4%戻しの110円10銭台。
週間ベースでは-1.37円(1.22%)の続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/21終値とチャート
- 2017年7月22日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,797 円 7/21(金) ▲11(0.23%) 国内プラチナ : 3,581 円 7/21(金) ▲19(0.53%) NY金 : 1,254.9 ドル 7/21(金) ▲9.4(0.75%) NYプラチナ : 937.4 ドル 7/21(金) ▲4.2(0.45%) ドル円 : 111.13 円 7/21(金) ▼0.77(0.69%)
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