金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ユーロとともに対ドルでの売り基調続く金

更新日:2018年6月21日(木)

NY金とユーロドル 2018年6月20日ECB理事会直後にはユーロが対ドルで急落したのに対して金は対ドルで反発。ユーロドルとNY金は逆行の兆しとなっていましたが、翌15日にはNY金の急落で帳尻合わせ。再びユーロと金は対ドルでの軟調推移で連動状態となってきました。

この日はドルインデックスが一時11カ月ぶり高水準へと上昇し、ユーロドルは5月末につけた10カ月ぶり安値圏となる1.15ドル台前半を試す動きとなり、これに追随するようにNY金も今年安値を更新してきました。

ドル高の背景にはやはり金融政策の乖離が大きく作用し、FRBの利上げフェーズが着々と進行しているのに対し、ECBが政策金利引き上げ見通しを来年夏まで先送りしたことがユーロ安・金安・ドル高基調を推進しています。

ポルトガルのシントラで開催されたECBの年次フォーラムでは、パウエルFRB議長が「雇用市場はより強くなり、賃金の伸びを支える」ことになるだろうとし、引き続き「利上げを継続する根拠が強い」状況であると、現状の政策推進に自信を見せる発言をしています。

一方のドラギECB総裁も「賃金の上昇が弱い理由はたくさんある」としながらも「賃金上昇を抑制する要因も徐々に終わりに近づいている」とし、「インフレ率が目標に向かっていることに自信がある」と強がってみせました。
しかし、ノボトニー・オーストリア中銀総裁は「ユーロはドルに対して下落する可能性」があるとのストレートな見方を示し、「ユーロドルの下落は、欧米の金融政策の差」であり「政治情勢がEUの金融安定にとっても脅威」であると、イタリア政局や、移民政策を巡って連立政権に亀裂が生じているドイツの政局不安なども懸念材料であることを示しています。

ユーロドルが安値更新へと向かうようなら、NY金のもう一段の下落も予想される状況です。

NY金・日足チャート 2018/5/16 - 6/2020日のNY金相場は0.32%安で小幅続落。12月21日(1270.6)以来、半年ぶりの安値水準。ユーロ安主導のドル高傾向に伴う軟調な流れは続き、1270ドル台での揉み合い状態となりNY市場では1270ドル後半へと上昇後、引け後にかけて一時1270ドル割れへと下落。先週末の急落後もジリジリと水準を切り下げる動きとなり、今朝の時間外では1270ドルラインでの攻防状態に。下値目標1250ドル台に向けてもう少しの下げ余地も。

NYプラチナ・日足チャート 2018/5/16 - 6/20NYプラチナ相場は9.2ドル、1.06%の大幅高となって4日ぶりの反発。時間外では一時860ドル割れ、NY市場では870ドル台半ばまで反発し、前日の大幅安からの反動で半値戻し。2016年1月安値811.4ドルに向けての流れはいったん下げ止まりの可能性を示す形となったものの、今朝の時間外では再び870ドル維持をかけた攻防に。860ドルラインが目先の下値サポート水準となり、あらためて割り込むようだと下値トライ再開で840ドル台辺りまでが次の下値目安に。

ドル円・日足チャート 2018/5/17 - 6/20ドル円は30銭弱、0.26%のドル高円安となって4日ぶりの反発。東京市場で109円80銭台まで下げた後は110円をはさんでの保ち合い推移、NY序盤には再度110円を割れる場面もあったものの、米中貿易戦争懸念一服となり、パウエルFRB議長のタカ派発言などにも支えられて200日移動平均線(110.23)を突破して110円40銭台までドル高円安基調が進行。今朝の東京市場では110円40銭台突破をかけた攻防に。目先は110円ラインがサポート水準となりつつあり、ドル高方向には110円後半までが主要レンジに。上抜けできれば5月末起点の上昇トレンド回帰の可能性が高まり、次の上値目標は昨年11月から今年3月安値までの76.4%戻し(112.35)付近。逆に110円を完全に割れると5月安値圏となる108円台前半までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/20終値とチャート

21日の国内金価格は前日から変わらず。3月23日(4821)以来3カ月ぶりの安値水準での横ばい推移。90日移動平均線(4908)の下で推移する9日移動平均線(4894)が21日移動平均線(4894)をデッドクロスしつつあり、負のパーフェクトオーダー完成でもう一段の下押し圧力となる可能性も示唆。今年安値4792円近辺を目標に下落基調継続へ。

プラチナ価格は+24円、+0.73%となって4日ぶりの反発。前日の急落で3300円割れを達成したことにより、9年4カ月ぶり安値水準からの自律反発。NYプラチナとともに下げ止まりへの可能性も示す形に。反発への目安としては年初からの下落幅の23.6%戻し3421円近辺を回復できるかどうか。3290円を割れた場合には3250円前後までが次の下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/21とチャート

2018年6月21日(木)時点の相場
国内金4,832 円 6/21(木) +-0(0.00%)
国内プラチナ3,314 円 6/21(木) ▲24(0.73%)
NY金1,274.5 ドル 6/20(水) ▼4.1(0.32%)
NYプラチナ874.1 ドル 6/20(水) ▲9.2(1.06%)
ドル円110.34 円 6/20(水) ▲0.29(0.26%)

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