金プラチナ短期相場観

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逆イールドへの過剰反応からの巻き戻し

更新日:2019年3月27日(水)

CMEフェドウォッチ2019年末予想と米10年債利回り 2019年3月26日イエレン前FRB議長は週明け、米国債のイールドカーブがフラット化していることについての見解を示し、今回の「逆イールドによって米国が景気後退入りする可能性が特に大きくなったとは思わない」と発言。ただし、景気後退ではなく「ある時点で利下げを行う必要性」を示している可能性を指摘しました。

これを受けてCMEフェドウォッチの年内利下げ確率が急騰しています。
先週末からの米10年債利回り急低下とともに、年内据え置き予想は25日に27%まで低下。1回の利下げ予想は41%までの上昇にとどまっていますが、利下げ2回(0.50%利下げ)が23%、利下げ3回(0.75%利下げ)も6.5%、利下げ4回(1.00%利下げ)も0.9%。1回以上の利下げ予想合計は72%まで上昇しています。

逆イールドへの過剰反応とも言える状況となった週明けまでの株安円高の流れは26日にかけて巻き戻しの流れに、米10年債利回りも週明けの2.4%割れから26日には2.4%台へと反発。
これに呼応するように年内1回以上の利上げ予想も66%へと低下。利下げの可能性に言及したイエレン発言への過剰反応も巻き戻しの兆しとなってはいます。

今朝には、利上げを続けてきたパウエルFRB体制批判論者でもあり、先週トランプ大統領が指名したFRB理事候補のスティーブン・ムーア氏が「FRBは直ちに0.50%の利下げをすべき」と発言したことも伝えられています。
ムーア氏がFRB理事に就任することになれば、今後のFOMCでのドットチャートにも下方圧力が加わり、FRBのハト派転換が一段と進行することにもなりそうです。

逆イールドへの過剰反応からの巻き戻しは、もう少し続きそうな状況のようにも見えますが、利下げへの過剰反応からの巻き戻しは、それほど続かない可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2019/2/20 - 3/2626日のNY金相場は-7.6ドル、0.57%安で4日ぶりの反落。短期上値目標1330ドル台を目指した流れは、前日NY引け際につけた高値1324.5ドルまでで一服となり、目標水準に届かず失速、いったん調整局面に。米欧長期金利の低下基調一服となり、ユーロドルの軟調推移にも連れる形でドル高株高の流れにも押され、NY朝までに1210ドル台前半まで下落。ただし、先週までの保ち合い上限ライン1310ドルがサポートに切り替わった様子もあって下げ渋り。上下動を繰り返しながらも下値を切り上げる上昇トレンドは続いており、目先は1320ドル台が抵抗水準とならなければ再度上値トライで1340ドル付近を目指す展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/2/20 - 3/26NYプラチナ相場は+2.1ドル、0.24%の小幅続伸。時間外でつけた高値863ドルから850ドル付近まで10ドル強の急反落、NY朝には再度860ドル台へと急反発もまたも上値を押さえられる展開に。860ドル台は上ヒゲでは何度も試しながら、これを維持することができない強めの抵抗水準となってきた様子。ここを突破できれば今年最高値879.9ドル更新トライへ、突破できなければ徐々に戻り売り圧力が強まる展開にも。水平状態の20日移動平均線が位置する840ドル台のサポートを割れると820ドル台までの調整も。

ドル円・日足チャート 2019/2/20 - 3/26ドル円は50銭超のドル高円安となって続伸。米長期金利の反発や株高の流れでリスク回避の巻き戻し、ドル高円安の勢いが強まった欧州時間には110円70銭付近まで上昇。NY時間には米3月消費者信頼感指数が132.0の予想に対して124.1と下振れると110円40銭台まで反落。ただ下値も堅く、今朝の東京市場にかけては110円台半ばで保ち合い推移の展開に。短期下値目標110円前後を達成後の戻り局面形成となり、目先はいったん落ち着いた展開にも。上値は90日移動平均線(110.92)が意識され、下値は110円近辺が強めのサポートにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/26終値とチャート

27日の国内金価格はわずかに-1円、0.02%の小反落。円安にサポートされて下げ渋り、保ち合い上限付近が意識される水準での横ばい推移。しかし、中期上昇トレンド継続でも短期調整圧力がやや優勢の状態も継続。上方ブレイクとなる5020円超へと抜け出すにはNY金の上値トライ再開待ちか。サポート水準4970円までの水準を維持し、保ち合い推移が続けば徐々に地合い好転へも。

プラチナ価格は+15円、0.46%の続伸。1週間ぶりの高値水準となり、短期サポートラインを形成する9日移動平均線(3232)が21日移動平均線(3226)をゴールデンクロス。その下で推移する90日移動平均線(3149)は水平状態を維持し、中期的な力強さには欠ける状態も、短期的にはもう一段の上昇をトライする可能性も。3280円台後半以上へと抜け出せば、昨年11月高値圏3390円近辺までが次の上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格3/27とチャート

2019年3月27日(水)時点の相場
国内金5,006 円 3/27(水) ▼1(0.02%)
国内プラチナ3,280 円 3/27(水) ▲15(0.46%)
NY金1,315.0 ドル 3/26(火) ▼7.6(0.57%)
NYプラチナ859.8 ドル 3/26(火) ▲2.1(0.24%)
ドル円110.58 円 3/26(火) ▲0.54(0.49%)

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