金プラチナ短期相場観

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米貿易赤字は1月に大幅縮小、輸出入も減少傾向続く

更新日:2019年3月28日(木)

米貿易収支 2019年1月米商務省が発表した1月貿易収支は511.49億ドルの赤字。市場予想の570億ドルを下回り、10年2カ月ぶりの大幅赤字となった12月の599億ドルからは14.6%の大幅縮小。縮小幅は昨年3月以来10カ月ぶり。
輸出は前月比+0.9%と増加したのに対し、輸入が前月比-2.6%と大幅減となっています。
当初予定されていた関税引き上げを警戒して12月に輸入が2.1%増加していたことの反動減や、原油安なども影響した模様。

貿易赤字削減はトランプ政権の思惑どおりの方向も、解消に向けては程遠く、輸出入ともに減少傾向も継続しています。
輸入は2584.89億ドルとなり、過去最大となった10月の2672.32億ドルを下回る水準が3カ月続き、6月以来7カ月ぶりの低水準。
輸出は2073.4億ドルとなり、10カ月ぶり低水準となった12月の2053.93億ドルからは増加も、過去最大となった昨年5月2128.55億ドルからの減少傾向は続いています。

この傾向は対中国でも同様。
中国とのモノの貿易額は1月に344.7億ドルとなり、過去最大の赤字となった10月の431.03億ドルからは3カ月連続の縮小で7カ月ぶりの低水準。
中国からの輸入額では、過去最高となった10月の522.33億ドルから1月の416.04億ドルまで3カ月連続の減少。
中国への輸出額は、過去最高となったのが2017年12月の136.7億ドル。それ以降は減少傾向が続き、1月には71.34億ドル。水準としては2010年以来の低水準となっています。

ただし、過去最大を更新し続けてきた輸入額が3カ月連続で伸び悩む状態は、米国内の需要の強さを考慮すれば一時的となる可能性も高そうです。
その一方で輸出額が8カ月(対中国では1年1カ月)に渡って過去最大を更新できていない状況は、中国や欧州などでの景気減速が大きく影響している可能性も示します。

NY金・日足チャート 2019/2/21 - 3/2727日のNY金相場は-4.6ドル、0.35%の続落。米欧長期金利の低下基調再加速となり、欧州時間には米10年債利回りが一時2.37%割れ。ドル安も進行したことでNY金は一時1319ドル付近まで反発。しかし1320ドルが意識されて反落するとNY朝には1310ドル付近まで下落、NY引け後には1310ドル割れへと軟調推移。金利の低下基調は続くものの軟調推移の株価は下げ渋り、ドル高の流れも失速気味。方向感が定まり難い状況は金も同様で上昇トレンド中の調整局面を形成中。月末月初の指標見極めへと様子見状態の様相にも。1300ドルの節目を割れると2月高値を起点とする下落基調継続となって一段安へ、次の下値目安は1260ドル台辺りまで。切り返して1320ドル台後半以上へと上値を伸ばすことになれば、3月安値を起点とする反発基調継続で次の上値目標は今年高値圏1340ドル近辺へ。

NYプラチナ・日足チャート 2019/2/21 - 3/27NYプラチナ相場は-3.3ドル、0.38%安で3日ぶりの反落。860ドルをはさんでの保ち合い推移の展開から、NY朝には一時870ドルまで急騰も戻り売りで860ドル割れへと急反落。またしても860ドル台は維持できず、長めの上ヒゲを残す形となって下値トライへの警戒感も徐々に強まる状況にも。わずかに下降し始めた20日移動平均線(842.9)を割り込むようだと一段安の展開で次の下値目安は820ドル台まで。860ドル台維持へと切り返す形となれば今年高値更新トライへの可能性も。

ドル円・日足チャート 2019/2/21 - 3/27ドル円は110円50銭台でほぼ横ばい推移も小幅に下げて3日ぶりの小反落。110円50銭台を中心に保ち合い推移の東京市場引け後には前日高値をわずかに上回る110円70銭台まで上昇も、90日移動平均線(110.89)なども意識されて反落。欧州時間には米10年債利回り急低下にも連れて110円20銭台まで急落。NY時間にかけては米10年債利回りの下げ渋りとともに反発、米1月の貿易赤字縮小なども好感して110円50銭台を回復後は徐々にレンジを縮小。今朝の東京市場では米10年債利回りが2.34%台へと一段と低下、日経平均も300円超の続落スタートとなり円高の流れが強まって110円20銭台へ。目先は低下基調が続く90日移動平均線近辺までが抵抗水準となり、110円前後のサポート水準との攻防にも。今夜の米GDPや週末のPCEインフレなどがサプライズとなった場合には長期金利のさらなる低下とともにドル安円高加速も警戒され、109円90銭台を割れると109円前後までの一段安も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/27終値とチャート

28日の国内金価格は-36円、0.72%の続落。保ち合いレンジ下限4970円ギリギリで下げ止まった状態。保ち合い推移をギリギリ維持する状況も、もつれ合う9-21日移動平均線は下降し始める軟調方向優勢の状況にも。この水準を維持できなくなれば大幅調整局面入りの可能性、当面の下値目安は4900円割れ、4880円程度まで。下げ渋って5020円超へと反発できれば高値更新トライ再開、5100円台を目指す展開にも。

プラチナ価格は-23円、0.7%安で3日ぶりの反落。下値を切り上げる堅調推移で上昇トレンドは継続中、ただし短期トレンドは末期に近づいている可能性も。2度跳ね返された3280円台の抵抗水準を突破できればトレンド継続で一段高へ、今年高値更新で3350円台辺りまでが目標に。9-21日移動平均線(3235-3226)にサポートされなくなるとトレンド転換への流れにも。
※参考:金プラチナ国内価格3/28とチャート

2019年3月28日(木)時点の相場
国内金4,970 円 3/28(木) ▼36(0.72%)
国内プラチナ3,257 円 3/28(木) ▼23(0.70%)
NY金1,310.4 ドル 3/27(水) ▼4.6(0.35%)
NYプラチナ856.5 ドル 3/27(水) ▼3.3(0.38%)
ドル円110.51 円 3/27(水) ▼0.07(0.06%)

3/27(水)のその他主要マーケット指標

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米貿易赤字は1月に大幅縮小、輸出入も減少傾向続く 3/28(木)

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