金プラチナ短期相場観
株価は調整局面入り、金とプラチナは反発局面入り?
更新日:2018年10月29日(月)
NYダウは10月3日にNY終値ベースで今年高値(過去最高値)をつけた後、急速に調整局面が進行し、24日終値では3カ月半ぶり安値となりました。この間の下落率は8.37%。一般的に調整局面入りとも言われる高値からの下落率10%はまだ超えてはいません。
しかし、ハイテク株の下落が大きく影響したNASDAQの今年高値(=過去最高値、8月29日)からの下落率は10月24日までに12.35%となり、10%を超えています。
同様にドイツDAXでは1月の過去最高値から10月24日までの下落率は17.46%、英FTSEでは5月に過去最高値をつけて10月26日までの下落率が11.91%。
日経平均も10月2日につけた約27年ぶり高値から26日までの下落率は12.72%。
上海総合指数に至っては1月につけた2年ぶり高値から10月18日までの下落率は30.03%に達し、下落局面が進行しています。
日米欧主要株価指数では、ほぼ調整局面入り。ダウだけがその目安10%手前の攻防状態にあり、世界同時株安継続か終息か、その鍵を握りそうです。
今週の米主要経済指標に加え、アップルの決算がその行方を大きく左右することにもなりそうです。
金価格に当てはめてみると、NY金は1年半ぶり高値をつけた1月から8月までの下落率が13.13%。その後反発し、10月23日までの上昇率は4.46%。
NY金は今年、年初から夏にかけて調整局面を形成し、足下では反発局面入りの可能性を示す状況とはなっています。仮に反発局面入りを上昇率10%とした場合、NY金はその水準には程遠いレベルにとどまっています。
プラチナは今年1月に11カ月ぶり高値をつけ、8月までの下落率は25.21%に達していました。その後は10月16日まで9.69%の反発となっています。
プラチナの場合は今年、調整局面というよりは下落局面が継続して一段安となりました。今年に限れば、反発局面入りの目安10%目前での攻防状態となっています。
為替が今年は行って来いの展開となっているため、国内金プラチナ価格の推移もNY価格に追随する展開となっています。
国内金価格は1月から8月までの下落が13.05%、その後10月24日までの上昇率は6.89%。
プラチナ価格は1月から8月まで24.25%下落し、10月3日までに11.92%の上昇率。ただし足下では上げ渋る状態が続きます。
8月のいったん底入れ後の上昇局面では、金価格に先行する形で上値を伸ばしてきたプラチナ価格は、NY市場でも国内価格でも重要な水準にさしかかってきているようです。
29日の国内金価格は-15円、0.31%の反落。週明け東京市場朝は日経平均の大幅反発にも連れてドル円が112円台回復を試す展開となり、ドル高優勢で時間外のNY金は1230ドル台半ばから前半へとやや軟調スタート。4760円台で上値を押さえられる展開が続いていた国内金価格は、6月高値4957円から8月安値4458円までの61.8%戻し(4766)をほぼ達成したことによる一服感からいったんは調整局面入りの様相にも。4770円が目先の抵抗水準となる可能性があり、9日移動平均線(4748)にサポートされるかどうか。もう一段の調整進行なら21日移動平均銭(4709)がサポート候補にも。切り返して4770円を突破することができれば再度4800円台トライへも。
プラチナ価格は+13円、0.41%高となって3日ぶりの反発。時間外のNYプラチナは830ドル半ばから後半へとわずかに堅調推移スタート。おそらく一時的とは思われるものの、金とは逆行する展開となり、軟調な流れが続くなかでも3180円台では意外と底堅く下げ渋る状態。概ね保ち合い推移のなかでは日々の値動きが逆行することもあるものの、方向感が醸成され始めることになれば、金との方向感は同一方向にも。目先、抵抗線となる9日移動平均線(3207)と21日移動平均線(3215)を上抜けることができれば反発基調再開となりやすく、3400円台トライへと向かう流れとなる可能性も。金価格の調整局面継続に追随し、3180円台を維持できなくなれば一段安の展開となって下値目安は3050円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格10/29とチャート
- 2018年10月29日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,748 円 10/29(月) ▼15(0.31%) 国内プラチナ : 3,201 円 10/29(月) ▲13(0.41%) NY金 : 1,235.8 ドル 10/26(金) ▲3.4(0.28%) NYプラチナ : 834.4 ドル 10/26(金) ▲2.5(0.30%) ドル円 : 111.90 円 10/26(金) ▼0.45(0.40%)
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