金プラチナ短期相場観

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予想外のPPI上振れでインフレ失速回避、金は急失速?

更新日:2018年11月10日(土)

生産者物価指数(PPI)2018年10月米労働省が発表した10月の生産者物価指数(PPI)は予想外の上振れ。
前年比では+2.9%となり、市場予想の+2.5%を大幅に上回り、3カ月ぶりの水準へと急反発。食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+2.6%となり、+2.3%予想を大きく上回って2カ月続伸でこれも3カ月ぶりの水準に。食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコアPPI2では前年比+2.8%となって9月の+2.9%からは低下したものの、過去最高水準付近を維持。

サービス価格の上昇などに下支えされ、夏場のピーク水準からの失速基調がもう一段進行するのでは、と見ていた市場予想を裏切り、インフレ失速を回避する格好となりました。
次週発表される消費者物価指数(CPI)でもPPIと同様に夏場のピークから9月には失速状態となっていただけに、インフレ基調に伴う今後の利上げ見通しへのサポート要因となり、この日も一時的ながらもドル高を支え、金の急失速を誘発する結果となりました。

ただし、この日は中国の生産者物価指数(PPI)も発表されており、こちらは前年比+3.3%で4カ月連続の伸び率低下となっています。米中貿易戦争による影響が懸念される状態が続いています。

また、サウジの記者殺害事件以来、下落基調が続くNY原油価格はこの日まで10日続落となり、10月初旬につけた今年高値76ドル台から60ドルまで下落。3月以来8カ月ぶり安値水準となってピーク水準からの下落率は21%を超えています。

さらに、この日発表されたミシガン大調査による1年後の予想インフレ率は10月の2.9%から11月には2.8%へと低下。今年6月と8月に3.0%と3年3カ月ぶり高水準となった後は低下傾向となり、市場のインフレ期待値は減速の兆しとなっています。


NY金・日足チャート 2018/10/8 - 11/99日のNY金相場は16ドル超、1.35%の大幅続落。10月8日(-17ドル、1.4%)以来1カ月ぶりの急落となり、10月10日(1193.4)以来1カ月ぶりの安値水準に。1220ドル付近で揉み合いながらも下げ渋る状態から、NY朝には米10月PPIが予想を上回るインフレ基調を示したことで売り圧力が強まって10ドル超の急落、1210ドル割れ。NY引け後には1210ドル付近へとわずかに買い戻されたものの、1210ドル台のサポート水準を割り込んだことで下値トライへの流れが強まる状況に。
当面の下値目安としては今年安値圏1180ドル近辺再トライへ。ただし、1200ドルの大台ライン付近は強めのサポート水準として作用する可能性も残される状況。また、最近の傾向として8月半ばの急落以降は大陽線の直後は伸び悩んで反落へ、大陰線の直後は反発へと切り返すパターンが繰り返され、トレンドを形成しきれない状態。この状態が続くなら、今回もいったんは反発となる可能性も。
週間ベースでは-24.7ドル(2.0%)の大幅続落。下げ幅としては8月13日からの週(-34.8ドル、2.85%)以来、3カ月ぶりの大幅下落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/10/8 - 11/9NYプラチナ相場は-15ドル弱、1.6%強下げて大幅続落となり、10日ぶりの安値水準に。時間外から軟調な流れとなって高値保ち合い下限の860ドル半ば割れを試す展開となり、NY朝には金の急落に連れる形で水準を切り下げ、860ドル割れ。高値保ち合いを維持できず調整局面入り、下値目安840ドル台までもう少しの下げ余地を残す状況に。なお、840ドル付近は比較的強めのサポート水準となる可能性もあり、ここを割りこむようだと8月以降の中期反発局面が崩れてしまうことにもなり、820ドル付近が次のサポート水準候補に。
週間ベースでは-19.7ドル(2.25%)と大幅反落。8月13日からの週(-52.3ドル、6.3%)以来、3カ月ぶりの下げ幅。

ドル円・日足チャート 2018/10/8 - 11/9ドル円は20銭超のドル安円高となって4日ぶりの反落。短期上値目標114円近辺到達に伴う一服感と週末も重なり、ゆるやかな調整局面を形成。東京朝の114円ちょうど付近が高値となってNY市場での113円60銭台まで、揉み合いながらもジリジリと水準を下げる展開に。10月PPI上振れ後には114円手前まで反発する場面もあったものの、株安と米10年債利回りが3.2%割れへと低下した流れにも連れて調整局面継続の様相に。
日足レベルでは10月末以降の短期上昇トレンドを維持しており、ドル高地合いと金利の高止まりも続く状況からは、目先113円台半ばを維持することができれば強気相場継続も。再度114円台へと反発することになれば今年高値114円50銭台を試す展開にも。
週間ベースでは+62銭(0.55%)で続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/9終値とチャート

2018年11月10日(土)時点の相場
国内金4,799 円 11/9(金) ▲3(0.06%)
国内プラチナ3,380 円 11/9(金) ▼17(0.50%)
NY金1,208.6 ドル 11/9(金) ▼16.5(1.35%)
NYプラチナ856.0 ドル 11/9(金) ▼14.3(1.64%)
ドル円113.82 円 11/9(金) ▼0.24(0.21%)

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