金プラチナ短期相場観
5月ミシガン大消費者信頼感指数、現況失速も期待は高水準維持
更新日:2018年5月12日(土)
ミシガン大消費者信頼感指数の5月速報値は98.8となり、4月からは横ばい推移となりましたが市場予想の98.3を上回る好結果となっています。1年先のインフレ期待値も2.8%となって4月の2.7%からは上昇、3月と並んで2年ぶりの高水準となりました。
消費センチメントも良好でインフレも適度に加速へ、との思惑が強いことを示す結果となったようです。
ミシガン大消費者信頼感指数は3月に101.4となり、2004年1月以来14年2カ月ぶりの高水準を記録していました。そこからは若干水準を切り下げましたが、依然高水準を維持する状況です。
現況指数は3月に過去最高となる121.2まで上昇し、4月には114.9、5月は113.3と急失速しています。
期待指数は5月速報値で89.5となり、4月の88.4からは上昇。近年では2015年1月に91で2006年以降の最高を記録し、2017年1月と10月、そして2018年2月に90ポイント台を記録。90ポイントの上限ライン付近、過去最高水準付近で頭打ちとなっている状態です。
ミシガン大消費者信頼感指数は総合指数でも、現況指数も期待指数も全て2011年以降は綺麗な上昇トレンドを形成し、歴史的高水準に到達した状態にあります。
米国の消費センチメントは歴史的高水準に達している可能性があります。
そして、3つの指数は全て上昇トレンドを支えるサポートライン付近に位置しており、今後まもなくトレンド転換の時を迎えようとしている可能性も警戒されます。
11日のNY金相場は0.12%の小幅反落。時間外にはドル安の流れとなり、NY朝には4月27日(1326.4)以来2週間ぶり高値となる1326ドルまで上昇し、3週間ぶりに20日移動平均線(1325.2)も上抜け。NY市場では米5月ミシガン大学消費者信頼感指数の好結果などもあり、巻き戻しの流れとなって反落するとNY引け後には1320ドル割れ。トレンド好転に向けた流れは節目の1320ドル台半ばが抵抗水準となって押し戻された形に。ドル全面高の流れに一服感はあり、引き続き1300ドルから1320ドル半ばのレンジ内で上限トライのチャンスをうかがう展開に。
週間では+6.0ドル(0.46%)の小幅高となり、4週間ぶりの反発。
NYプラチナ相場は0.09%の小幅高で3日続伸。NY朝には4月25日以来半月ぶり高値水準となる930ドルまで上昇。失速したNY市場でも下値は920ドル前半では底堅く、抵抗水準となっていた920ドルと下げ止まりつつある20日移動平均線(919.3)がサポート水準に切り替わったような展開に。反発局面はもう一段の進行余地が残され、4月高値圏940ドル台までが当面の上値目標。
週間では+15.6ドル(1.71%)の大幅高で4週ぶりの反発。
ドル円は0.02%のドル安円高となって小幅続落。東京市場朝には日経平均の上昇に連れて109円50銭台まで上昇後、日銀の国債買い入れオペ減額との思惑などから109円20銭近辺まで急反落。しかしこれも一時的にとどまると午後には元の水準へと反発。欧州時間には米10年債利回り低下とユーロ高ドル安の流れにも押されて109円10銭台まで軟調推移。NY市場ではミシガン大消費者信頼感指数の好結果もきっかけに米10年債利回り上昇とともに買い戻し、しかしこれも109円40銭台では頭打ちとなって20銭台までの間で揉み合いに。109円台前半で上下動を繰り返す展開となった週末は十字線に近い足型となり、反発への可能性も示唆するもここまでのサポートラインとなってきた15日移動平均線との攻防状態にも。引き続き109円ラインが調整局面入りへの節目となり、ダブルトップ形成への可能性も警戒される展開に。
週間では+0.28円(0.26%)の小幅高となり、2014年12月以来3年5カ月ぶりとなる7週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/11終値とチャート
- 2018年5月12日(土)時点の相場
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国内金 : 4,984 円 5/11(金) ▲14(0.28%) 国内プラチナ : 3,489 円 5/11(金) ▲20(0.58%) NY金 : 1,320.7 ドル 5/11(金) ▼1.6(0.12%) NYプラチナ : 925.9 ドル 5/11(金) ▲0.8(0.09%) ドル円 : 109.40 円 5/11(金) ▼0.02(0.02%)
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