金プラチナ短期相場観
リッチモンド連銀製造業指数も5月は急回復、賃金は過去最高
更新日:2018年5月23日(水)
5月のリッチモンド連銀製造業指数は16.0となり、市場予想の10.0を大きく上回りました。1年7カ月ぶり低水準となり、節目の0を割り込んだ4月の-3.0からも大幅反発となっています。
4月には出荷、新規受注、設備稼働率がマイナスへと落ち込んだことにより低迷していましたが、5月にはいずれも3月以前の水準以上へと急回復し、雇用も好調。
さらに、賃金は2カ月連続で過去最高を更新しています。
トレンドを示す6カ月平均では3カ月連続で低下してはいますが、15.0以上の高水準を7カ月連続で維持しており、1994年の9カ月連続以来、27年ぶりの高成長期を形成しています。
第5地区(リッチモンド連銀管轄地区)の景気は4月の減速が一時的であった可能性が高く、拡大局面に戻り、今後数カ月も成長軌道が続くとの楽観的な見方が優勢となっているようです。
NY連銀、フィラデルフィア連銀の指数と同様に5月の好調が示されたことで、4月まで2カ月連続低下しているISM製造業景況指数も5月には再び高水準へと反発する可能性もありそうです。
22日のNY金相場は0.09%の小反発。米10年債利回りは伸び悩み、ロンドン市場序盤にはユーロドルの買い戻しが進行、ドル安の流れで金も買われて1280ドル後半から1週間ぶり高値となる1296ドルまで急騰。しかし1290ドル後半では上値も重く、NY市場にかけては1290ドル前半での保ち合い推移。日足レベルでは1290ドルをはさんでの保ち合い推移5日めにしてわずかに水準を切り上げ。年初からの保ち合い下限をサポートしてきた1300ドルラインが抵抗水準に切り替わった可能性への警戒感も漂いながら、大台回復をかけた攻防が続く状態。
NYプラチナ相場は1.0%の大幅続伸。時間外での900ドルラインの攻防からNY朝にかけての急騰で一時910ドル台まで上昇。14日以来の900ドル台回復で20日移動平均線(906.4)も上抜け、短期トレンドも好転。最近では20日移動平均以上を維持する状態が3日ともたず反落するパターンが続いており、これを打開して910ドル台へと水準を切り上げることができればもう一段の反発基調継続で930ドルの節目トライの展開にも。金との価格差は400ドルを割れて、2カ月ぶりの水準となる383.2ドルまで急縮小。
ドル円は0.19%のドル安円高となって小幅反落。材料不足もあり、金利上昇一服とともに前日111円40銭近辺まで上昇して短期上値目安111円台前半にしっかり到達したことによる一服感から、111円をはさんで上下20銭づつの小幅揉み合いの展開に。今朝の東京市場では米10年債利回り低下と日経平均の270円超の下落にも連れる形となって110円半ばへと調整局面が進行中。目先は111円ちょうどから109円半ばまでが上下の節目となり、200日移動平均(110.20)、20日移動平均(109.78)などがサポート水準候補。反発して節目上抜けなら112円近辺へと再上昇も、多数のサポート水準候補を下抜けて109円半ばの節目を下抜けると短期トレンド逆転で107円台半ば辺りまでが下値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/22終値とチャート
23日の国内金価格はわずかに1円の上昇で4日続伸。ゆるやかに下降し始めた9-90日移動平均線が集中する抵抗帯に上値を押さえられて短期トレンドは下向き優勢の状態から抜け切れず。短期トレンド好転に向けてはこの4943円から4951円までの抵抗帯との攻防に。これを上抜けてトレンド好転となり、さらに保ち合い上限4990円も突破することができれば上値目標5100円台を目指す大幅上昇の展開も見込まれるところだが。
プラチナ価格は0.81%高となって続伸。短期トレンド好転とともに短期上値目標3460円近辺にも到達。一服感も生じやすいところだが、大きく見れば4月安値と5月安値とでダブルボトム(トリプルボトム)を形成する可能性もあり、5月高値3489円を超えることができればこれを完成、この場合の上値目標は3590円も。金との価格差も過去最大となった21日の1548円から1カ月半ぶりの水準となる1474円まで急縮小。
※参考:金プラチナ国内価格5/23とチャート
- 2018年5月23日(水)時点の相場
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国内金 : 4,941 円 5/23(水) ▲1(0.02%) 国内プラチナ : 3,467 円 5/23(水) ▲28(0.81%) NY金 : 1,292.0 ドル 5/22(火) ▲1.1(0.09%) NYプラチナ : 908.8 ドル 5/22(火) ▲9.0(1.00%) ドル円 : 110.79 円 5/22(火) ▼0.21(0.19%)
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