金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米10年債利回り低下とともに年内利下げ予想も再上昇中

更新日:2019年4月26日(金)

CMEフェドウォッチ2019年末予想と米10年債利回り 2019年4月25日逆イールドにより米国が景気後退入りへと向かう可能性が取り沙汰され、CMEフェドウォッチでの年内利下げ予想が急増したのが3月末。
当時、年内利下げ1回以上の確率は70%超まで急上昇(1回が41%、2回23%、3回6%など)し、米10年債利回りは2.37%台まで低下していました。
その後、4月半ばにかけて利下げ予想確率は合計40%まで低下、米10年債利回りは2.6%付近まで上昇。
そして4月末を迎えた現在、利下げ予想確率は合計60%まで再上昇、米10年債利回りも2.5%付近まで再び低下してきました。

年内1回以上の利下げ予想確率の推移と、米10年債利回りの推移の90日相関係数は25日時点で-0.90台、かなり強めの逆相関を示す状態となっています。
3月にはFRBのハト派転換と中国や欧州の景気減速懸念による影響も懸念され、長期金利低下と利下げ確率上昇が急速に進行しましたが、3月末以降の欧州の一部や中国の指標改善などもあり、巻き戻しの流れとなりました。
しかし、ここに来て再びドイツや欧州の減速懸念が再燃の兆しともなり、各国の中銀も続々とハト派転換し、利下げ予想と長期金利も反転。

3月末のピーク水準まで、あるいはそれ以上に年内利下げ予想確率が高まり、米長期金利も低下していくのか否か、その分岐点をこの月末月初にも迎えることにもなりそうです。
30日には中国の官民の製造業PMI、1日には米国のISM製造業景況指数にFOMC、2日には各国の製造業PMI、3日には米雇用統計などが予定されています。

国内では新時代を迎えるお祝いムードにもなりそうな月末月初、米国の金融政策見通しの方向性確認とともに市場の波乱への警戒感も一段と高まる時期を迎えることになります。

NY金・日足チャート 2019/3/21 - 4/2525日のNY金相場は+0.3ドル、0.02%の小幅続伸。時間外では欧州時間にユーロ売りドル買いの流れが強まり、ユーロドルが一時約2年ぶり安値となる1.1110ドル台まで下落したもののNY金は1270ドル台後半で下げ渋り、NY朝には米新規失業保険申請件数が予想より弱かったことなどもあり、ユーロドルの買い戻しとともに1285ドル付近まで急上昇。しかし、これも続かず米10年債利回りの下げ渋りとともに元の水準へと行って来い。1270ドル台での小幅保ち合いとなり、上値は1280ドル台が重くなりつつあり、下落基調が続く20日移動平均線(1290.4)までが抵抗水準となりやすく、下値は1270ドルでいったんはサポートされた状態。サポート割れなら200日移動平均線(1253.6)近辺までを下値目標に一段安の展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/3/21 - 4/25NYプラチナ相場は+1.1ドル、0.12%の小幅高となり、4日ぶりの反発。ロンドン時間序盤には890ドル台を回復も、ユーロ安にも連れて反落するとNY朝には881ドルまで下落。10日ぶり安値水準でダブルトップのネックラインにも相当する重要な節目水準880ドル手前でなんとか持ち堪えた形となって890ドル付近まで反発し、上昇基調が続く20日移動平均線(887.6)割れも回避。サポート水準付近での攻防は続き、下抜けると3月末急騰前の水準840ドル台までを下値目安に一段安の展開へ。

ドル円・日足チャート 2019/3/22 - 4/25ドル円は50銭のドル安円高で反落、2週間ぶりの安値水準に。東京朝に112円20銭台まで上昇したのがこの日の高値となって戻り売り優勢へ、ユーロやポンド、新興国通貨などに対してドルが買われるドル高地合いにも円高の勢いが勝る状態に。黒田日銀総裁会見を経ても111円80銭近辺までで下げ渋っていたものの、NY朝には米指標発表後にドル売りの流れにもなり、一時111円30銭台まで下落。国内10連休を前に円高を警戒する向きもあって上値の重い状態となり、前日の陽線を陰線が包み込む包線となり、今年高値圏でのトレンド転換を示唆する可能性も。目先は111円台前半で軟調な展開も予想され、上振れ予想も見られる米1-3月期GDP速報値が期待はずれの結果となるようだと一段安の展開にも。111円前後のサポート水準を割り込んだ場合には1月末安値圏、108円台半ば辺りまでが下値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/25終値とチャート

26日の国内金価格は-20円、0.41%の反落。円高圧力が重石となり、右肩下がりの9日移動平均線(4922)と上昇基調の90日移動平均線(4929)にも上値を押さえられての上げ渋り。4900円前後をサポートに4930円までのレンジで保ち合いを形成する形で平成を終了。令和時代を迎えるタイミングで保ち合いを上抜けていた場合には、3月高値付近、5020円近辺まで水準を切り上げている可能性も。いっぽう、下抜けていた場合には1月末の急騰前水準4820円台辺りまで水準を切り下げている可能性も。
週間ベースでは-7円、0.14%安で3週続落。月間ではわずかに-3円、0.06%安で続落。4月の下落は6年ぶり。

プラチナ価格は-12円、0.35%安で4日続落。中長期の節目水準3400円と上昇基調を維持する21日移動平均線(3397)をなんとか維持して4月を終了。連休明けには想定以上の価格変動も警戒されるものの、想定可能な範囲としては下方向には3月末急騰前の保ち合い高値3280円近辺。上方向には今年高値3498円を上回るようだと昨年高値から安値までの76.4%戻し(3623)近辺まで。
週間ベースでは-82円、2.35%の反落。月間では+184円、5.71%の大幅反発。
※参考:金プラチナ国内価格4/26とチャート

2019年4月26日(金)時点の相場
国内金4,909 円 4/26(金) ▼20(0.41%)
国内プラチナ3,406 円 4/26(金) ▼12(0.35%)
NY金1,279.7 ドル 4/25(木) ▲0.3(0.02%)
NYプラチナ889.7 ドル 4/25(木) ▲1.1(0.12%)
ドル円111.59 円 4/25(木) ▼0.51(0.45%)

4/25(木)のその他主要マーケット指標

米1-3月期GDP上振れにもインフレ鈍化でドル高からドル安へ 4/27(土)

米10年債利回り低下とともに年内利下げ予想も再上昇中 4/26(金)

製造業低迷止まらず、IFOドイツ企業景況感は4月に再び低下 4/25(木)

ユーロ圏消費者信頼感指数4月も低下基調継続、ユーロ売りも継続 4/24(水)

シカゴ連銀全米活動指数、3カ月平均は2年10カ月ぶり低水準 4/23(火)


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