金プラチナ短期相場観

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コアPCEは年末予想1.8%到達、追加利下げ観測後退要因に

更新日:2019年9月28日(土)

PCEデフレーターとNY原油 2019年8月米商務省が発表した8月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年同月比+1.4%で7月から変わらず。食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+1.8%で7月の+1.7%(+1.6%から上方修正)からは上昇。
いずれも市場予想通りながら、コアPCEについては7月分の上方修正がポジティブな印象にもなり、直近3カ月連続上昇となって1月以来、7カ月ぶりの高水準。9月FOMCでの2019年末予想中央値1.8%に到達し、シンメトリックな目標2%付近に「ほぼほぼ到達」と言えなくもない水準にも。

特に、8月はWTI原油価格が7月からは小幅下落となって伸び悩み、PCEの伸び悩みにも影響したなかでのコアPCEの上昇、ということでインフレの安定的な上昇圧力も意識されます。
セクター別ではサービス価格が前年比+2.3%で3カ月連続横ばいの安定推移となっているのに対し、商品価格は-0.5%で横ばい推移。1月の-0.8%よりは上昇しているものの9カ月連続の前年割れ。低インフレ要因としてくすぶり続けます。
エネルギー関連価格は前年比-4.4%と4カ月連続の前年割れで半年ぶり低水準となっていますが、原油価格は9月平均では小幅上昇していることから、若干の上昇圧力も想定されそうです。

また、現状最後の利上げでFF金利を2.25-2.50%とした昨年12月のコアPCEが前年比+2.0%、その翌月、今年1月が+1.8%。インフレ鈍化が続いて3月と5月には+1.5%まで低下しましたが、その後は2度の利下げを経て、コアPCEも急低下前の今年1月水準、シンメトリックな目標下限付近?とも思われる水準を回復。
市場での年内追加利下げ見送り観測は1カ月前の16%程度から、現在は30%台まで上昇しています。

次月以降、コアPCEが再び低下することがなければ、さらなる追加利下げ観測後退要因として意識されることにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2019/8/23 - 9/2727日のNY金相場は-8.8ドル、0.58%の反落。時間外は米中協議進展期待などから上値の重い状態が継続、サウジアラビアのイエメンとの部分停戦合意報道などもあり、欧州時間からNY朝にかけては米10年債利回りが1.72%台まで反発した流れとともに1500ドルの大台割れ。一時9月18日以来、10日ぶり安値となる1490ドル付近まで下落。しかし、9月安値1490ドル付近ではこれまで何度も下値を支えられており、今回も底堅さを再確認。NY市場ではトランプ政権が米投資ポートフォリオの中国への資金流入を制限する方法を協議、との報道もあり米株急落とともに米10年債利回りも急低下、NY金は1500ドル台を回復。長めの下ヒゲを残し、1500ドル前後の水準での底堅さを示してあわよくば反発へも?という足型を残しながらも、上値は重いまま月末月初の重要指標ウィークへ。9日移動平均線(1517.3)が目先の抵抗線候補、下方向へは1500ドル前後の水準が攻防ポイント、これを維持できなくなれば一段安の展開でまずは1480ドル近辺までが下値目安に。
週間ベースでは-8.7ドル、0.57%の反落。

NYプラチナ・日足チャート 2019/8/23 - 9/27NYプラチナは-5.1ドル、0.54%の反落。時間外からNY朝にかけては金の軟調推移に追随、930ドル台から920ドル半ばへと水準を切り下げ、瞬間的には8月30日(915.8)以来、ほぼ1カ月ぶり安値となる920ドル割れを試す場面も。しかし、NY市場でも金に連動する形で反発すると一時930ドル半ばまで上昇。日足レベルでも金と同様に9日移動平均線(940.9)を下抜けてこれが抵抗線候補となる状態にも。9日線自体も下降し始めて下押し圧力となり、920ドル近辺が下方向への攻防ライン、割り込めば900ドルの大台ライン付近までが下値目安に。上方向に切り返す形となって940ドルを超えた場合には960ドルが上値目標。
週間ベースでは-11.6ドル、1.23%安で3週続落。

ドル円・日足チャート 2019/8/26 - 9/27ドル円は2日連続で10銭程度のドル高円安となって小幅に3日続伸。米中対立を巡っては貿易協議進展期待や中国企業への投資制限策検討など、市場にとっての安心材料と警戒材料が混在、中東情勢ではサウジのイエメンでの部分停戦合意がひとまずリスク緩和材料に。米経済指標では8月耐久財受注や9月のミシガン大消費者信頼感指数確報値はいずれも予想よりも好結果となり、PCEインフレは予想通りながらもコア指数の上昇が確認されて好材料。強弱材料混在で107円60銭台から108円10銭台までのレンジで上下動となった週末、9日移動平均線(107.81)を上抜けて1週間ぶり高値となったものの108円台は維持できず、方向感も中立状態に。次週、ISM景況指数や雇用統計などをきっかけに方向感を見いだせるかどうか。上方向には108円半ばの抵抗水準を突破できれば109円台前半まで上値余地拡大へ、下方向には107円のサポートを割れると106円割れへも。
週間では+0.38円、0.35%の小反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/27終値とチャート

2019年9月28日(土)時点の相場
国内金5,601 円 9/27(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ3,424 円 9/27(金) ▼7(0.20%)
NY金1,506.4 ドル 9/27(金) ▼8.8(0.58%)
NYプラチナ931.0 ドル 9/27(金) ▼5.1(0.54%)
ドル円107.94 円 9/27(金) ▲0.10(0.09%)

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