金プラチナ短期相場観

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コアPCEは4カ月連続2.0%で安定推移、9月は若干の加速も

更新日:2018年9月29日(土)

PCEデフレーターとNY原油 2018年8月米商務省が発表した8月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年同月比+2.2%。食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+2.0%。いずれも市場予想どおりでPCEは7月の+2.3%から0.1%の減速、コアPCEは4カ月連続+2.0%の横ばい。今週のFOMCでの今年末見通し中央値、PCEは2.1%を超え、コアPCEは2.0%に到達した状態での安定推移が続きます。

内訳では商品価格が7月まで3カ月連続の前年比+1.4%から8月は+1.0%に減速、サービス価格は+2.8%で横ばい、今年2月以降は2.5%以上の水準での推移が続きます。
また、エネルギー関連サービスの価格は7月の+13.4%から8月は+11.3へと減速しており、これがPCEの減速に影響した模様です。
なお、コアPCEも小数点以下2桁で見ると、5月以降1.98%、1.95%、2.02%、と続き8月は1.96%へと小幅に減速しています。

NY原油の月間平均価格も7月の70.58ドルから8月には67.85ドルへと小幅に下落していました。
PCEとNY原油の月間平均価格との24カ月相関係数は8月時点で0.84と強い相関関係を示します。PCEとコアPCEとの24カ月相関係数は8月時点で0.67と若干見劣りしますが相関性は強め。
9月のNY原油の月間平均価格は70.08ドルへと再上昇していることから、9月のPCEも再び加速する可能性も高まり、コアPCEも若干の連れ高となって2.00%超へと再加速となる可能性もありそうです。

ただし、今後に向けてはトランプ米大統領の「原油価格をすぐに引き下げるべき」とのOPEC攻撃もあり、NY原油価格のさらなる上昇も見込まれ難い状況でもあります。
そうなるとコアPCEは2.00%近辺での安定推移継続も予想されます。
トランプ大統領の協力によって、PCEインフレの低位安定推移が続けば、FRBは中立金利を超えてさらなる利上げを急ぐ必要もなくなります。

NY金・日足チャート 2018/8/24 - 9/2828日のNY金相場は8.8ドル高で3日ぶりの反発。前日の急落後は1180ドル台後半で下げ渋り、安値1184ドル台も一時的。8月17日以来、1カ月半ぶりの安値をつけたことで売り圧力は一服。イタリアの財政赤字GDP比2.4%の予算案を巡ってユーロ売りが進行後、NY市場ではユーロ高ドル安へと巻き戻されたことにもサポートされ、1190ドル台へと急反発。前日急落分の大半を取り戻す形となって一時1200ドル手前まで上昇。二番底トライと今年安値更新への可能性も警戒された流れは1180ドル台半ばまでと控えめな水準で終えた可能性も浮上し、保ち合い下限を1190ドル台から1180ドル台へと10ドルほど下方拡大した状態に。ただし、あらためて下限割れとなれば今年安値1170ドル前後が下値目標に。
週間ベースでは-5.1ドル(0.42%)で3週間ぶりの反落。月間では-10.5ドル(0.87%)で6カ月続落。6カ月続落は少なくとも2002年以降では最長。

NYプラチナ・日足チャート 2018/8/24 - 9/28NYプラチナ相場は1.5%の大幅反発で820ドル台を回復。金と同様に時間外は810ドル台前半での揉み合い状態で下げ渋り、NY午前の反発局面では一時820ドル台後半まで上昇。800ドル前後までの下値目標に対しては2日連続で810ドル割れを2度試した程度で終え、50日移動平均線(810.1)にもしっかりサポートされての保ち合い回帰。ただし、NY引けにかけては820ドル割れへとやや反落基調で週末。当面のサポート水準となり得る810ドルを再度割り込むようなら790ドル付近までが下値目安にも。
週間では-7.2ドル(0.87%)で3週ぶりの反落。月間では+35.3ドル(4.48%)となり、4カ月ぶりの反発、1月(+70.1ドル、7.5%)以来8カ月ぶりの上げ幅。

ドル円・日足チャート 2018/8/27 - 9/28ドル円は30銭ほどのドル高円安で続伸。昨年11月8日(113.87)以来、ほぼ11カ月ぶりのドル高円安水準に。日経平均の一時27年ぶり高値をつける堅調推移にも連れて113円60銭台まで上昇した東京時間には高値圏での保ち合い推移、東京終盤から欧州朝にかけては日経平均の失速とイタリア予算案を巡るEUとの対立懸念などからリスク回避の円高で113円30銭台まで下押し。NY市場では株高の流れと米10年債利回り上昇にも連れて円安の勢いが強まり、113円70銭近辺まで再上昇。年初来の騰落状況としてはプラス転換し、3年ぶりのドル高円安となる可能性を示し始めたものの、年間変動値幅はこの日までで9.04円にとどまっており、1973年の変動相場制移行後で最小。短期的には上値目標113円台後半に達しており、RSIも79.1と過熱感も高まっていることから一服感も生じやすいところだが。
週間ベースでは+1.10円(0.98%)で3週続伸。月間では+2.61円(2.35%)で反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/28終値とチャート

2018年9月29日(土)時点の相場
国内金4,620 円 9/28(金) ▼21(0.45%)
国内プラチナ3,162 円 9/28(金) ▼43(1.34%)
NY金1,196.2 ドル 9/28(金) ▲8.8(0.74%)
NYプラチナ822.4 ドル 9/28(金) ▲12.1(1.49%)
ドル円113.70 円 9/28(金) ▲0.29(0.26%)

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