金プラチナ短期相場観

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原油高とともにインフレ期待も2017年末には急上昇

更新日:2018年1月18日(木)

NY連銀消費者調査・インフレ期待 2017年12月今週発表された12月のNY連銀消費者調査で、1年期待インフレ中央値は2.82%。11月の2.61%から急上昇し、2月(2.96%)以来10カ月ぶりの高水準となっています。3年期待インフレ中央値も11月の2.78%から12月は2.89%へと上昇し、4月(2.91%)以来8カ月ぶりの水準。
2016年以降のインフレ期待低迷期を、まだ完全に脱してはいないものの、1年期待インフレは8月に、3年期待インフレは5月にそれぞれ底打ちして上昇基調を強める傾向となってきました。

今朝発表されたベージュブックでも、インフレ圧力への見方は地区連銀毎にマチマチの様子もありながら、全体的には米経済とともにインフレも控えめながら緩やかなペースで拡大中とされ、の見方に一致する状況です。

また、ミシガン大の1年期待インフレも12月には2.7%と2カ月連続上昇となり、やはり控えめながら緩やかなペースで上昇基調となっています。
そして、これらを支える原油価格も12月には月間平均で57.95ドルまで上昇しており、2015年6月(59.83ドル)以来2年半ぶりの水準となっています。
原油価格は年明け以降も上昇基調が続き、NY原油は12日には64.30ドルまで上昇し、2014年12月5日(65.8)以来3年1カ月ぶり高値まで水準を切り上げています。

ベージュブックでは大半の地区で賃金上昇が継続し、一部の地区ではその業種、職種も拡大し始め、数カ月後にはさらなる賃金上昇加速の可能性も指摘されています。
原油価格が大きく崩れない限りは消費者目線でのインフレ期待も、控えめながら緩やかなペースでの上昇基調が今後も続きそうです。

NY金・日足チャート 2017/12/11 - 1/1717日のNY金相場は0.16%の小幅高で5日続伸。NYダウが300ドル超の大幅高で年初の25000ドル超えから8営業日で26000ドルを超え、ビットコインは一時1万ドル割れへと年初から荒い値動きとなるなかでNY金は4カ月ぶり高値圏でのジリ高推移。しかし、米経済の好調を示したベージュブック公表後には米長期金利の急上昇とともにドル安の巻戻しが急速に進行し、NY引け後には1330ドル割れへと急落、1340ドル台半ばで上値を押さえられる形となって調整の動きに。もう一段の調整が進めば1320ドル前後までは下落しやすく、1310ドルが比較的重要なサポート水準。ここを割れると90日移動平均線が横たわる1290ドル前後まで調整幅拡大も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/12/11 - 1/17NYプラチナ相場は0.6%高で5日続伸。終値ベースでは昨年9月高値1116.8ドルも意識される水準となる1110ドル台到達も、NY引け後には金の急反落に連れる展開。それでも1000ドル台前半で踏みとどまって大台割れを回避。このまま大台を維持することができれば、昨年高値を結ぶ抵抗線を上抜けており、中期的な流れも好転へ。しかし短期的には調整不足、この1カ月間の上げ幅の23.6%戻しでも980ドル前後。

ドル円・日足チャート 2017/12/13 - 1/17ドル円は0.76%のドル高円安となって7日ぶりの反発。東京市場朝に4カ月ぶりのドル安円高水準を更新し、110円10銭台まで下げて反発へ。東京市場午後には110円90銭台まで上昇も、またも111円の壁を超えられずに保ち合い推移。NY市場では戻り売りの展開で110円半ばまで軟調に推移後、ベージュブック公表後に急反発すると111円の壁を突破して111円30銭台まで上昇し、1週間ぶりの水準を回復。ドル安円高の流れが底を打ったかどうかの判断はまだ難しいものの、とりあえずは昨年11月高値からの下落幅の23.6%戻し(111円20銭台)を達成しており、次の上値目安として38.2%戻しの111円90銭台が努力目標に。再度安値更新へと向かえば、あらためて109円台半ばまでのドル安円高進行の可能性となるものの、110円台半ばの水準はかなり堅めのサポートにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/17終値とチャート

18日の国内金価格は0.04%の小反発。NY金の時間外での調整とドル安円高の巻き戻しが均衡し、高値圏での保ち合い推移の展開に。9日移動平均に支えられて強気相場を維持しながらも失速状態も継続。NY金の調整がもう少し続くようだと5050円台の保ち合い下限との攻防へ、下限割れなら5000円の大台割れも。上方向には5110円が当面の抵抗水準となり、突破できれば高値更新トライ再開も。

プラチナ価格は0.55%高となって6日続伸。今年に入って下落したのは1日のみという一方的な流れが続き、短期上値目標3800円近辺にもしっかり到達。9月4日(3819)以来、4カ月半ぶりの高値水準となり、NYプラチナと同様に中期抵抗線を突破。金との価格差も過去最大となった年末の1444円から1289円まで急縮小し、9月14日以来4カ月ぶりの水準。いったんは調整方向へ、23.6%戻しとなる3710円台までではサポートされそうな状況か。
※参考:金プラチナ国内価格1/18とチャート

2018年1月18日(木)時点の相場
国内金5,094 円 1/18(木) ▲2(0.04%)
国内プラチナ3,805 円 1/18(木) ▲21(0.55%)
NY金1,339.2 ドル 1/17(水) ▲2.1(0.16%)
NYプラチナ1,010.9 ドル 1/17(水) ▲6.0(0.60%)
ドル円111.29 円 1/17(水) ▲0.84(0.76%)

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