金プラチナ短期相場観

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FRBハト派転換と米中関係改善期待からNYダウは85%戻し

更新日:2019年2月26日(火)

2018年高値からの下落率と戻し率 2019年2月25日NYダウは昨年10月3日につけた過去最高値26828ドルから、12月24日には21792ドルまで、-18.77%下落して反発すると2月25日時点で26091ドル。下落幅に対する反発値幅は85.38%に達し、全値戻しと過去最高値再更新も視野に入ってきました。
同様にナスダックは8月の史上最高値8109ポイントから12月安値6192までの下落率は-23.64%となり、20%を超える弱気相場入りとなっていましたが、ここから2月25日の7554までの戻し率は71.03%に達しています。

ドイツDAXも2018年につけた過去最高値から年末までの下落率は20%を超え、反発に転じましたが、その下落幅のうちの35.36%戻しにとどまっています。ドイツ景気の減速が足を引っ張っているようです。
英FTSEは過去最高値からの下落率は-16.41%にとどまり、弱気相場入りを回避し、今年にかけての反発値幅は半値戻しを達成しています。英国のEU離脱を巡る迷走ぶりからは、かなりの楽観ムードのようにも見えます。
米中貿易交渉の行方に警戒感も漂う日中株の45-46%戻しは、米株に比べて大きく見劣りしますが、ドイツ株の戻りを上回り、ある意味妥当な水準なのかもしれません。

なお、NY金価格の戻りは米株を上回る91.62%に達し、昨年高値に接近していることからも、上値が重くなりやすい状況にもなってきました。
NY原油は昨年最も下落率が大きくなり、今年は順調に回復基調が続きましたが、トランプ大統領の「原油は高すぎる」発言に戻りを押さえられています。

金を除けば米株の戻りが強いのは、FRBのハト派転換と米中交渉の改善期待、これらを牽制、推進するトランプ発言の効果もあるのかもしれません。
クラリダFRB副議長 は、FRBとしては「雇用とインフレ」の二大責務のほかに「世界経済」も重要視していると発言しました。
しかし、最近のFRBはそれ以外にも、「米株」と「トランプ大統領」も重視しているようにも見えます。

NY金・日足チャート 2019/1/18 - 2/2525日のNY金相場は-3.3ドル、0.25%の反落。1330ドル台前半での小幅保ち合い推移が続き、トランプ米大統領が対中関税引き上げ延期を表明したことを好感した株高とドル高の流れが強まったNY午後にはわずかに水準を切り下げて1330ドル割れ。今年の平均値幅11.0ドルに対してこの日の値幅は7.6ドルにとどまる小動きとなり、調整方向への流れが若干強まるなかでも底堅く推移。1350ドルの節目ラインが当面の抵抗水準となり、下値は1320ドル台、右肩上がりの20日移動平均線(1320.7)近辺まででサポートされるかどうか。ここを割れると調整局面拡大となり、1300ドルの大台ライン付近までが次の下値目安にも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/1/18 - 2/25NYプラチナ相場は+7.7ドル、0.91%の続伸。昨年11月19日(857.6)以来、3カ月ぶりの高値水準となり、短期上値目標850ドル台にも到達。買われ過ぎ状態が続き1500ドル台へと過去最高値を切り上げたパラジウムの勢いにも牽引されるように、昨年11月の戻り高値水準を回復したこともあり、上昇一服ともなりやすいところ。やや行き過ぎの展開が続けば11月高値880ドル近辺が意識される可能性も。

ドル円・日足チャート 2019/1/22 - 2/25ドル円は30銭ほどのドル高円安となって111円台へと上昇、12月26日(111.31)以来2カ月ぶりのドル高円安水準に。東京時間にはトランプ米大統領の対中関税引き上げ延期表明を好感しての上昇も110円90銭を超えられず、逆に米中貿易協議での新たな不確実性が指摘されるなどの報道もあり、110円50銭台まで下押し。しかし、トランプ米大統領が3月の習近平国家主席との会談で新たな通商合意に署名する可能性を示唆したことなども好感され、NY時間には株高とドル高の流れが強まり、リスクオンの円安基調ともなって一時111円20銭台まで上昇。今朝の東京市場では111円割れへと失速し、111円の保ち合い上限ライン上抜けを維持できなかった状態にも。ただし、一度しっかりと上抜けたことで抵抗感は後退、今晩のパウエルFRB議長の議会証言や米指標などをきっかけに上値トライ再開となれば、111円台後半から112円付近まで上値を伸ばすような展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/25終値とチャート

26日の国内金価格は+5円、0.1%の小幅続伸。NY金の下げ渋りと円安サポートに支えられて5030円から5090円台までの高値保ち合いレンジ半ばを維持。短期サイクル的には上昇トレンド終盤を迎えている可能性は高く、目先はある程度の調整局面か、もしくは保ち合い推移の展開へと移行しやすい状況にも。高値保ち合いレンジを維持できなくなり、下方向へと抜け出せば5000円の大台を割れて4970円程度までの調整は進行しやすい状況にも。

プラチナ価格は+37円、1.15%の大幅続伸。NYプラチナの一段高と円安のダブルサポートで昨年11月28日(3272)以来、3カ月ぶりの高値水準に。NYプラチナの一服感にも連れる形で多少の調整は入りやすいところ。ただし、円安にサポートされる可能性もあり、中期的には11月後半の保ち合い水準3300円までが抵抗水準とならなければ11月上旬高値圏3350円台も視野に。
※参考:金プラチナ国内価格2/26とチャート

2019年2月26日(火)時点の相場
国内金5,061 円 2/26(火) ▲5(0.10%)
国内プラチナ3,258 円 2/26(火) ▲37(1.15%)
NY金1,329.5 ドル 2/25(月) ▼3.3(0.25%)
NYプラチナ853.6 ドル 2/25(月) ▲7.7(0.91%)
ドル円111.03 円 2/25(月) ▲0.34(0.31%)

2/25(月)のその他主要マーケット指標

住宅価格も頭打ち、米住宅市場は減速基調も 2/27(水)

FRBハト派転換と米中関係改善期待からNYダウは85%戻し 2/26(火)

国内金価格5000円台6日連続は過去6位タイ 2/25(月)

ドイツIFO企業景況感は全業種で減速基調 2/23(土)

ユーロ圏も節目50割れ、2月製造業PMIは縮小方向へ 2/22(金)


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