金プラチナ短期相場観

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フィラデルフィア連銀製造業指数も好調、しかし金は調整一服も

更新日:2017年9月22日(金)

フィラデルフィア連銀製造業景況指数 2017年9月9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は23.8となり、市場予想の17.1程度を大きく上回って8月の18.9からも上昇、3カ月ぶりの高水準となりました。
新規受注は8月の20.4から9月は29.5へと大幅上昇し、半年ぶりの高水準、出荷も29.4から37.8へと大幅上昇で4カ月ぶりの高水準、半年後の見通しも42.3から55.2へと大幅上昇で半年ぶりの高水準。
ただし、雇用は8月10.1から9月は6.6、9カ月ぶりの低水準で今年最低へとへと急低下。

労働市場の好調さが米国の金融政策正常化に向けての大きな推進力となっており、賃金上昇率の回復が待たれる状況にあって、9月の雇用統計に向けては一抹の不安材料、といったところでしょうか。

また、6カ月移動平均の推移と合わせてフィラデルフィア連銀製造業景況指数の推移を見ると、明らかにピーク水準を過ぎてサイクル的には低下局面がスタートしているようにも見えます。この流れが続けば、半年から1年後くらいには、この指数もマイナス圏入りとなるような状況も想定されそうです。

ドル買い金売りの流れも今回のFOMCがいったんピークとなり、流れが一服するか、もしくは反転するような展開も想定可能かもしれません。

NY金・日足チャート 2017/8/17 - 9/2121日のNY金相場は1.64%の大幅反落で8月24日(1292.0)以来、ほぼ1カ月ぶりの安値水準。FOMC後の1300ドルラインとの攻防に敗れると、NY朝にかけて1290ドル付近まで下落。短期的な下値目安1290ドル前後に到達して材料不足の週末を迎えたことでいったん下げ止まりの可能性も。なお、この日の下げ幅は21.6ドル(1.64%)となり、今年3度めの20ドル超(1.6%超)となる大幅下落。前回は7月3日、ISM製造業景況指数の大幅上振れを受けての急落、その前は6月15日、利上げを決めたFOMC明けの日でNY連銀製造業景況指数の大幅上振れも。いずれも短期的にはセリング・クライマックスとなってその後間もなく反発局面へ。はたして今回は?

NYプラチナ・日足チャート 2017/8/17 - 9/21NYプラチナ相場は0.58%安となって7月28日以来2カ月ぶりの安値水準。NYダウの続伸が9日で途切れたのに対し、プラチナの続落は10日め。61.8%ライン、940ドル台を維持できずにNY朝には930ドル付近まで下落。次の目安となる76.4%ライン、920ドル台も意識されるところ。残り1週間となった9月の下落幅はここまで58ドル超となり、大幅上昇となった8月の上昇値幅57.8ドルを既に帳消し。売られ過ぎの過熱感も高まり、今朝の時間外では940ドル台へと反発の兆しも。金との価格差急縮小とともに下げ止まりの展開も。

ドル円・日足チャート 2017/8/18 - 9/21ドル円は0.28%のドル高円安となって5日続伸。FOMC後の高値は黒田日銀総裁会見で日銀の緩和姿勢が意識されて円売りが進んだ時点の112円70銭台まで。7月以降の下落幅の76.4%戻しが意識されて上値を押さえられた形となり、その後は112円台半ばを中心に保ち合い推移。NY市場ではハリケーンの影響が残る米失業保険申請件数が予想以上に悪化しておらず、9月のフィラデルフィア連銀製造業指数も予想を上回る好結果となったにもかかわらず上値は限定的に。今朝の東京市場では北朝鮮の金委員長の声明が伝えられて一時112円割れへと急落する場面もあったものの、これも市場にとっては適度な押し目形成となるか、といった状況に。7月20日以来、2カ月ぶりに上抜けた200日移動平均線(112.19)にサポートされるようなら112円70銭台までが当面の主要レンジに。次週以降、上抜けできれば5月と7月の高値圏114円前後を目指す展開へも。調整進行なら61.8%ライン、111円70銭台辺りまでが最初の目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/21終値とチャート

22日の国内金価格は0.48%の続落。高値圏での保ち合いからの下げ渋りも流れには逆らえず、耐えきれずに下抜け。短期的な下値目安は4960円前後まで。ただし、5045円の高値を2度つけてダブルトップを形成しており、ネックラインとなる4981円を下回ることになれば、次のターゲットとして4917円まで。今回の上昇局面の38.2%戻し(4935)から50%戻し(4901)までのレンジが当面の下値目安としては程良い水準に。
週間ベースでは-47円(0.93%)となり、7週ぶりの反落。

プラチナ価格は0.11%の小幅安で4日続落。8月15日(3649)以来の安値圏で減速し、短期的には6月以降の上げ幅の61.8%戻し(3640)と90日移動平均線(3635)辺りまでがサポート水準として作用しそうな状況に。ここを割り込むようだと76.4%ライン(3597)、6月から7月までの底値保ち合い上限付近までが意識される展開へ。
週間ベースでは-102円(2.72%)の大幅続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/22とチャート

2017年9月22日(金)時点の相場
国内金4,998 円 9/22(金) ▼24(0.48%)
国内プラチナ3,650 円 9/22(金) ▼4(0.11%)
NY金1,294.8 ドル 9/21(木) ▼21.6(1.64%)
NYプラチナ939.9 ドル 9/21(木) ▼5.5(0.58%)
ドル円112.49 円 9/21(木) ▲0.31(0.28%)

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