金プラチナ短期相場観
反落すべくして反落した金、反発すべき水準で反発できるか
更新日:2018年11月12日(月)
今年1月高値5127円から8月安値4458円までの半値戻し(4793)を達成した国内金価格は、1週間前の4812円が直近ピークとなって反落の勢いが強まる状態となってきました。
この直近ピークとなった水準は、今年1月から高値水準を切り下げてきた抵抗線にぶつかる形にもなっていました。さらに200日移動平均線(4809)も重なり、強めの抵抗水準を形成していたことにもなります。
そして、8月以降の上昇チャネル上限にも達していたことから、国内金価格は反落すべくして反落した状態、とも言えそうです。
一目均衡表の遅行線は、価格ラインが抵抗帯となって上値を押さえられてきた今年前半から、価格ラインにサポートされる状態へと切り替わり、上昇トレンドを維持する状態は続きます。目先は遅行線とともに価格ラインも調整余地を残す状態でもあり、4714円で水平状態にある基準線の辺りまでの調整で切り返すことができれば、上昇チャネルを維持することになります。
次に上値トライの展開となった場面では、集中していた複数の抵抗水準もバラけることにもなり、4800円の大台ラインを再度上抜けていく場面も想定しやすくなるかもしれません。
今度は、反発すべき水準で反発できるかどうかが、中期トレンド維持に向けてのポイントになりそうです。
12日の国内金価格は先週末比-45円、0.94%の反落。金曜日にNY金が1210ドル割れへと急落後、週明け時間外では1210ドル台へと下げ渋る状態、為替も1ドル=113円90銭台へと若干の円安基調で東京市場をスタートしていることで国内金価格の下落幅もやや緩和された状態。ただし、短期的な流れは調整局面入りの様相にもなり、9-21日移動平均線(4760)もまとめて下抜け。目先、4720円台まででサポートされれば4810円台の上限までのレンジで保ち合い形成へ。NY金が下げ幅拡大へと向かうようだとレンジが崩れる可能性もあり、4720円割れなら下値目安は4630円台辺りまで。
国内プラチナ価格は今年3月から6月までの3カ月間保ち合い状態が続きましたが、その後大きく水準を下げる展開となっていました。足下の急騰局面では、6月までの保ち合い下限となる3400円の大台ラインが抵抗水準となって上値を押さえられた格好です。金と同様に8月以降の上昇チャネル上限にもぶつかった形にもなり、調整局面入りは妥当な展開とも言える状況です。
保ち合い状態での横ばい推移と急落、急騰で相場を形成することが多いプラチナの場合、遅行線が価格ラインにぶつかるタイミングで大幅変動が生じやすいという特徴もあります。
仮に、この先保ち合い推移が続いた場合、約1カ月後には遅行線が価格ラインにぶつかることになり、価格ラインは上昇チャネルのサポートラインにぶつかることになります。ちょうど12月FOMC前のタイミングで、現状トレンド維持なら急騰へ。そうでなければ急落の展開を警戒しなければなりません。
12日のプラチナ価格は-28円、0.83%の続落。週明け時間外のNYプラチナも850ドル台半ばから後半へと下げ渋りの状態となっていることにもサポートされ、国内プラチナ価格の下落幅もやや控えめに。ただし短期上昇トレンドの勢いは大きく後退し、先週安値3359円をわずかに下回ったことで調整局面がもう一段進行する可能性も。NYプラチナがもう少しの下落余地を残した状態で反発できれば、3400円の大台ラインを上限に高値保ち合い継続から上値トライ再開のチャンスをうかがう展開にも。調整局面進行となれば3300円の大台ライン近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格11/12とチャート
- 2018年11月12日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,754 円 11/12(月) ▼45(0.94%) 国内プラチナ : 3,352 円 11/12(月) ▼28(0.83%) NY金 : 1,208.6 ドル 11/9(金) ▼16.5(1.35%) NYプラチナ : 856.0 ドル 11/9(金) ▼14.3(1.64%) ドル円 : 113.82 円 11/9(金) ▼0.24(0.21%)
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