金プラチナ短期相場観
トランプ米大統領就任1周年、シャットダウンで金価格も高止まり
更新日:2018年1月22日(月)
トランプ米大統領の就任1周年となる20日、米上院が19日につなぎ予算を否決したことで暫定予算の期限が切れ、米政府は約4年ぶりに一部機関がシャットダウン。波乱を予感させるような2年目のスタートとなりました。ワシントンやロサンゼルスなどではトランプ政権への抗議デモもあり、参加者は合計数十万人とも言われます。
前回、政府機関がシャットダウンしたのは2013年10月。この時は事前からやや警戒感も高まり、9月のFOMCでは予想されていたテーパリングを先送りするなどの波乱もありました。
シャットダウン懸念はこれまで何度もあり、その度に回避されてきたことで今回もギリギリまで楽観的な見方が大勢でしたが、今回は予想外の期限切れ。
市場反応としては若干のリスク回避的な動きも見られ、週明け東京市場朝にはやや株安でドル円も先週末から20銭ほどの円高、時間外のNY金もわずかに上昇してのスタート。しかし、これも限定的にとどまり、ドル円も金もまもなく先週末水準へと戻しています。
国内金価格は高止まりの状態が続き、2016年10月から続く上昇チャネル中ほどの位置でやや小康状態となってきました。水準的には20週移動平均線(4996)と+4%乖離ライン(5196)との中間地点。ここまでの上昇トレンドでは、20週移動平均線と+4%ラインが上昇チャネルとほぼ同水準となり、この間での上下動を繰り返す展開が続いています。
足下では、+4%ラインと上昇チャネル上限の水準に少し届かずに失速した状態。失速状態から調整局面が続けば20週移動平均から上昇チャネル下限(4960円程度)辺り、4900円台後半が当面の調整目安ともなりそうです。
上昇チャネル内での短期上昇トレンド継続中なら、+4%ラインと上昇チャネル上限付近、5200円近辺が当面の上値目安にもなりそうです。
22日の国内金価格は0.33%の反発。調整局面は進まず高値圏での三角保ち合いを維持し、大幅調整か高値更新トライ再開かの分岐点での推移が継続。目先、5110円と5075円が上下の節目となり、上抜けると再び高値更新トライへと向う可能性が高まり、当面の上値目標は5180円台辺りまで。下抜けてしまうと大幅調整局面入り濃厚となり、下値目標は水平状態の90日移動平均線(4990)前後まで。
国内プラチナ価格は急反発の状態が続き、20週移動平均線(3640)の-5%下方乖離ライン(3458)を割り込んだ12月から、6週間めで+5%上方乖離ライン(3822)を超えてきました。現時点での20週移動平均上方乖離率は+5.6%となり、昨年高値3992円まで上昇した2月後半(6.2%)以来の水準。+5%を超えると反落警戒水準とはなりますが、2月には最大で7.8%まで拡大していました。2016年高値4072円をつけた時期の最大でも7.3%となっていました。
今回の上昇局面がさらに続き、乖離率が7%に達した場合の水準は3895円。
この水準に達した場合、2016年高値と2017年高値を結ぶ抵抗線を上回ることになり、2015年の急落以降の高値抵抗線を全て上抜ける形となります。
純粋に2017年高値、2016年高値が次の上値抵抗水準として残ることにはなりますが、中長期的な流れにも変化が見られそうな水準に達することにもなります。
22日のプラチナ価格は1.13%の大幅反発となって3月7日(3845)以来、10カ月半ぶりの高値水準。NYプラチナが先週末の1010ドル台半ばから後半へとわずかに水準を切り上げていることにもサポートされ、金との価格差は9月11日(1234)以来4カ月ぶりの水準となる1249円まで縮小。年末のピーク1444円からは約200円の急縮小。過熱感高まる状態は続くものの、金価格が一段高へと動き出すようなら、さらなる買われ過ぎ継続での上値目安は3900円手前辺りまで。逆に金価格が調整局面入りとなれば、プラチナの調整幅がそれを上回る可能性もあり、ここまでの上昇幅の23.6%戻しとなる3740円台辺りまでが当面の調整目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格1/22とチャート
- 2018年1月22日(月)時点の相場
-
国内金 : 5,092 円 1/22(月) ▲17(0.33%) 国内プラチナ : 3,843 円 1/22(月) ▲43(1.13%) NY金 : 1,333.1 ドル 1/19(金) ▲5.9(0.44%) NYプラチナ : 1,020.1 ドル 1/19(金) ▲12.9(1.28%) ドル円 : 110.78 円 1/19(金) ▼0.32(0.28%)
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