金プラチナ短期相場観

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中国貿易統計、4月は黒字縮小も対米黒字は拡大

更新日:2019年5月9日(木)

中国・貿易統計 2019年4月中国税関総署が発表した貿易統計によれば、4月の輸出総額は1兆3006.1億人民元、輸入は1兆2070.4億元。貿易収支は935.7億元の黒字。
前月比では輸出が-2.7%の小幅減(前年比では+3.1%)、輸入は+8.0%(前年比+10.3%)、貿易黒字は-57.4%と大幅縮小(前年比-44.0%)。
輸出は春節の影響で急減した2月(9223.7億元)を除けば、昨年4月(1兆2610.7億元)以来1年ぶりの低水準。
輸入は3カ月ぶり高水準。中国政府による道路・鉄道・港湾への支出拡大などの景気刺激策による内需の改善で輸入が増加した可能性が示されます。
この結果、貿易黒字は2月(+323.5)を除けば昨年3月(-346.5)以来1年1カ月ぶりの低水準。

2月の落ち込みは例年どおり一時的なものだったことが確認され、輸出入ともにそれなりの水準へと回復基調となっており、景気刺激策の効果もあって中国の景気はそこそこ好調を維持していることがうかがえる結果と見ることもできそうです。

なお、4月の貿易黒字はドルベースでは138.4億ドル。しかし、対米黒字は210億ドル。3月の205億ドルからも増加。米国向けの輸出は関税の影響もあり前年比-13%、米国からの輸入は-26%。
対米国では輸出入ともに前年比で減少も、全体ではいずれも増加しており、対米貿易減少分を他国との貿易でカバーする構図となっています。

中国の貿易黒字額は、トータルでは低水準にとどまりましたが、対米黒字は高水準での推移となっています。
トランプ米大統領の不満を煽る事態となり、追加関税実施に踏み切る材料の一つとなる可能性も警戒されます・・・

NY金・日足チャート 2019/4/3 - 5/88日のNY金相場は-4.2ドル、0.33%安となって4日ぶりの反落。前日までのリスク回避の流れは一服、しかし米中協議直前まで駆け引きも続く状況に市場の警戒感も継続。米国は中国からの輸入品2000億ドル相当への関税10%を10日午前0時1分から25%へ引き上げることを正式通知。これに対して中国はその1分後に報復関税を発動することを表明。時間外にジリ高推移となったNY金はNY朝には一時1290ドル超え、しかし「中国側から前向きな示唆があった」とのサンダース報道官発言を受けて米株反発の勢いが強まるとNY金は1280ドル付近まで急反落。「米中通商協議合意となって関税引き上げ合戦回避へ」とのシナリオのほうやや優勢のようにも見えるものの、そうならなければ、もう一波乱は必至か。1270ドルの保ち合い下限割れなら1240ドル台まで、1290ドル超えなら1310ドル台までが次の目標水準に。

NYプラチナ・日足チャート 2019/4/3 - 5/8NYプラチナは-9ドル、1.03%の続落。870ドルで下げ渋った時間外には880ドル付近まで反発して戻り売り、NY市場では870ドルを割れて860ドル台前半へと一段安。5月に入って右肩下がりに転じた20日移動平均線(888.6)が抵抗線となる形での軟調局面が継続、その一方でゆるやかに上昇する90日移動平均線(843.7)も意識されての保ち合い形成の様相にも。週末にかけて金に追随する流れとなって880ドルを上抜けできれば900ドル台を再度試しに行く流れにも。逆に850ドルを割り込むようだと一段安の展開で830ドル台までが次の下値目安に。

ドル円・週足チャート 2018/11/19 - 5/10ドル円は20銭程のドル安円高となって4日続落、3月22日(109.92)以来、1カ月半ぶりの安値水準に。東京時間午前の軟調な流れで午後には一時109円90銭まで下落してこの日の安値。以降は米中通商協議に向けての報道や思惑からの売り買い交錯、上値は110円20銭までで押さえられ、110円割れを何度か試すも109円90銭台では底堅さも。米中合意か協議再延期などで危機回避できれば現状の110円近辺が当面のサポートとなって反発へ。決裂でリスク回避の流れが強まるようだと下値トライ再開で1月末安値108円半ばまでが当面の下値目安に。なお、3月高値112円10銭台と4月高値112円40銭台とでダブルトップを形成する状態でもあり、ネックラインは3月安値109円70銭台。週末に向けてネックライン割れの場合、最大2円40銭程度の下落と仮定すれば107円30銭台も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/8終値とチャート

9日の国内金価格は-20円、0.41%安となって4日続落、1月25日(4836)以来3カ月半ぶりの安値水準。株安円高地合いは続き、下値目標4820円台に向けた流れが進行中。米東部時間10日午前0時1分は、日本時間10日の13時1分となるため、結果を反映するのは週明けに。波乱となれば円高進行による影響が大きく、リスク回避が収束方向に向かえば円安。今回のリスク回避局面での金買いは限定的となっていることから、収束時の金売りも限定的となることも予想され、国内価格は小動きか、若干の反発にも。

プラチナ価格は-29円、0.88%安となり7日続落。7日続落は12月以来、5カ月ぶり。短期下値目安3280円近辺に早くも到達。今朝時点でもトランプ大統領のツイートに市場が敏感に反応するリスク警戒ムードは継続中。意図不明ながら「中国に関しては心配無用、全てうまく行く」ツイートの文字どおり、リスクオン方向へとまとまるようなら現状水準付近でいったん反発も。リスク局面拡大となればNYプラチナの下落とさらなる円高で一段安も警戒される状況となり、警戒水準としては3月後半安値圏3200円近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格5/9とチャート

2019年5月9日(木)時点の相場
国内金4,863 円 5/9(木) ▼20(0.41%)
国内プラチナ3,275 円 5/9(木) ▼29(0.88%)
NY金1,281.4 ドル 5/8(水) ▼4.2(0.33%)
NYプラチナ864.4 ドル 5/8(水) ▼9.0(1.03%)
ドル円110.04 円 5/8(水) ▼0.22(0.20%)

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