金プラチナ短期相場観

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下げ渋る8月ユーロ圏製造業PMI、唯一の低下はアイルランド

更新日:2019年9月3日(火)

ユーロ圏製造業PMI 2019年8月ユーロ圏製造業PMIは7カ月連続の節目50割れとなって景気縮小状態が続くなか、8月は47.0へと7月からは0.5ポイントの反発。ブレグジットを控えて急降下が続く英国が8月に47.4まで低下してきたこともあり急接近。低迷状態が突出していたユーロ圏に英国も加わる形となり、欧州の景気低迷は続きます。

<ユーロ圏製造業PMIランキング-2019年8月>
1位:ギリシャ=54.9・続伸で4カ月ぶり高水準。
2位:オランダ=51.6・3カ月ぶり高水準へ上昇。
3位:フランス=51.1・2カ月ぶり高水準へ反発。
4位:スペイン=48.8・続伸で3カ月ぶり高水準も3カ月連続50割れ。
5位:イタリア=48.7・続伸で3カ月ぶり高水準も11カ月連続50割れ。
6位:アイルランド=48.6・続落で6年4カ月ぶり低水準、3カ月連続50割れ。
7位:オーストリア=47.9・3カ月ぶり高水準へと反発も5カ月連続50割れ。
8位:ドイツ=43.5・2カ月ぶり高水準へと反発も8カ月連続50割れ。

7カ月連続1位のギリシャと2位争いが続くオランダとフランスが50超の拡大基調で上位グループを形成。
スペイン、イタリア、アイルランド、オーストリアの4カ国で中位グループを形成し、いずれも50割れ。このグループが50台を回復しない限りユーロ圏の回復も望めません。
5カ月連続最下位で突出して低迷状態が続くドイツが単独で下位グループ。中位グループとの差もなかなか縮まらない状況で、単独でユーロ圏の数値を大きく引き下げる状態が続きます。

上位グループのギリシャ、オランダ、フランスのみが新規受注の増加を記録し、下位グループのドイツは最大の減少を記録し続けます。
ユーロ圏としての雇用は4か月連続で減少し、ドイツの雇用削減度合いは8年余りで最大。
今後の見通しで最も悲観的なのはオーストリアとドイツで過去8年以上で最低レベル。

低迷は続きながらもユーロ圏の製造業PMIは8月に下げ渋り、調査対象8カ国中7カ国が上昇(反発)しましたが、唯一低下したのがアイルランド。
合意なきブレグジットへの警戒感も高まり、景況感悪化が続く英国と陸続きのアイルランドも、その影響を免れません。

ドル円・日足チャート 2019/7/30 - 9/22日はLabor Dayの祝日でNYが休場。週明け時間外のNY金は1540ドル台半ばまでの急騰スタート後に反落、安値では一時1530ドル割れも1530ドル台半ばで推移。NYプラチナは940ドル付近での小康状態から930ドル台前半へと水準を切り下げての推移。
ドル円は106円割れスタート後、東京朝には106円20銭台を回復して欧州時間には106円40銭近辺まで上昇。しかし、1日発動に踏み切った米国の追加関税に対して中国が世界貿易機関(WTO)への提訴を発表。これを受けてNY時間には一時106円00銭台まで下落。先週末までの円安方向への反発基調は腰折れ状態となり、20日移動平均線(106.12)をあっさりはさんでの攻防状態となり、雇用統計などの指標結果や日程を含めた9月の米中協議の行方などによってあらためて方向感が形成されそうな状況にも。目先、106円台後半へと水準を切り上げることができれば107円台半ばまで上値を伸ばすような展開にも、円高方向には105円台半ばがサポートとなり、これを割り込むと104円台前半が意識されるような展開にも。

3日の国内金価格は前日から変わらず。8月末に5600円の高値トライにいったん失敗後、調整局面入りの様相にも5550円から5600円までの高値保ち合いレンジ半ばで下げ渋り。合意なきブレグジットへの警戒感からポンドが売られ、ユーロ圏の景気低迷からユーロが売られやすく、欧州通貨安主導によるドル高地合いと連休明けの米長期金利の反発スタートなどからNY金は上値の重い状態。一方で米中対立が続く状況がサポート材料にも。月初の米指標などでそこそこの好結果が続くようなら調整局面がもう一段進行する可能性も。5550円の節目を割れると5500円の大台割れをうかがう展開にも。予想外の展開で高値再更新となれば5640円近辺までが次の上値目標に。

プラチナ価格は-30円、0.88%安となって6日ぶりの反落。7月末高値3290円をつけた時のRSIが87.4%に対し、3411円まで上昇した9月2日のRSIは78.7%とダイバージェンスを形成して反落の可能性を示唆。6月安値から9月2日までの23.6%戻し(3307)となる3300円の大台ライン近辺までが調整継続の場合の目安にも。高値再更新へと向かえば3450円辺りまでが次の上値目標に。なお、NY金とプラチナ、国内金価格とプラチナ価格のいずれも相関性が崩れる状態にあるものの、サイクル的にはそのピークを過ぎて相関性は今後再び強まる方向へと推移中。
※参考:金プラチナ国内価格9/3とチャート

2019年9月3日(火)時点の相場
国内金5,573 円 9/3(火) +-0(0.00%)
国内プラチナ3,381 円 9/3(火) ▼30(0.88%)
NY金1,529.4 ドル 8/30(金) ▼7.5(0.49%)
NYプラチナ931.7 ドル 8/30(金) ▲11.7(1.27%)
ドル円106.19 円 9/2(月) ▼0.12(0.11%)

8/30(金)のその他主要マーケット指標

想定外のISM製造業景況指数下振れ、3年ぶりに拡大基調終了へ 9/4(水)

下げ渋る8月ユーロ圏製造業PMI、唯一の低下はアイルランド 9/3(火)

4度目の雲のねじれで急騰、国内プラチナ価格もレンジシフトへ 9/2(月)

PCEは9カ月、コアPCEは10カ月連続2%未達の低インフレ期 8/31(土)

欧州委員会発表の8月景況感指数EUワースト3に英、アイルランド 8/30(金)


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