金プラチナ短期相場観

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6月製造業PMI、ユーロ圏は6カ月連続の減速、米国も急低下

更新日:2018年6月23日(土)

ユーロ圏・米製造業PMI 2018年6月速報値マークイット発表のユーロ圏製造業PMI6月速報値は55.0。市場予想どおりの結果ながら6カ月連続の低下となり、2016年12月以来1年半ぶりの水準となりました。ドイツは市場予想を下回る55.9となり、これも6カ月連続低下で1年半ぶりの水準。

ユーロ圏ではサービスセクターが4カ月ぶりの拡大ペースへと勢いを取り戻したのに対して、製造業の成長ペース低下は止まらず生産高は2016年11月以来、1年7カ月ぶり低水準。
工場の注文は1年10カ月で最も弱いペースでの上昇、輸出の伸びも1年半以上で最低水準。
そのなかで、購買価格インフレは1月をわずかに下回り、7カ月で2番めの高水準。燃料費の上昇や賃金上昇の報告も相当数あった模様。
今回の調査では、「年初に比べても需要の伸びが最近数カ月で減速している」と回答した企業数が増加しているとのことで、背景にはやはり貿易問題や政治的な不安が懸念材料としてあるようです。その影響からか、将来の生産予測値も1年7カ月ぶりに下落。

4月時点でユーロ圏の数値を上回った米国のマークイット製造業PMIも6月速報値では再び逆転。5月の56.4から54.6へと急低下し、7カ月ぶりの水準となっています。
米国もサービス業の堅調に対して製造業は減速。生産の伸びは2カ月連続で低下し、2017年9月以来9カ月ぶりの低水準へと鈍化。
雇用の伸びは、ここ3年間のピークとなった5月から減速。ただし、向こう1年間のビジネス期待は、1月以来で最も明るい見通しを示したようです。
また、製造原価のインフレは上昇し、民間企業の平均価格は2014年9月以来3年9カ月ぶり高水準へと上昇。
アンケート回答では鉄鋼価格と関連商品の価格上昇を指摘するものも多かった模様。

米国では通商問題の影響が若干懸念される状況で指数も急低下しながらも強気見通しを維持したのに対し、ユーロ圏では米国以上に通商問題への警戒感が影響している可能性もあり、政治的な不安要素も重なって年初からの減速基調がとまらない状況となっているようです。

NY金・日足チャート 2018/5/18 - 6/2222日のNY金相場は前日比わずかに+0.2ドル(0.02%)で4日ぶりの反発。ユーロドルが安値圏からの反発基調となったことでドルインデックスは高値圏からの調整が進行。これがNY金の下値をサポートしたものの前日からの反発基調はそれほど進行せず、1270ドルをはさんでの小幅揉み合いに終始。この日の値幅4.7ドル(0.37%)は昨年8月7日(4.3ドル、0.34%)以来10カ月ぶりの小動きで今年の年間平均13.7ドル(1.03%)の約3分の1。短期トレンドの下値目安1250ドル台に対しては前日安値1262.4ドルまででいったん区切りをつけて一服状態となった様子も。対ドルでのユーロの反発基調が続けば、追随する展開にも。
週間では-7.8ドル(0.61%)で続落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/5/18 - 6/22NYプラチナ相場は+10.1ドル、+1.17%の大幅反発。4日連続で前日比1%超の上下動となる乱高下状態でセリング・クライマックスを示唆する可能性も。時間外には小幅保ち合い下限となる860ドルを一時的に、わずかに割り込んで857.6ドル。2016年2月3日(852.0)以来2年4カ月半ぶりの安値水準が今回の下値トライ局面の大底となった可能性を残して反発。ほぼ一本調子で買い戻される展開となり、NY引け後には870ドル台後半へ。週をまたいでこの水準以上を維持できるなら上昇局面形成へと向かう可能性が高まり、今年最高値から最安値までの23.6%戻し(899.1)、6月半ばの急落前の保ち合い下限付近までが当面の上値目標に。
週間では-14.5ドル(1.63%)で3週続落。

ドル円・日足チャート 2018/5/21 - 6/22ドル円は前日からほぼ変わらず109円90銭台での横ばい推移。東京市場での110円をはさんでの揉み合い状態から、欧州序盤には米10年債利回り上昇にも連れて110円20銭まで上昇。200日移動平均線(110.23)との攻防を経てNY市場ではトランプ米大統領の「EUからの自動車輸入に20%の関税を課す」ツイートを受けて109円80銭まで急落。小幅保ち合い下限となる110円ラインを回復できないまま越週。週明けも110円にとどかない状態が続けば徐々に下押し圧力が強まることも予想され、月末の米経済指標結果や通商リスク(トランプリスク)などをきっかけにドル安円高が加速しやすい状態となり、当面の下値目安は5月末安値圏108円台前半へ。200日移動平均を超えて110円台後半へと切り返す展開となれば形成逆転も。
週間では-0.69円(0.62%)で4週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/22終値とチャート

2018年6月23日(土)時点の相場
国内金4,809 円 6/22(金) ▼23(0.48%)
国内プラチナ3,276 円 6/22(金) ▼38(1.15%)
NY金1,270.7 ドル 6/22(金) ▲0.2(0.02%)
NYプラチナ873.3 ドル 6/22(金) ▲10.1(1.17%)
ドル円109.97 円 6/22(金) ▲0.03(0.03%)

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